死にゆきし聖マーガレット


プロローグ

 プレイヤー・キャラクターたちは全員、民間のオカルト・サークルに籍を置いています。ゆるい繋がりがあって、互いに顔見知りです。オカルトの講義がある場合などで同席して、「互いに顔を知っている」程度の面識があります。

1934年9月、ロンドン

キーパー:ヘンリーはハモンド・ハイ紙に勤務する記者です。
ヘンリーはい。26歳だから駆け出しの記者ですな。
キーパー:あなたにはピップ・マスターソンという名前の同僚のジャーナリストがいます。彼は先ごろ、特ダネを求めてスコットランド沖にある聖マーガレット島という場所に行きました。彼は「この記事で全国紙にポストを得るつもりだ!」と言っていました。
ヘンリーほう。どんな特ダネかは聞いていない?
キーパー:ピップ・マスターソンはオカルト・サークルにあなたを引き込んだ張本人なのですが、彼は聖マーガレット島にある聖マーガレット学院という8〜13歳の女子生徒が在学する女学院に国語教師の職を得て、住み込みでなにやらオカルト的な調査をすると言って旅立っていきました。それが今年の初めのことでした。
ヘンリー赴任して行ってしまったのか。
キーパー:5月くらいまでは便りがありましたが、ここ4ヶ月ほどは音信普通の状態です。
ヘンリーなるほど。「心配だなぁ」。最後の便りに異変とかはなかったの?
キーパー:「すごい発見ができるかもしれない!」という、あなたのドライブ(ヘンリーのドライブは「力」 ※このシナリオ用の、特殊ドライブです)を刺激する、興奮した便りが最後でした。そこで、あなたも聖マーガレット島へ行こうと思い立ちます。学院で何の職を得ますか?
ヘンリーじゃあ単純に、俺も国語教師で良いでしょう。

ヘンリー・ワトソン、26歳
 職業:ジャーナリスト
 ドライブ:
 最初の数分は、講義は面白かった:太古に地球に飛来した何か。その後、君は自らの思考に耽る。星間を旅してきた古々しき何かには、力があるに違いない。その力を利用するには、どうすれば良いだろうか?
 プレイヤー:“Junnkie”

キーパー:エドワードはダフィッズ・エドワーズ下院議員と知り合いでした。
エドワード身分的にありそうな交友関係ですな(※エドワードの<信用度>は6)
キーパー:ダフィッズ議員は議会ではひた隠しにしていましたが、熱狂的なオカルト・ファンでした。彼が言うには、『アストロノミカル・メディウム』という書物を読んで、聖マーガレット島という島で素晴らしい発見をできる可能性を見出したのだそうです。そこで彼は会計係を求めていた聖マーガレット学院に赴いて、その職をこなしながら短期間の研究旅行に行って来るとあなたに話していました。そして彼も5月頃から便りがなくなっています。
エドワードそうなのか。では聖マーガレット島へ法学の教職を得て旅立つ事にします。

エドワード・ランカスター、23歳
 職業:ディレッタント
 ドライブ:冒険心
 クラブの階段から知り合いに手を振って別れを告げる。君のスーツケースの中には銃、地図、そしてパルプ冒険小説が入っている。君の心を満たしてくれるのは、戦いと発見だ。
 プレイヤー:でじこの父

キーパー:トーマスは精神科医だけではまだ食べて行けないので、診療所で医師として働いていました。
トーマスそちらがメインで、精神分析にも手を出している、という状態なんでしょうね。
キーパー:患者にレッドと名乗る、古ぼけた赤いベレー帽を被った浮浪者がいました。彼はオカルトに関心を寄せていた浮浪者で、彼と話をしていると非常に面白く、君をオカルト・サークルに誘ったのも彼です。
トーマスふむ。
キーパー:彼はちょっと変わっているというか、いわゆる学のない浮浪者とは違って、オカルトの講演や講義にもちょいちょい顔を出していました。朝、公共図書館に行って新聞を隅から隅まで読むような、そんな人物でした。
一同:ほほ〜。
キーパー:ある日、君とレッドがオカルト仲間と話している時に、聖マーガレット島に隕石が落ちたという話題になりました。その話の後、彼は図書館で新聞のバックナンバーを調べて、タイムズ紙に流星に関する投書を発見しました。

1914年3月13日 「流星」
 拝啓
 昨晩の11時ちょっと過ぎ、並外れた大きさと輝きの隕石が南東の空を落ちていくのが見えました。大熊座を通過して、南西の方向、土星に向かっていきました。光は白くて驚くほど明るく、燃えるような赤い尾を引いていました。ぱっと見、ちょうど右手の丘の頂上に昇ったばかりの、大きなかがり火のような火星より大きく見えました。

 おそらく、この不可思議現象は突然起こった異常な天候の変化と関係があるに違いありません。ここ何週間荒れた嵐模様であったにもかかわらず、変化は一晩で起こり、今朝は濃霧が晴れて、日中は燦々と陽光が降り注ぎ、激しい風が吹き荒れていました。農場主たちは喜んだことでしょう――私もです。

 アレクサンダー・スコット

キーパー:聖マーガレット学院で庭師を募集している事を知った彼は、君に推薦の手紙を書いてもらって、その職を得て、旅立っていきました。便りが来なくて、君はいても立ってもいられなくなります。
トーマス私は校医として応募します。

トーマス・ベンフォード、32歳
 職業:精神科医
 ドライブ:追従者
 最後の装備品を詰め終える。君の人生において、常に共にあり、常に目的を同じくして、付き従っていた人物がレッドだ。君はスコットランドの孤島に向かっている、そう理解している。おそらく、そのすべての背後に、妥当な理由があるのだろう。
 プレイヤー:ずずず

キーパー:チャールズの知り合いにはロンドンのインペリアル・カレッジの古典派物理学者、アルフレッド・グラント博士がいます。彼は「相対性理論の間違い」を探すという研究をしています。
一同:なるほど(笑)。
チャールズそういう時代ですな(笑)。
キーパー:彼は研究をしている内に脱線・転覆を繰り返して、なぜかオカルトに興味を持ち始めました(笑)。「相対性理論は、もしかしたら私が考えていたより、何か多くのものを含んでいるのかもしれない……」みたいな思いに捕らわれるようになってしまいました。
チャールズはいはい。
キーパー:彼も聖マーガレット島の天文イベントに注目したらしく、学院に物理学教師のポストを得て旅立っていきました。そして便りが途絶えたのが5月頃です。
チャールズ物理学教師の職を得て旅立ちます。

チャールズ・メルウェル、28歳
 職業:科学者
 ドライブ:学究
 朝、ポストを空けるとオカルト・クラブからの会報が来ていた。何かを強く期待して予約購読しては、失望させられている君だ。捨てる前に、会報にざっと目を通す:流星群に関する報告が君の目に付いた。会報には、何かが空から飛来したと書かれていた。これは新しい:まだ耳にしたことがない神話だ。どうやら行ってみなければなるまい。
 プレイヤー:へむれん



戻る ToCトップへ 進む