混沌の資料室



 メルニボネッ!(挨拶)

 ようこそ、我が悪魔の記録保管所へ。
 我こそは“メルニボネ皇帝に最も相応しき男”、“超絶ハンサムマン”ことイイルクーン皇子なるぞ。

 ここでは我が配下の魔術師アルアー・ジフゥに集めさせた「ストームブリンガー」TRPGのルール及びサプリメントなどを展示しておる。太古(絶版)の文書を紐解くのもまた知識人たる我が楽しみ。失われし<黒の剣の年代記>の外典をゆるりと見ていくが良いぞ。

ストームブリンガー 基本ルール(BOX)
ストームブリンガー 基本ルール  「Stormbringer 2nd Edition」の邦訳版だ。ホビージャパンから発売された。
 プレイヤーブック、マジックブック、ゲームマスターブック、シナリオブック、チャートブック、<新王国>の地図が同梱されておるぞ。キャラクター作成や魔術使用のルールが収録されているので、もちろんこのセットがなければゲームはできぬ。我が配下になりたい者はまずこのセットを手に入れるが良い。絶版なので入手難易度は高いが、紫の街の島の商人であればいくつか隠し持っているかも知れぬ。
 表紙はなぜか我が肖像ではなく、憎き従兄弟エルリックめになっておる(怒)。

収録シナリオ:
いざ、霧の沼地へソロ・アドベンチャー。プレイヤーはムーングラムとなってシャザール南方の‘霧の沼地’を旅する。
ヤーカス・フローンの塔入門用のミニ・シナリオ。カドサンドリアの豪商に雇われた冒険者は古のメルニボネ人の魔術師の塔を探険する。
クリスタル・オブ・ダーダダースシナリオブック収録の迷宮探険もの。基本ルールに収録するのは首を傾げざるを得ない難易度の高いアドベンチャー。

 ※は我が配下のアルアー・ジフゥがプレイ済である事を表しておるぞ。

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ストームブリンガー・コンパニオン
ストームブリンガー・コンパニオン  追加ルールと新しい資料、シナリオが収録されたサプリメントだ。
 新しい資料には追加の「メルニボネの著名人」が列挙されており、その中には我が妹サイモリルもおる。サイモリル……サイモリルたん ハァハァ……

(しばらくお待ちください)

 サイモリルたん かぁいい! かぁいいよ〜!

(もうしばらくお待ちください)

 ……追加モンスターにはエレノインやグラールク、混沌の蝶といった印象深い存在が収録されておる。その他、「追加デーモン特殊能力」、「ラスダーのルーン」、「魔法のアイテム」、「風変わりな宝物類」といった直ちにプレイに活かせるデータが収録されておる。

収録シナリオ:
試練の殿堂:シャザールの北部丘陵地に謎の建物が出現した。様々な目的で冒険者たちは建物に挑み、使命を果たさなくてはならない。
神政官の目神政官ジャグリーン・ラーンに雇われて、魔法の宝石を裏切り者の魔術師から取り戻すために影の次元のアメーロンへ。

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ストームブリンガー・コンパニオン2 デーモンマジック
デーモンマジック  第4版で大幅に変わったデーモン召喚に関する魔法ルールが収録されておる。このルールによってデーモンのバリエーションが大きく広がり、運用も難解になっておる。さらに神々や恐ろしいモンスターを目撃する事による精神の崩壊を再現するための選択ルール「ストームブリンガーにおける正気度」も収録されておるぞ。狂気による脱落が加わる事により、ただでさえデッドリーな「ストームブリンガー」がさらに過酷なゲームとなること間違い無しだ。

収録シナリオ:
カリズーンの探索パン・タン人の魔術師カリズーンに雇われて、トルースの森で“不死身の飲み薬”を精製する材料を集める。ランダム遭遇表を積み重ねるタイプのシナリオ。
魔術王の島1000年前、イムルイルに反逆したメルニボネ人の魔術師がいた。その反逆の魔術師はイムルイルの魔術皇帝によって滅ぼされたはずだったが、数ヶ月前に復活して<新王国>の商船を再び襲い始めた。被害にあっている商人たちに雇われた冒険者たちは、魔術師の要塞があった島・ニィサドニィメッパールへ行き、事件の真相を暴く。

