#4 朝倉 圭
(アクション・1)
1AP目:蒼戸空也を呼び出す
@彼から聞きたい情報の内容「護符は誰がどこに持っているのか」
A減らす能力値「運動5→4」
2AP目:芦鷹家の本家へ行く
叔父に質問する。叔父が居なければ、代わりの人間に質問。
質問@もしこの場に巧美が居なければ「巧美さんに会いたいのですが、どこにいて何をされているのですか?」
質問A「儀式で何が起こるのか、芦鷹の娘が具体的に何をするのか、もう教えてもらえませんか?」
質問B「蒼戸空也は何者ですか? 花婿とも会って何かを受け取っているのを見ましたが」
3AP目:神社で護符について聞き込みをする。
(リアクション・1)
【蒼戸空也を呼び出す】
携帯電話で蒼戸空也が待ち合わせの場所として指定してきたのは、厨子神社の裏手の森の中にある、通称「猿の巣洞」と呼ばれる小洞窟の入り口だった。実際には猿ではなく蝙蝠が棲み付いているに過ぎない洞穴だが、それゆえ滅多に人が寄り付くことがないので、人目を忍んで待ち合わせるには格好の場所である。猿の巣洞からはひんやりとした冷気が流れ出してくるようで、夏の暑さも忘れられる。空也の姿はまだない。
待つこと数分、ガサガサと繁みを掻き分けるようにして黒スーツ姿の空也が現れる。肩に乗った木の葉や小枝を払い除けながら辺りを見回し、フンと小さく鼻を鳴らした。
「・・・ちゃんと一人で来たようだな」
あの上目遣いの嫌な目つきであなたを見つめて、ニヤリと笑う。
あなたが空也に尋ねたのは「護符は誰がどこに持っているのか」。質問を聞いて空也はその端正な顔に薄く笑みを浮かべた。苦笑、かも知れない。
「お前の相棒も同じ事を聞いてきたぜ」
・・・幸乃が? 戸惑った一瞬に重なるように「ま、良いけどな」と空也の声が聞こえ、続いて質問に対する答えが返ってきた。
「四神の護符は厨子夜婚の儀が執り行われる25年毎に、神社の御神体・厨子の中から取り出される。儀式の性質からして、護符の一枚は宮司・芦鷹真輔が所持している可能性が高い。残りの三枚の内、二枚は厨子の中に残されていたはずだ。そいつを狙って神社に盗みに入った連中がいるらしいが・・・成否に興味はないな。そして最後の一枚は―――」
そう言って、空也は左胸の内ポケットから和紙に包まれた封筒のようなものを取り出す。それをヒラヒラとさせてニタリと笑いを浮かべた。
「描かれた図柄から見て、これが白虎の護符らしいな」
空也は護符をポケットに戻すと、大事そうに左胸をトントンと叩いて見せた。コイツの出所は口を割れないな、と付け加えながら。
「おそらく、既に四枚の護符それぞれに所有者がいるはずだ。護符の霊験を知る者なら、手放すことはないだろう。それでも手に入れたければ・・・」
空也は右手の人差し指を頚動脈のあたりに当て、それをスーッと斜め下に滑らした。その覚悟があるならな、と言って笑いながら。
質問に対する返答を済ませると、空也は別れの挨拶もなしにクルリと背中を向け、森の茂みの中へ姿を消す。
(※【運動】を1ポイント減らしておいてください)
【芦鷹家の呼び出し】
応接に入ると、そこには既に芦鷹真輔が待っていた。抑え目の照明の中に浮かび上がる真輔の顔は、はっきりと分かるほど青ざめている。雰囲気に圧され、あなたは用意してきた質問を言い出すことが出来なかった。
手振りであなたに座るように促し、それを確認すると押し殺すような低い声で話を切り出した。
「お前に来てもらったのは他でもない」
搾り出されたような、擦れた声。自らを落ち着けようとでも言うのか、真輔の目は閉じられたままだ。吐息は静かだが、深く息継ぎしているためか、両肩が大きく上下する。芦鷹家の当主としての尊大さ、宮司としての威厳が失われていた。明らかに真輔は余裕を失っている。
ゴトリ、と。真輔はテーブルの上に何かを置いた。油紙に包まれた、三角形の物体。―――拳銃。
「これで、蒼戸空也を始末しろ」
静かな中にも隠せない殺意を含んだ、真輔の一言。
「奴は厨子夜婚の儀を邪魔しようとしておる。芦鷹を含めた御三家が、ひいては厨子村が豊かさを保っていくためには、どうしても厨子夜婚の儀の執行が必要なのだ。それを邪魔しようとする者は、御三家が全力で排除せねばならん」
真輔の目は閉じられたままだが、その声から並々ならぬ決意が見て取れた。その声には僅かばかりの懊悩も葛藤も聞き取れはしない。
