赤のQ


キーパーの言い訳。

キーパーの言い訳。

 プレイ時間は約10時間です。目論みの倍近く時間がかかってしまいました。

TUO#10 本作は私自身初めての「クトゥルフ神話を扱わない」クトゥルフ神話TRPGのシナリオです(同様のルールを使って非神話ストーリーを扱う『放課後怪奇くらぶ』というシステムがあるそうですが、有味は未見なので詳細は分かりません)。『The Unspeakable Oath #10』という海外のCoC専門誌に掲載された"The Crucifix & The Crucible"という記事の抜粋を使用しました。この記事はCoCで天使と悪魔を扱うためのヴァリアントルールで、今回使用した抜粋記事の他にも上級・下級デーモンや魔王サタン(ニャルラトテップを軽く凌駕する能力値です!)のルールを含んでいます。利用したルールの拙い翻訳をDÆMON TIPSで掲載しておきます。
 ただ、クトゥルフ神話に比べると安っぽさを感じるのは否めず、結局出来上がったシナリオも少女向けホラーコミックの大して面白くない読み切りのような内容になりました(本当の原因は私の力不足です)。

 実際のセッションで誤算だったのは、中盤(三星祭2日目)の調査のシーンです。ちょっと時間を掛けすぎました。もっと柔軟な対応で情報を出せたら、引き締まった展開になったかもしれません。伸び伸びと活躍してくれた日下部麻希に比べて、もう一人のキーパーソンであった生徒会長・結城晶の影が薄くてプレイヤーの印象に残らなかったのではないかと反省しています。麻希は序盤から中盤まで嫌われ者としてプレイヤーを大いに混乱させてくれたのですが。

「赤のQ」の由来は劇中では語られませんでしたが、Qは悪魔の真の名「クォルゲイニ(Quorgeyni)」の頭文字です。真の名は契約者である晶にしか明かされないので、劇中では「******」として発音できないものとしています。クォルゲイニは実在(?)の悪魔ではなく、私が昔作った『ストームブリンガー』のシナリオに登場させたデーモン・ファイターの名前の流用です。「Q」が何らかの神話存在の頭文字ではないかと予想していたプレイヤーさんがいましたが、残念ながら真相は前記の通りです(Qっていうと……Q'yth-az!? Quachil Uttausか!?)。

「架空都市計画」は様々な可能性を試す舞台なので、実験的にこのような異色シナリオを投入してみました。期待してくれたプレイヤーさんには肩透かしを食らわしたみたいでごめんなさい。

ライン

(2023年4月3日追記)
 12年半前くらいにプレイしたオンライン・セッションのリプレイを改訂版として作成しました。
 サイト立ち上げ当初はコンテンツを充実させるために突貫工事で仕上げたページが多く、それも“味”として残しておくのも良いと思っていますが、明らかに読みにくいものは改訂版を作りたくなります。昨今はフリーのオンライン・マテリアルも充実していますので、改定するモチベーションにもなります。
 本作は実験的で、有味のクトゥルフ宇宙でも重要性の低い物語ですが、「白凰市」という背景に厚みを持たせるものだと考えています。また、参加していただいたプレイヤー諸氏に報いるためにも残しておくべき資産と考えています。そのため、少しでも読みやすくなるように2部構成を10部構成に分割して、資料も少しだけ拡充してみました。
 明らかにTUO#10の記事を使って自己顕示欲を満たすために作った厚顔無恥なシナリオですが、それなりに辻褄の合うストーリーにはなっているようです。これを機に、「ああ、あったなぁ、そんな話」と思い出していただければ幸いです。

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