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ストームブリンガー・コンパニオン3 ヴェルヴェット・サークル
ヴェルヴェット・サークル  キャンペーン・シナリオ「ヴェルヴェット・サークル」と「スーパースクリーン対応チャート集」がセットになっておる。
 時代のあだ花「スーパースクリーン」にストームブリンガーが対応しておったというのは結構奇跡っぽいが、魔術系のルールが良くまとまっており、なかなか一覧性は高い。正直、我はスーパースクリーンを持っておらんがな。
 なお、配下のアルアー・ジフゥは「ヴェルヴェット・サークル」を一晩で終わらせたと言っておった。

収録シナリオ:
ヴェルヴェット・サークルメルニボネ陥落の数ヵ月後、冒険者たちは夢の導きでイルミオラのイルマーに集結する。彼らはそこでメルニボネ人(!)に雇われ、いくつかの探索行へと送り出される。しかしその裏にはメルニボネ人の暗き陰謀が……。ちなみに作者は「ニャルラトテップの仮面」のラリー・ディティリオ。

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Stealer of Souls
Stealer of Souls  旧版『エルリック・サーガ5 黒き剣の呪い』 第1の書 「魂の盗人」77ページ1行目にてエルリックめに殺されたバクシャーンの商人ニコーンの娘の敵討ちの物語。後述の「Black Sword」とセットで一つのキャンペーン・シナリオとなっておる。
 前編に当たる本書はニコーンを罠にはめた商王ども(ピラルモ、トルミール、ケロス、デインスタフ)に復讐する内容になっておるぞ。

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Black Sword
Black Sword  上記の「Stealer of Souls」の続編。本書ではナドソコルからトルースの森を抜けてカーラークへ行き、憎きエルリックめと対決するのだ。是非ともニコーンの娘には従兄弟殿の首を取ってほしいものだ。お前も存分に手を貸してやるが良かろう。
 原作読者には堪えられない連作。機会があれば是非プレイしたいものだ。

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The Octagon of Chaos
The Octagon of Chaos  TOME社というサード・パーティから発売されたシナリオだ。一冊が丸まる一本の表題シナリオとなっている大作であるぞ。
 冒険者はイルミオラのバクシャーンから出発し、陸路・海路を経て最後は辺境のドレルまで行く。古のアーティファクト「マベロードの王冠」を手にせんがため、メルニボネ人の貴族、パン・タンの部隊、ピカレイドの辺境警備隊がドレルの辺境に建つマベロード神の巨像と8棟の構造物からなる“<混沌>のオクタゴン”へ殺到する。王冠を手に入れるのは、果たして誰か?

収録シナリオ:
The Octagon of Chaos

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White Wolf
White Wolf  <法>、<混沌>、精霊(火)の寺院の詳しい解説、船舶ルール、シナリオ、“白き狼”エルリックの能力値(改訂版?)が収録されたサプリメントだ。
 見取り図や一日のスケジュール、主な住人が書かれた寺院セクションは直ちにシナリオに反映できるほどに興味深い。船舶ルールは<新王国>の冒険には不可欠な海の移動を扱っておる。船のオーナーとなって世界を旅して回ることもできるぞ。なお、この船舶ルールのデザイナーは「ルーンクエスト」のグレッグ・スタフォード。
 最後のエルリックの能力値の作者がサンディ・ピーターセンなので、大御所が集まって作られた資料として興味深い。

収録シナリオ:
Escape from Yellow Hellゾートラの治める異世界に取り残されてしまった<混沌>の司祭を救出に向かう冒険者たち。奇怪な生物や強力なデーモンの魔手から逃れて、司祭を無事に<新王国>の世界へ連れ帰る事ができるか?

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Stormbringer 4th Edition
Stormbringer 4th Edition  「Stormbringer」の第4版だ。魔術ルールが大幅に改定になり、それに伴って既存のモンスターどもが新魔術ルール対応の書式に変更されておる。
 邦訳版の『基本ルール(BOX)』の魔術ルールを『デーモンマジック』で導入された新魔術ルールに差し替えたものと言えば、ほとんど間違ってはおるまい。新魔術ルール対応のエレノインやグラールクはユーザーの求めるデータであろうから、「デーモンマジック」に収録しても良かったのではないか? とアルアー・ジフゥめは申しておったぞ。

収録シナリオ:
The Tower of Yrkath Florn:基本ルール(BOX)収録の「ヤーカス・フローンの塔」参照。
The Hall of Risk:ストームブリンガー・コンパニオン収録の「試練の殿堂」を参照。
Karyzoon's Questデーモンマジック収録の「カリズーンの探索」を参照。
The Crystal of Daerdaerdarth基本ルール(BOX)収録の「クリスタル・オブ・ダーダダース」を参照。
The Eye of the Theocrat:ストームブリンガー・コンパニオン収録の「神政官の目」を参照。