「後始末は心配要らん。間違ってもお前に嫌疑がかからぬよう、御三家が手配する。だから―――」
真輔の目が開かれる。
「蒼戸の子倅(こせがれ)を殺せ」
【出題】
真輔の言葉を受けての、あなたの行動を申請してください。「拳銃を手に取って頷く」「拳銃を手に取らずに無言で立ち去る」等、なるべく具体的にお願いします。
(アクション・2)
依頼された内容、目の前の凶器に恐怖し、下手をするとこの場で殺されるかもしれないと戦慄します。勇気を総動員し、必死に頭を働かせます。目の前の銃が自分に向けられたら? 叔父がもう一丁持っていたら? などを考えますが、平静を装い、問いかけます。
「こんな重大な依頼を、血縁とはいえ、外の者である私に? 叔父さんがそんなに信用してくださっているとは思いませんでしたが?」と問い、返答があるか反応を見ます。
拳銃を手に取り「私にこれを扱えと?」と言いながら、油紙を開いて中身を確かめます。弾が何発入っているか、一発目は空砲かどうか自分の目で調べようとします。
(探偵小説や刑事ものテレビ番組が好きな幸乃を相手にしている程度の知識ですが)
「弾は○発ですか」と、これから使う道具を確認しているような発言をします。
調べ終わったら、銃を元の形に戻しますが、紙には包み直さず、手の上に置いておきます。それから訊きます。
「蒼戸空也は何者ですか? 彼はこの銃で殺すことが出来るのですか? 彼が普通じゃないのは私にも解ります」
返答をききます(無言ならしばらく返答を待ちます)。さらに問いかけます。
「・・・それに、蒼戸空也は儀式に用があって、起こってもらわないと困ると言っていました。彼が儀式を邪魔するというのは本当ですか?」
返答をききます(無言ならしばらく返答を待ちます)
「彼を殺せたとして、嫌疑がかからぬよう手配して下さるのは結構ですが、そもそも私は儀式が終わっても生きているのでしょうか。私が勘当された幸乃から何もきいていないとお思いですか? 儀式には犠牲がたくさん出る。護符を持っていない私が生きて帰れるとは思えません。
…私と幸乃が儀式を無事に生き残れる保証をください。護符をいただけるか、入手方法を教えてくださるか。護符の使い方、1枚で複数が守れるのかどうか。そして『ゐをどノ書 輝ノ巻』の内容を」
叔父の目を見て返答をききながら(無言ならしばらく返答を待ちながら)、手だけはそっと拳銃のグリップを握りしめます。
情報が得られ、自分たちが生き残るには蒼戸空也を殺すしかないなら、引き受けます。
もし叔父がずっと無言だったり、欲しい情報を提供してくれなかったら、銃を両手で構えて叔父さんに銃口を向け、安全装置をはずしながら訊きます。
「私はまだ何が本当かわかりません。真実を教えてもらわないと、あなたの依頼は受けられません」
それでも教えてくれないなら、
「理由はどうあれ、多くの命が失われる儀式ならば、阻止しようとする方に私は同意します。今あなたを撃てば、確実に儀式を阻止できますね」
と言って、叔父を撃ちます。
(リアクション・2)
【芦鷹真輔の返答】
あなたは慎重に言葉を選びながら、そして真輔の動向や卓上の拳銃にも気を向けながら、積もりに積もった謎の解を求めて口を開く。諾否の回答が帰ってこない事に真輔は少し眉を顰めたようだが、意外にも問答には応じる気配だった。
蒼戸空也殺害の指令をなぜ自分に依頼するのか―――?
「帰郷初日に本宅へ出向かせた時に言ったはず。わしが必要と感じた時、お前に芦鷹の人間として動いてもらわなくてはならん、とな。それが今ということだ。蒼戸を消す事は現在の最重要事項であると同時に、他の誰にも知られてはならん極秘事項でもある。それ故、厨子村に根を張らぬお前に頼むのだ」
あなたは卓上の拳銃に手を伸ばし、それを油紙から取り出した。弾倉には五発の弾丸。安全装置を外して引き金を引けば、すぐにでも発射できるようにされている。殺人装置を手にして、あなたの咽喉は我知らずゴクリと鳴った。
蒼戸空也は何者なのか―――?
「何をもって蒼戸の子倅が普通じゃないと思っているのかは知らんが、やつは間違いなく血の通った人間だ。腹も減るし、眠りもする。―――そしてもちろん、死ぬ。50年前、過去最大の犠牲者を出すに至った元凶、蒼戸雄三郎の孫だ。祖父の責任を孫に償ってもらうというのも、何かの因縁なのだろうな」
蒼戸空也は祭儀の執行を望んでいる。彼がそれを邪魔するというのは確かなのか―――?
