#1 楢須藤 竜一
(アクション・1)
1AP目で「夕暮れの村見て回る」。
2AP目で父親の墓を探す、もしくは場所を知っているならその墓まで行ってみます。「墓参り」というわけではなく取りあえず帰郷の挨拶という感じで寄ってみます。
(リアクション・1)
「墓参りは、明日にしたらどうかね? 今から向かったのでは夕飯には帰って来られんよ」
宿泊先の親戚に代々の墓の位置を尋ねたあなたに返ってきたのが、その言葉だった。さすがに来訪初日から夕食を断った挙句、真夜中まで外出、と言うわけには行かないだろう。あなたは墓参りを明日以降にする旨を親戚に伝えると、夕暮れの厨子村を散策すべく玄関を出た。
【出題】
早速ですが、2AP目の「墓参り」はキャンセルです。
厨子村は村はずれの共同墓地を使っており、この時間からそこへ向かうと帰って来るのは夜中になってしまいます(ゲーム的に言えば2APの距離にあります)。
1AP目に行動選択してくれたら可能でした。2AP目の行動を決めなおして再申請してください。
(アクション・2)
了解しました。
それでは2AP目で「神社に行く」を選びます。
子供の頃(10歳くらいまでは住んでたはずですね?)遊んで怒られたりした神社に懐かしさを求めてふらふらと寄ります。幼なじみの巫女さんと再会イベントとか有るとなお良し(^^
(リアクション・2)
【夕暮れの村を見て回る】
薄暮の厨子村を見て回る。
薄れつつある白黒のキャンバスに、再び色とりどりの絵の具が乗せられるように記憶が甦ってくる。高揚する。あなたの故郷は、確かにここだ。
この村で走り回ったことのない場所はないはずだ。村を離れるまでは、暗くなるまで友だちと遊び回った。懐かしさがこみ上げてくる。彼らもこの儀のために帰郷しているのだろうか?
(※ロールに1回失敗しています)
【厨子神社】
厨子村で最も目を引く建造物が、芦鷹の管理する厨子神社である。厨子村の規模からすると、立派過ぎるほどに感じられる豪奢な社殿に至るには、山の斜面に沿って積まれた数百段の石段を登っていかなくてはならなかった。
石造りの鳥居をくぐると境内が広がり、左右から灯篭に照らされた石畳の参道が社殿の前まで続いている。
賽銭箱の前に立つと、あなたは何気なく財布を開けて一枚の硬貨を取り出し、それを投げ入れた。目の前にぶら下がるヒモを左右に振って鈴を鳴らした後に、お祈りを…と思ったが、いくらヒモを揺すっても鈴は鳴らない。それもそのはずだ。ヒモの付け根に鈴が付いていない。
何かを吊るす金具のような物が見えることから、どうやら鈴は取り外されているようだ。
社殿を眺めていたあなたの背後で軽い足音がした。振り返ったあなたの目に映ったのは、白い千早(ちはや)に緋袴(ひばかま)―――所謂巫女装束に身を包んだ少女だった。足袋に草履に箒。巫女と断定するに欠けるアイテムは何一つない。現れた巫女は、あなたに向かって小さく頭を下げると、そのまま境内の掃き掃除を始める。秋ではないこの季節に落ち葉などあるはずもなく、広い境内の清掃を瞬く間に仕上げていく。
少女には見覚えがある。たしか、来た時のバスで一番前に座っていたセーラー服の女子高生だ。特徴的な双房の三つ編みお下げは、見間違えようもない。
「今晩は」
会ってからしばらく経って挨拶するのも間が悪いと思ったが、あなたは思い切って少女に話しかけてみる。少女は掃除の手を止めて、あなたに視線を向けた。
「・・・コンバンワ」
愛想のない返事が一言。その後は出方を伺っているのか、あなたをじっと見つめている。話しかけたことを少し後悔した。この少女との間で、会話が弾むことは絶対無い。
「・・・神社(ここ)の子? 芦鷹家の娘さんかな?」
当り障りなさそうな話題を選び、あなたは少女との会話を続ける。少女はコクリと頷くと、掃き掃除を再開した。会話を切り上げられたのかと思って少女から視線を外したあなたの耳に、意外にも2度目の返事が返ってくる。
「・・・巧美(たくみ)。芦鷹の宮司様は叔父さん」
少女―――芦鷹巧美、芦鷹の宮司の姪―――の返事は素っ気無いものだったが、彼女の方から会話を切り上げた訳じゃないことに、あなたは少し安堵した。あのままでは去るに去れない雰囲気もあったから。
「見かけない人・・・」
再び掃除の手を休め、あなたを見つめる巧美。あなたは自分の素性を明かし、今回の厨子夜婚の儀に参列するために帰郷したことを伝えた。興味があるのかないのか、巧美の反応は「・・・そう」と一言きりだった。
やがて大して手間のかからなかった境内の掃除を終え、巧美は箒を片付けた。消えていた灯篭に火を灯して回り、それが終わると石段に向かって歩き出す。あなたの前を通り過ぎる時には小さく会釈をしたが、それ以上の関心を向けることなく、巧美は足早に石段を降りてその姿を消した。
灯篭の灯りに照らされて幻幽に揺らめく厨子神社の社殿が、境内に残ったあなたを見下ろしていた。
賽銭箱の上の鈴が何故無いかを巧美に聞くのを忘れた事に気づいたのは、巧美が去ってから5分以上も後のことだった。
(※ロールに1回成功しています)