 上記の通り、既存のシナリオを第4版に対応させたものが収録されておる。

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Sorcerers of Pan Tang
Stormbringer 4th Edition  悪魔の島パン・タンのガイドブック。パン・タンの歴史、地理、文化、社会、唯一の都市“叫ぶ像の都”フワムガールの解説がされておる。また、上級キャラクター作成ルール、第4版魔法ルールとその拡張ルール、マベロード神等のパン・タン八大神からエイラーンを得る方法等も提供されておるぞ。
 ……しかし、読めば読むほど下劣な民だな、パン・タン人とは(「お前が言うな」:サイモリル談)。

収録シナリオ:
See Hwamgaarl and Die:ヴィルミールの外交使節団の護衛としてパン・タンに到着すると、少々異常な歓待を受ける。
Slaves of the Demon Isle黒いガレー船に捕らえられてコロシアムに送られた冒険者は、意外な救世主によってそこから救い出され、その見返りとしてある計画を持ちかけられる。
Chaos Exultant:パン・タンの教団内の勢力争いに巻き込まれて、冒険者は宮殿寺院の尖塔から異世界へと旅をする。その先に待っていたものとは……。
One Who Laughs:パン・タンを自由に歩き回ってその社会構造や法律について体験し、奴隷女の死の真相を突き止める。
Under the Volcano:島にある8つの聖堂を破壊して、ついには「悲痛の山」の地下で混沌の神それ自身と対決する。

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Perils of The Young Kingdoms
Perils of The Young Kingdoms  <新王国>を舞台にした5つのシナリオが収録された一冊。
 若きアヴァン・アストラン公爵の冒険に同行するという、原作読者には嬉しいシナリオもあるぞ。

収録シナリオ:
The Floating Realm:アルギミリアを出航した冒険者たちが流れ着いた、東方海に浮かぶ「浮遊の王国(THE FLOATING REALM)」を独裁者から解放する冒険。
The Myyrhn Link:冒険者はクサニヨウの谷にある<法>のリンク・マシンにまつわる騒動の収束の手助けをする。
The Fang and the Fountainターケシュ北方に浮かぶ岩島の謎。
Stolen Moments古フロルマーの領主アヴァン・アストラン公とともに伝説の宝石を捜しに行った先で、千年前の盗賊の狂った悪夢に引き込まれる。
The Man Who Sold Gods:一五次元界(紅衣の公子コルムの世界)の魔術的な騒動に巻き込まれ、冒険者たちは無限大聖堂へと召喚されて……。

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Sea Kings of The Purple Towns
Sea Kings of The Purple Towns  紫の街の島のガイドブックだ。島の歴史や地理、主要な街(メニイ、ウトケル、カリス、夕べの城砦)、文化、社会などが解説されておる。教会の章ではラサ、ストラーシャ、ゴルダーからエイラーンを得る方法が挙げられておるぞ。また紫の街のキャラクターを作るための上級キャラクター作成ルールがあり、さらに細分化された職業のキャラクターを作ることができる。
 なお、著名人としてスミオーガン禿頭伯爵の能力値が載っておるが、基本セットの記述と違ってバトル・アックスの達人に改訂されておる。

収録シナリオ:
The Strong Arms:キャンペーンの拠点となる酒場「豪腕亭」を経営するという、変り種のシナリオ(イベント集)。
Sisters of Chaos:いかがわしい商会の関わる事件に巻き込まれた冒険者を扱う、航海シナリオ。
The Unholy Fortress蛮族に包囲された不浄の要塞を救うために東の果てへ。そこで待っていた戦いと裏切り。
Kariss Burning:パン・タンの侵略部隊に襲われたカリスの街の血と炎の一夜。

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Der Traum des Roten Gottes
Der Traum des Roten Gottes  ドイツ語版オリジナルのキャンペーン・シナリオであるぞ。冒険者は夢に導かれて嘆き野を渡り、エシュミールを縦断しながら復讐に狂う古の神の怒りから<新王国>を救うのだ。
 冒頭の暗示的な夢の謎は冒険を進めていくにつれてその意味を明かしていき、やがて輝けるエルワーにたどり着く頃には全貌が見えてくるという構成になっておる。後半はエルワーの上王、プムの神官戦士、法の教団が互いに足を引っ張り合い、各陣営の思惑が交錯する中、冒険者たちは古の神と対決せねばならぬ。
 良く練られたストーリーにはサスペンスも織り込まれておるため、伏線に目を配りながらプレイヤー/ゲームマスターをすると良かろう。

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