『童織村怪話』
キーパーの言い訳。




 最初は「滝を見下ろす崖の上に揃えられた無数の履き物」というシーンを再現したくて作り始めたシナリオです。しかし、完成してみたら出来の悪い18禁ゲームのような内容になっていました。10年以上付き合いのあるプレイヤー諸氏の理解に甘えています。ゴメンナサイ。
 あと、不定の狂気のルール間違ってました。ゴメン。

 話の展開は近年稀に見るテンポの良さでした。正気度喪失を恐れずに積極的に行動していただくと、やはり情報を出しやすいです。たたみ掛けるように発覚する事実、次々に発見される犠牲者は、「巻き込まれ混乱型」の本シナリオが目指した部分ですが、プレイヤー諸氏の協力によりなかなかうまく再現できたと満足しています。

 ラストシーンは「どちらの悪に味方するか?」という選択です。今回の一行はフキ側につきましたが、マキオ側につく選択もありましたし、どちらにもつかない選択もありでした。
 中原巡査は一貫して「フキにつく」と主張。「幼女よりは少年のほうが射殺しやすい」というのがその理由(どんな理屈だ)。
 対して日野記者&鳥飼青年は「マキオにつく」派。「村人のモラルを崩壊させる」フキよりは、「村人31名を亡き者とした」マキオの方が危険だと判断し、PC&NPC全員の身の安全を考えて強い方の味方をしておこうという考えです。
 葉月少年は中立派で結論を保留。フキ派とマキオ派の意見の弱点を指摘していました。
 結局、最も戦闘力があり(拳銃所持)、従属の魔術を習得している中原巡査の意見が通り、フキと轡を並べる事にした一行でした。
 ちなみにうちの身内は議論に時間を割く傾向があり、今回の「フキか、マキオか?」議論もたっぷり45分かけて結論を出しました。

 今回登場させたフキとマキオは「イゴーロナクの子供」です。INTの数値を高めて確固とした自我を持たせていますが、戦闘力で人間を上回る存在ではありません。
 既に他所様のホームページで能力値が公開されていますが、終末同盟バージョンとして以下に数値を掲載しておきます。

イゴーロナクの子供、下級の奉仕種族
「そしてその壁の向こう側では、ぼろをまとう眼の無い闇の従者に仕えられてイゴーロナクが立ち上がる。壁の向こう側で長きにわたって彼は眠り続けた。煉瓦を越えて這いずる者が彼の上を通り過ぎても、それがイゴーロナクだと知る事は決してない。」―――ラムジー・キャンベル『冷たき刻印』


 イゴーロナクの子供は小さくて醜い、眼の無い人型という姿をしています。ぼろを纏ったイゴーロナクの子供は、闇の中を手探りで進み、自分たちの父祖(イゴーロナク)が再び自由に地球上を闊歩する日を、愚かにも待ちうけています。
 盲目なため、イゴーロナクの子供の聴覚と嗅覚は高度に発達しています。
 グレート・オールド・ワン「イゴーロナク」については『クトゥルフの呼び声』ルールブックを参照してください。

攻撃:グレート・オールド・ワン同様、イゴーロナクの醜い子供たちの掌には口がついています。この醜きものは1ラウンドに3回の噛み付き攻撃をします。両掌の口で1回ずつと、顔に備わった口で1回です。この半白痴の生き物は群れで犠牲者に襲い掛かり、一斉に攻撃を加えます。

イゴーロナクの子供、ぼろを纏った眼無き暗黒のもの
 能力値    ロール    平均値
 STR    2D6    7
 SIZ    2D4    5
 INT    1D4    2-3
 POW    2D6    7
 DEX    3D6    10-11
 移動 10          耐久力 7-8

 平均ダメージ・ボーナス:−1D6
 武器:噛み付き 30%、ダメージ 1D2+db
 装甲:なし。
 呪文:なし。
 技能:聞き耳 80%、嗅ぎ分け 80%
 正気度喪失:イゴーロナクの子供を見て失う正気度ポイントは0/1D4です。

※『冷たき刻印』の訳文は「湖の隣人の小屋」様から拝借しております。



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