赤のQ


1

三星祭

 今回の舞台は聖ジェローナ女学院です。
 現在、聖ジェローナは学園祭「三星祭」の真っ最中です。普段は部外者の立ち入りを厳しく制限している聖ジェローナも、この「三星祭」の期間だけは例外です。外部からの来場者を迎えて、各部の発表会や各クラスの出し物、名にし負うコーラス部の歌声などで賑やかで華やかな色に彩られます。
 特に今年は聖ジェローナの設立起源となった「白凰聖女教会」の設立100周年記念祭も兼ねており、例年より盛大なフェスティバルとなっています。「三星祭」は3日間に渡って開催されます。

キーパー:では始めましょう。3人の関係は史乃と美緒がオカルト研究会の先輩後輩、堂本は史乃の従兄という事で行きましょう。皆さんどのように学園祭に参加していますか?
史乃: 新聞部としては取材。オカ研は何してるんだろう? 占いの館とかかな?
美緒: チアリーディング部で公開演技、オカ研は占い以外にもオカルト関係の本を展示とか
堂本: えーと、待ち合わせている筈の史乃さんを探します。若い娘の薫りに悶絶しつつ
史乃: 少し離れたところから、とまどっている慎一郎を観察してます(笑)。ついでに写真を撮ったりして
キーパー:学園生「変な人がいますわ(´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )」(堂本を見て)
堂本: 新隊員募集でも始めるのかしらと思いつつ? 「君、いいカラダしてるねえ」なんて言えばつまみ出されるか
キーパー:学園生「(´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )」
史乃: 可愛そうなので近づきます。「慎一郎兄、こっちこっち」
堂本: 「あー、こんちわ。誘ってくれて有難う」
史乃: ちなみにどんな服装?
堂本: 普通の平服姿です
キーパー:(……迷彩服じゃないのか)
史乃: 「たまには、世俗を離れるのも良いでしょう」
堂本: 「うーん、しかし、これだけおねえちゃんだらけの世界も異様だよ」
史乃: 「あはは、そう言わずに、忙しい合間を縫って案内してあげるんだから」
堂本: 「ありがとう、綺麗になったね史乃ちゃん」
史乃: 「あら、そんなセリフが言えるようになったとはね。ではまずは、うちの研究会の出し物でも見てもらおうかな。可愛い子が多いよここは」
堂本: 「行きます。北○鮮が攻めてきたとしても、行きます」
史乃: 「占いをやってるんだ。後輩にも紹介するよ」ということで、オカ研の占い室へ
堂本: 「でへへ、美人ですか?」
史乃: 「びっくりするよ」
キーパー: 視聴覚室から借りてきた暗幕で暗くした一室で占いの館が設営されています。美緒は店番していることにしましょうか
美緒: 了解です
堂本: 物珍しそうに見回します
美緒: 史乃さんたちが来たのに気付いて「あ……史乃さん!」
史乃: 「や! 美緒ちゃんお疲れ~」
堂本: 「こんにちわ」
キーパー: 幻想を裏切らず、美緒は学園でも名うての美少女です
堂本: 素晴らしい
美緒: 「こんにちは……史乃さん、こちらの方は?」
史乃: 「こっちが、従兄弟の堂本慎一郎さん。今日、案内してあげるって言ってた人よ」
堂本: 「堂本といいます」
キーパー: 占い研部員「迷彩服の人が来ましたわ(´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )」
堂本: 着てませんよー(泣)
史乃: 「この子は後輩の美緒ちゃん。今日、一緒に回ってくれるって」
堂本: 「初めまして。今日はどうもありがとう」
美緒: 「は、はい……史乃さんの後輩の鈴原美緒です。よろしくお願いします……」可愛らしくお辞儀(ぺこり)
史乃: 「大丈夫よ美緒ちゃん、危ない人じゃない……と思う」
キーパー: 占い研部員「鈴原さんは休憩入っても良いよー」ということで、美緒は店番から解放です
美緒: 「あ、はい~」
史乃: 「悪いね、美緒ちゃん借りるね~」
堂本: 「お茶でも飲まない?」
美緒: 「ええっ……それは……」>堂本さん
堂本: 「深く考えてはいけない。なにも考えてないんだから。みんなでね」
史乃: 「そうね。お茶でも飲みながらどこを回るか考えましょう」
美緒: 「はいです」
堂本: 「じゃあ、案内してくれる?」
史乃: 「当然おごりよね?」>堂本
堂本: 「自衛官の俸給ってどれくらいか知ってる?」
史乃: 「天下の国家公務員」
堂本: 「そうだった。リストラがない……奢ります。もー、まけまけ気分だ……」
史乃: 「ありがと(笑)」