「簡単な事だ。もし厨子夜婚の儀が執り行われなければ、それを邪魔することすら出来ぬ。蒼戸の子倅は厨子夜婚の儀を邪魔しない代わりに、御三家に対して五億円の強請りをかけてきた。もちろん、我らはその脅迫に屈することはない」
厨子夜婚の儀を生き抜く保証、その他について―――。
「蒼戸の子倅を首尾よく始末できたら、お前には“玄武の護符”を渡そう。四神の護符の内の一枚だ。しかし、護符は所有者を護るだけで、一度に複数の人間を護る事はできぬ。つまり、玄武の護符で護る事ができるは、自分自身だけだ。それに、『ゐをどノ書 輝ノ巻』は嫁神の家に伝わるもの。その内容を知る者は香住家にしかいないはずだ」
一問一答を終え、あなたは手の中の拳銃をギュッと握り締めた。真輔に嘘をついている様子はない。空也殺害を成功させれば、護符を渡すと言うのも真実だろう。だが、護符は一人を護ることにしか使えず、そして護符は一枚しか渡されない。四神の護符が名の通り四枚しかないとすれば、確実に生き残れるのは四人だけ・・・。
【出題】
あなたの問いに対する真輔の答えは以上の通りです。蒼戸空也殺害の指令を受けるか、芦鷹真輔に銃口を向けるか、最終的な行動の申請をしてください。
なお、これ以上の問答は禁止とします。
(アクション・3)
蒼戸空也殺害の指令を受けます。
(リアクション・3)
【受諾】
拳銃を手に取ったあなたを見て、真輔は表情を崩さないまま一つ頷いた。
「嫌な役目を押し付けてすまぬ。よろしく頼む」
そう言うと真輔は机に額がつきそうなほどに深々と頭を下げた。普段の横柄な真輔からは想像もできない、へりくだった態度。それほどまでに、芦鷹家の当主として、真輔は厨子夜婚の儀の成功に責任を負っているという事なのか。
「これで厨子村の繁栄は保たれる。厨子夜婚の儀を邪魔しようとする者が出るなど、もっての外だからな」
「くれぐれも、よろしく頼む。良い報告を待っておるぞ」
あなたの目をじっと見て、真輔はそう念を押した。
(※「拳銃」と「弾丸5発」を入手しました)
【出題】
指令受諾により、3AP目に【蒼戸空也を殺害する】を選択する事ができます。真輔の指令に従って空也殺害を試みるチャンスは、次の3AP目一度きりしかありません。
もちろん、指令を遂行しなくても構いませんし、申請通り厨子神社へ行っても構いません。3AP目の行動を決定して申請してください。
(アクション・4)
3AP目:蒼戸空也を殺害します。
●「ごめん、神社へは行けない。」幸乃にメールを打ちます。
●その後しばらく考え、自分を納得させます。
△後悔。何も訊かずに断っても、きっと叔父は咎めなかったに違いない。でも臆病な自分は銃を手に取った。そこできっと間違った。
△叔父が言っていた50年前の過去最大の犠牲。それは空也の祖父に儀式を邪魔されたから? そう思えば、少しはこれからの行為に正当性が見いだせる。
△人を殺して4枚しかない護符を奪ってまで生き残る気はなくなったけれど、幸乃だけは。(幸乃のためというより、自己満足)
●蒼戸空也を呼び出します。
自分は素人だし、空也の胸ポケットには護符が入っているので、腹を狙います(狙いがうまく当たるとは思ってませんが)。
もしも殺すことに成功したら、護符と、あと殺した証拠(空也の携帯電話・手帳など、持ち物)を抜き取ります。
・・・・殺したところで3AP目が終わりであれば関係ないのですが、もしまだ時間があるのなら以下の行動をとりたいと思います。
…すみません、もし殺した後自動的に叔父に報告という展開になると、ちょっと希望と違うので。こんなに行動できる時間があるとは思っていませんが、今後とりたい行動を書き出してみました。ストーリーの進行上、叶わなくてもいいです。いつも自分の願望とゲーム進行との兼ね合いが解らず、困らせてすみません。
●白虎の護符を手に入れたら、叔父に会う前に幸乃に渡しに行く(神社とかだと人が多いので、人の少ない場所に携帯で呼び出す)。
「入手方法は言えない。自分はまだやりたいことがあるから、幸乃もこれを使って幸乃の知りたいことを知って。儀式が終わったらまた会おうね」言うだけ言って、無理矢理渡し逃げ。
その後叔父に会い、必要なら証拠品を渡し、白虎があるので玄武の護符は辞退する(たぶん巧美ちゃんの分なので、奪ってまでいらない。また、護符無しで生き残れるか懸けてみたいので
