#2a 津島 幸乃




(アクション)

 それでは、津島幸乃の行動です。尚、今回は、朝倉圭とは別行動です。午後からは一緒に行動する予定ですが、果たしてどうなるか。

1.村を見て回る。
「昨日の叔父様の言動といい、子供が見あたらないことといい。何か、納得いかないなぁ。圭ちゃん付いてくるとうるさいし、まずは一人で調べてみますか。」
 重点を置くのは2点、子供のことと、25年前の夜婚の儀について、出来るだけ村人に話しかけて、情報を得ようとします。
(比較的若そうな人を選んで)「私、この村に帰ってきたの10年ぶりなんですよ。あんまり変わってませんよね。学校も、まだ使われてるんですよね? あまり見かけないんですけど、子供たちはどの辺で遊んでるんでしょうね。」
(年配の人に)「(世間話をしつつ)25年前の夜婚の儀は、どんな様子だったんですか? 今は町で暮らしてるから、村のお祭りがどんな感じだったのか忘れちゃってるんですよね。そういえば、前の夜婚の儀ではどなたが嫁神様をされたんですか?」
 こんな感じで、努力してみます。

2.再度、芦鷹家へ
 調べたいことは1と同じ。夜婚の儀当日の手伝いの内容を聞くふりをしつつ、聞き出すのにチャレンジ!
「そういえば、25年前の夜婚の儀の花婿役って、叔父様だったんですか?」



(リアクション)

【厨子村を見て回る】
 朝日に照らされた厨子村を歩く。
 やはり昨日感じた違和感は気のせいではなかった。子供の姿は見当たらない。揃いも揃って全員がまだ寝ているという事はないだろう。つまり、厨子村に児童はいない。
 帰郷のバスで一緒になった女子高生がいたところを見ると、高校生はいるようだ。厨子村の分校に通う小・中学生及びそれ以下が軒並みいないと考えるのが妥当だろう。
 訝しげな顔で歩くあなたの向こうから、犬を散歩させている30歳くらいの女性が歩いてくる。女性は「おはようございます」と気さくに挨拶してあなたとすれ違った。躊躇する前に体が動いていた。あなたはとっさに振り向くと、女性に声をかけていた。リードを引いて犬を止まらせた女性が、なんですか、という顔で振り向く。こうなったら止まらない事は自分でも良く分かっている。気が付くと、あなたは先ほどまで考えていた「子供たちがいない」ことについて、女性に尋ねていた。
 女性(言葉のイントネーションから、厨子村在住者だろう)が言うには、村の児童たちは夏休みを利用して、全員臨海学校に行っているとの事。だから村で遊ぶ子供を見かけないのだという。
 それでは幼児以下は? とのあなたの問いには、女性は困った笑いを浮かべて、分からない、という風に首を横に振った。
「でも、厨子夜婚の儀は子供には見せない“しきたり”みたいだから」
 女性は、ふとそんな事を付け加えた。その後は「良く分からない」の一点張りだったが、嘘を吐いているようにも思えなかった。
 あなたは礼を言って女性と別れる。

 子供たちの事と同時に、引っかかることがある。昨日の芦鷹真輔の不自然とも取れる態度だ。わざわざ本家に呼び出しておきながら、訳は話さないが指示に従え、等と言い出す。しかも、その指示すら出るか分からない。何かおかしい。
 そもそも、厨子夜婚の儀自体が謎に包まれすぎている。結局どのような様式の結婚式なのだろうか? 神社で挙げるからには神前式なのは間違いない。しかし、なぜ厨子村出身者が全員参加しなくてはならないのか?
 またしても訝しげな顔で歩いていたあなたは、木陰に佇む道祖神の横に腰掛けている老婆を見つける。躊躇する前に体が動いていた。あなたはとっさにしゃがみ込むと、老婆に声をかけていた。老婆が、なんですか、という顔であなたを見る。こうなったら止まらない事は自分でも良く分かっている。気が付くと、あなたは先ほどまで考えていた「厨子夜婚の儀」について、老婆に尋ねていた。
 老婆によると、前回(25年前)の厨子夜婚の儀は祁堂家から嫁神が出され、儀は滞りなく終わったのだという(その時の嫁神は既に亡くなったそうだ)。前回の様子を尋ねてみるが、もうすぐ見ることができる、と言って笑うだけだ。
 しかし、その目は笑っていなかった。目の奥にある・・・怯え。厨子夜婚の儀について語る時、老婆が小刻みに震えることにあなたは気づいていた。頑なに儀について話そうとしない老婆に、これ以上のことを聞き出すのは無理だろう。しかしその様子が雄弁に物語っている―――“恐怖”を。
 礼を言ってから立ち上がると、あなたは老婆と別れる。
(※2回ロールに成功しています)


【芦鷹家へ行く】
「ん? なんだ、幸乃か」
 あなたが芦鷹家の門をくぐったとき、芦鷹真輔が丁度縁側を通りがかった。何やら黒い表紙の書物(祝詞をしたためた書物か?)を持って忙しく歩いている。千載一遇のチャンスを逃す手はない。あなたは飛びつくように真輔を呼び止め、自らの疑問をぶつけた。
「まだ、そんな事を言っておるのか」
 真輔は呆れたように言った後、煩わしさを隠そうともせずに早口で応対する。
「厨子夜婚の儀の際に手伝ってもらうことなど、ありはせん。祭儀の何たるかを知らんお前に手伝えることなどないからな。あるとすれば、儀が始まる前までだ」
 それも今のところはないが、と真輔は最後に付け加える。
 前回(25年前)の厨子夜婚の儀の花婿は真輔だったのか、との問いには「違う」と言う答えが返ってきた。
 厨子夜婚の儀の花嫁は、必ず御三家が担う「嫁神の家」から出されなければならない。しかし、花婿に特別な規定はない。厨子村出身者である必要すらないそうだ。今回は偶然御三家同士の婚姻となったが、前回の祁堂家の嫁神を娶ったのは御三家に血縁のない人物だったという。
「今回は文康(祁堂家当主)が甥を呼び戻して花婿とした挙句、次の宮司に推挙したのだ。文康には3人の娘がいるが、息子はいないからな。別に宮司は女でも構わんが、文康も人の親、実の娘を宮司として村に縛り付けるのが不憫と思ったのではないかな」
 そう言って真輔は話を締めくくり、忙しいのだ、と言い残して邸の奥へと姿を消した。結局、厨子夜婚の儀についての具体的な情報は得られなかった。