美緒: 「えっと、ごちそうになります」
堂本: 「女はどんな細菌兵器より怖い」
史乃: では、遠慮無くおごってもらいながら、どこへ行くか考えましょう
キーパー: 歩いていると、「こんにちは、高遠さん、鈴原さん」と声をかけられます
史乃: 誰?
美緒: 誰でしょう?
久梳 美影キーパー: シスターの服装の女性です。オカルト研究会の顧問の先生・久梳美影(くすき・みかげ)先生です
史乃: 「ごきげんよう、シスター」
美緒: 「ごきげんよう」
堂本: 会釈して観察してます。うひひひひ
キーパー: 「あら?」とシスターは声を上げて堂本をまじまじと見ます
史乃: 「私の従兄の堂本慎一郎です。今日は、案内をしています」
堂本: 「どうも初めまして。史乃がお世話になってます。堂本慎一郎です」
キーパー: 美影は堂本を見て「どこかでお会いした事があったかしら?」といって首を傾げています
堂本: 「私に、でありますか?」
史乃: 「慎一郎兄……?」(疑惑のまなざし)
キーパー: 美影はパムと手を叩いて堂本にこう言います。「厨子村の救助活動にボランティアで参加した時にお会いしました! 自衛隊の方ですわよね?」
堂本: 「ああ……あの時の! 人手が無くて感染症があるかもってことで、自分も参加しました」
史乃: 「へぇ~、色んなことしてるね」
キーパー: 美影は炊き出し等で後方支援を手伝っていた時に、堂本と顔をあわせています。2年位前のことです
堂本: 「あの時大変でしたね。気付かず失礼しました」
キーパー: 美影「いえ、こちらこそお役に立てなくて、その節はご迷惑をおかけしました」
堂本: 「お暇なら、これからみんなでお茶でも、と言っていたところなんですけど、御迷惑でなければご一緒しませんか?」
キーパー: 美影「そうですね、ありがたくご一緒させていただきます」(ニッコリ)
堂本: ばんざーい
史乃: やるね
堂本: 不撓不屈
キーパー: では4人で手近な茶店に入って茶を飲みまくります
史乃: ちなみにどんなシスター?  生徒の評判とか
キーパー: 物理化学を教えています。教育熱心で、生徒には好かれていますね。学園の卒業生で、敬虔なクリスチャンです
史乃: お堅いってこと?
堂本: ガーン!
キーパー: ジェローナの校訓「気品、純潔、情熱」を地で行くような人です
美緒: 身持ちは堅そうですね
史乃: お堅いんだ(笑)
堂本: 早くもだめだめ気分
史乃: 「まぁまぁ、身持ちが堅いってことは、惚れれば一途かもよ」 そういえば、シスターの歳は?
キーパー: 24歳です。洗礼名が“アーデルハイド”なので、生徒からはシスター・ハイジと呼ばれて親しまれています
史乃: なるほど
堂本: 「素敵なお名前です」
美緒: 何処からみても正に聖職者
キーパー: 美影「こうして三星祭を盛大に行えるのも主のおかげです。皆さんも感謝するように……ウンタラカンタラ」
堂本: コーヒーの苦みが身にしみる
美緒: ハーブティーを品よく喫茶してます
史乃: さて、どこか面白そうな出し物はある?
キーパー: 美影「小等部の合唱発表会はどうでしょう? 小等部の生徒たちが日頃から一生懸命に練習した成果を聞きにいくのは素晴らしいことですわ」
堂本: 「まさしく」
史乃: 「同調してるし……」
美緒: 「あはは……」
堂本: でへへ
史乃: 「美緒ちゃんもそれで良い?」
美緒: 「はい、私も発表会聞いてみたいです」
史乃: 「そっか~、美緒ちゃんはよい子だねぇ」
堂本: 「素直な女性は美しさ3割り増しだ」
キーパー: 有名な聖ジェローナのコーラス隊予備軍ですから、それなりに実力もあるでしょう。この合唱発表会が学園祭1日目のメインプログラムです
堂本: 決まりだね
史乃: 「では、行きましょうか。お勘定よろしくね、慎一郎兄」
キーパー: 皆さん合唱発表会へ行くということで?
史乃: はい
堂本: 了!
キーパー: 合唱発表会は学院の敷地内にあるコンサートホールで行われるので、史乃、堂本、美緒、美影の4人でそこへ向かいます。コンサートホールへの道は混雑していますね
史乃: 「盛況ですね」
堂本: 「ええと、ごめんなさい、ちょっと通してね」
キーパー: 美影「仕方ないので、裏道を通りましょう」そう言って美影は校舎内に入っていきます。校舎から“関係者以外使用禁止”の校舎裏への出入り口を抜けて、人気のない校舎裏を通ってコンサートホールに向かいます。「利用できる特権は利用するものです」
堂本: まさしく
史乃: 「助かります」
キーパー: 美影「主よ。この特権を私に与えたもうたあなたに感謝します」
史乃: 大げさな……
堂本: 「なむなむ」