)
何でもいいから儀式を手伝いたいと申し出る。(何が起こるのか近くで知りたいから)
●白虎の護符が手に入らなければ、叔父に玄武の護符をもらって、それを幸乃に渡す。
上記と同じように渡し、幸乃と別れたら、村の様子を見ながら儀式が始まるのを待つ。
(リアクション・4)
【蒼戸空也殺害の実行】
携帯電話の断話ボタンを押すと、あなたは懐に忍ばせた拳銃の重みを確認して、目的地へと歩き出した。
いつも通り蒼戸空也の携帯電話へと連絡を入れ、聞きたい事があると言って呼び出す。落ち合う場所として空也が指定してきたのは、厨子村周辺に3つある滝の内、最大の規模を誇る「狗餌の滝(くえさのたき)」。7メートルの高さから滝壷に流れ落ちる水流は、銃声を掻き消してくれるだろう。あなたにとっても都合の良い場所だ。
滝を見上げる河原で、空也が現れるのを待つ。微粒の水飛沫が、興奮と緊張で火照った頬を冷やす。
満天の星空の下待つこと数分。背後の茂みがガサリと鳴り、闇から人影が溶け出した。月光を浴びて冷たく光る眼鏡。着崩した黒色のスーツ姿は間違いない。いつもの上目遣いの目つきで油断なく周囲を見回しながら現れたのは、蒼戸空也だった。
あなたから少し離れた場所で足を止めると、空也はポケットから煙草を取り出して口に咥えた。銀色のZippoで火を点けようとするが、滝が散らす水飛沫のせいか、火はなかなか点かない。
そんな空也を冷静に観察しながら、あなたは両手で握った拳銃を水平に構えた。銃口の先はもちろん、目の前の男に向けられている。
空也が点火の手を止めて顔を上げた。銃口とあなたの表情に気付くと、動きが止まる。彼の端正な造りの顔を不快な印象寄りにさせている貼りついたような冷笑的笑顔が消え、頬の筋肉を強張らせたのが分かった。
火の点いていないPeaceを咥えたまま、空也はカチンと音を立ててZippoの蓋を閉じる。あなたの手にある拳銃から目を放さずに、かすれ気味の声が咽喉から絞り出される。
「・・・随分洒落たデザインのライターだな」
虚勢を張るための軽口。空也は交渉事を得意としている。相手に弱みを見せない事が、交渉で優位に立つ術である事を熟知している。銃口を突きつけられて尚、空也は取り乱したりはしなかった。
だが、それは覚悟を決めたあなたにも言える事だった。空也より優位な立場にいる現状を理解している。空也の言葉によって心乱されたりする事はない。
沈黙が、滝の流れ落ちる音さえも覆い隠す―――。
空也が飛び退くのと、あなたが銃の引き金を引くのは同時だった。
パン・・・!
滝の轟音に乾いた銃声が重なる。
「芦鷹め! 余裕のない事してくれる!」
右に左に走り、時には転がり、時には跳ねて、空也は必死に弾丸から逃れる。
パンパンパンパン・・・!
5発全ての弾丸を使い果たしても、空也の動きが止まることはなかった。血痕を点々と残しながらも、茂みの作る暗闇へと飛び込み、姿を消す。茂みに駆け寄ってみるも、既に空也の気配はなく、血痕をたどるには夜明けを待たなければならないだろう。
いつもの皮肉に満ちた捨て台詞を残す事もなく、空也は姿を消した。
襲撃は失敗した。
(※ロールに3回成功、2回失敗しています)
【出題】
襲撃の失敗について芦鷹真輔に報告に行く事ができます。報告しなくても構いません。
報告するか否かを決定して申請してください。
(アクション・5)
襲撃の失敗を芦鷹真輔に報告に行きます。
(リアクション・5)
【失敗の報告】
あなたは芦鷹家へと帰り、蒼戸空也の殺害を失敗した事を芦鷹真輔に報告する。
報告を聞き終えても、真輔はあなたを咎めはしなかった。一言、ご苦労だった、と声をかけ、あなたが返却した弾倉が空になった拳銃を受け取った。
「蒼戸の子倅の始末に失敗したとなれば、残念だが玄武の護符は渡せぬ。失敗の場合は香住家に譲る約束なのでな」
真輔によると、香住家も同様の任務を遂行しているはずであるとの事。ただ、口振りからすると標的となっているのは空也ではないようだ。誰か別の「邪魔者」を排除するために、別の御三家が暗躍している、という事になる。
「もう時はない。このまま厨子夜婚の儀を始めるしかない」
誰に言うともなく呟いた後、真輔は姿を消した。あなたも芦鷹家を去り、厨子夜婚の儀本番に備える。
(※「拳銃」と「弾丸5発」を失いました)