アーモルィナーナの砦

有味 風 作




オリジナル・シナリオ

2008年5月24日
プレイ

参加キャラクター
 ティスマン
 ガーリック
 フィオリア・ミロード
 ハンスヘルト
 シャゼ
 アナスタシア
 グリン
 ピオカーナを失った亡者の船は失意の中チャラルを出港し、当初の目的地であるアルギミリアへ向かいました。

 カドサンドリアへの短い航海の途中、一行は新しい仲間と出会います。
 西大陸の内陸奥地・クサニヨウの谷を更に越えた場所にあるマイルーンの地から遙々やってきたのは、彼の地の氏族の一員である女戦士フィオリア・ミロード嬢でした。カドサンドリアへ向かう船に乗っていたフィオリアでしたが、例によって乗っていた船が難破、有翼人である彼女は水死こそ免れましたが、陸まで飛んでいく死出の飛行の踏ん切りもつかずに、途方に暮れていました。そこを通りかかったのがルテル・クヮグリン船長の亡者の船だったという訳です。海の怪談に疎い山岳育ちのフィオリアはたいして恐れる事もなく亡者の船の甲板に舞い降り、ホラーな船長とその麾下の統一性の無い傭兵団と対面し、救助の恩を返すべく一行に加わります。

 新たにフィオリアを加えた一行はカドサンドリアへと上陸します。
 デーモンによってクォルツァザートに置き去りにされていた少年ラーズルを両親の元へ送り返した後、同じくこの地を故郷とするハンスヘルトの家へと向かう一行。ハンスヘルトの妻・レアナとの対面を果たし、<影の世界>で出会った身寄りのない少年・ゲイランはハンスヘルト商会の見習いとして面倒を見てもらえる事になります。
 妻との再会を喜んだのもつかの間、ハンスヘルトにレアナから目下頭を悩ませている重大問題が切り出されます。レアナの弟(つまりハンスヘルトの義弟)アラナーンが、募った仲間たちと太古の遺跡に財宝探しに出かけたまま戻って来ないのだというのです。久方ぶりに帰ってきた我が家に腰を落ち着ける暇もなく、ハンスヘルトは義弟の救出のために旅支度を始めます。ハンスヘルトの親友であるティスマンやガーリック等の戦友たちは当然彼の手助けを申し出、新たに加わったフィオリアも冒険への期待を胸に抱いてそれに参加します。
 かくして一行はカドサンドリアの東、咆哮丘陵地帯へと出発したのでした。

アーモルィナーナの砦

 ラディオマ村アラナーンの最後の消息を得た一行は、村人たちの
「狼や野犬を殺すな」という忠告を胸に咆哮丘陵地へと足を踏み入れる。
 遠吠えが間断なく響き渡り、時折出現する狼を象ったトーテムが一行の不安を煽る。
 そして初日の晩、野営していた一行に何者かが夜襲をかけてきた。黒犬の体と大鷲の頭を持つ混成生物・ダルジの猟犬だ! 寝込みを襲われた一行は見張りに立っていた
ガーリックアナスタシアで6体の猟犬を相手にするも、苦戦を強いられる。目を覚まして仲間が駆けつけ、猟犬を追い払った時には、ガーリックは左足に重傷を負っていた。得意のグレートソードを振れなくなるほどの深手だったが、気丈にも仲間の肩を借りて先へ進むガーリック

 やがてたどり着いた遺跡は、ダルジ族<光の帝国>との戦争時に使っていた城砦の、見るも無残な残骸だった。残骸の中に新しい足跡――きっとアラナーンたちのものだろう――を見つけた一行は、それが続く地下への入り口を見つけ、ダルジ族が犬の王ルーフドラックに奉げて作った寺院がある地底の暗闇への挑戦を開始する。
 虫の息ながらも生きているアラナーンを見つけた一行は1000年もの長きに渡ってルーフドラックの寺院を守り続ける守護者たちを倒していき、召喚の間(
ティスマン→火の精霊を封印、ガーリック→水の精霊を解放、フィオリア→フルォウ種のデーモンを封印、ハンスヘルト→火の精霊を封印、シャゼ→風の精霊を封印失敗、アナスタシア「邪悪なる者よ、去れ!」)や不思議な泉(ティスマン→INT+4、ガーリック→CON-1、フィオリア→飲まず、ハンスヘルト→INT+1、シャゼ→飲まず、アナスタシア「混沌の魔法の水など、飲めるか!」)で一喜一憂し、後は祭祀の間の巨大ガーディアンを残すのみとなる。
 当初の目的(アラナーンの発見)を果たし、何体かのデーモンや精霊の封印に成功していた一行はこれ以上の危険を冒す必要があるのかを議論し、最終的にリスク回避の結論に達する。祭祀の間のガーディアンに挑むことなく、一行はアラナーンを連れてアーモルィナーナの砦を後にする。
 真の財宝は、いまだ咆哮丘陵地帯の地下に眠っている。

 カドサンドリアに戻った一行はアラナーンを治療施設へ入れ(幸い命に別状は無いようだ)、手に入れた財宝を分配する。尚、財宝の中に船長の魂の隠し場所は無かった。
 手に入れた報酬はなかなかの額ではあったが払った犠牲は大きく、悲しいかな、
ガーリックは剣の握れない身体になってしまった(DEX-4!!)。志半ばで船を降りる事は本意ではなかったが、足手まといになる事の方がより本意ではなく、ガーリックは傭兵団から身を引いて紫の街の島へ帰る事になった。
 しかし、
ガーリックストラーシャの執行人。一つ所に腰を落ち着ける事を良しとしない彼らは、常に世界を旅している。傷が癒えれば、ガーリックも再びどこかへ向かう船に乗り込む事だろう。

 今は休め、
ガーリック。そして再び、何処かの地で見えん事を……。

 重症表を振った結果、グレートソードを使うためのDEXが足りなくなってしまったガーリックが今回でリタイアです。
 我々の身内はダイス事故上等で完全オープンダイスが基本となっており、ガーリックも最初のワンダリング遭遇で重傷を負ってしまいました。交易商人という若干戦闘力が低い職業で頑張っているガーリックは渋くて応援していたのですが、船を降りる事と相成りました。
 ゲームマスター的には死者や引退者が出るのはいかにも「ストームブリンガー」らしくて張り合いがあります(笑)

 スタインは「呆れた死者」という冒険をしていました(外伝)。外伝はコミカルなシナリオが多いようです。

 今回使用したシナリオは私の自作の物です。十ン年ぶりにファンタジーRPG用のシナリオを作りました。なんのヒネリも無いダンジョン・アタックものですが、臆面もなく以下に公開しておきます。

  シナリオ『アーモルィナーナの砦』

 ――ガーリックに、しばしの休息を。



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