JR九州では非常に個性的な列車が運転されていて、いつかは乗りに行きたいと思っていた。
また、1995年に「C62ニセコ」の運行が終了して以来、生きている蒸気機関車を見ていなかったため禁断症状が出始める。
ということで、この2つを満足するべく練りに練ったのがこのプラン!
1日目。寝台特急「富士」で小郡(現新山口)まで移動する予定を組んでいたのだが、危うく乗り遅れるところだった。というのも、定時で仕事を終わって自宅に帰っても時間的に余裕があるので、旅の荷物は自宅に置き、日中は普通に仕事をしていた。が、こういう時に限って仕事が終わらない。結局、時間的な余裕はすべて仕事と化し、なんとか「富士」発車15分前に名古屋駅に辿り着いた。
2日目。九州へ行く前にちょっと寄り道。山口線の小郡〜津和野では1979年から蒸気機関車C57が「SLやまぐち」号として運転されている。しかも、この日はC56との重連運転の日。津和野までの往復切符を購入。往路は撮影し、復路は「SLやまぐち」号に乗車することにした。
撮影目的地に着くと誰もおらず、一人で暇を持て余していると汽笛一声、ものすごい音と煙とともに迫ってくる。数回シャッターを押した後、蒸気機関車の重連を初めて見たという興奮と感動を胸に、津和野へと移動する。
史跡と鯉の町といわれる津和野は見所も多いが、この時はあいにくの天気のため、掘割(鯉が泳いでいる)がある風情ある町並みを散策する程度にとどめ、車中の人となる。
3日目。博多駅東口にある「MIGNON(ミニヨン)」のミニクロワッサンが美味しいとの情報があり、朝食用として購入。そのまま特急「ゆふ」に乗り込み、遅い朝食をとりながら湯布院へ。
湯布院はお洒落なお店や美術館,ギャラリーが点在し、多くの人で賑わっていて、いかにも観光地という雰囲気。そういうのも良いのだが、個人的に気に入ったのがそういう通りから1本奥に入った路地。由布岳がきれいに見えたり、道端には花が植えられていたりと、落ち着いた雰囲気が楽しめる。温泉地としても有名な所なので次回は是非温泉旅館に泊ってゆっくりしたいと誓い、今回は同じ温泉地である別府へと向かう。(一人旅だと温泉旅館は受け入れてくれる所が少なく、ホテルタイプの方が受け入れてくれやすい)
4日目は別府から都城まで移動するのだが、ただ南下しただけでは面白くない。そこで登場するのが「九州グリーン豪遊券」!この切符は九州内の新幹線と寝台車を除くすべての列車、しかもグリーン車に乗り放題(有効期間3日間)という優れもの。これで熊本,人吉を経由し都城へと向かう。
熊本へ向かう豊肥本線では美しい阿蘇山が、人吉へ向かう肥薩線では美しい球磨川の流れが堪能できて飽きる事がない。
次に楽しませてくれるのが本日のメインイベントでもある矢岳越え(人吉〜吉松間)である。途中の大畑,真幸にはスイッチバックがあるし、さらに大畑にはループ線まであって山岳路線の技術がここに集結していて見応え充分。そして矢岳駅を過ぎた辺りには霧島連山を一望にできるポイントがあるのだが、なんと!列車を停めて運転士さんが解説してくれるという大サービス付き。(注:すべての列車がそうしてくれるわけではありません)
5日目。特急「きりしま」「つばめ」「かもめ」と乗り継いで長崎へ向かう。もちろん「九州グリーン豪遊券」を使ってグリーン車での移動。ウェルカムドリンクのサービスがあったり、いまや貴重な存在である「つばめ」のビュッフェで昼食をとったりと、列車の旅を満喫しながら長崎に到着。
グラバー園へ向かう途中、せっかくだからオランダ坂を通ってと軽い気持ちで思ったのがいけなかった。想像以上に坂がきつくて長い。体力不足を痛烈に感じながら、なんとか上りきってグラバー園へ。
この時すでに17時をまわっていたのだが、グラバー園の閉園時間がなんと18時。アップダウンのある広い敷地を駆け足でまわるというハードな展開になってしまった。
なんとかまわり終え、グラバー園を出るともうクタクタ。どこか休める所はと歩を進めるとカステラで有名な文明堂が見えたので、お土産の購入のため店に入る。よほど疲れきった顔をしていたのか入ると同時に椅子を勧められ、お茶までご馳走になった。その上さらに、かなりまとまった量のカステラの切れ端までサービスで頂き、とても嬉しかったことを今でも憶えている。
6日目。特急「ドリームにちりん」で早朝の延岡に着き、そのまま高千穂鉄道に乗り換えて高千穂へ。
高千穂は、日本建国の神々が降り立ったとされ、神話にまつわるものが数多く残っている所で、歩いているだけで神聖な気持ちになってくる。
国の名勝・天然記念物にも指定されている高千穂峡で、しばらくの間マイナスイオンで癒され、帰路に着くことに。
まだ乗車していない特急「ソニック」で小倉まで戻ってグリーン車乗り放題の旅は終了。この後は寝台特急「あかつき」、新幹線「ひかり」と乗り継いでいく。
※「九州グリーン豪遊券」は現在発売されておりません。
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