GW〜北陸金沢蟹紀行〜 その四   2004/05/04

 金沢に限ったことでも、無いとは思うんだが。
 なんか。普段見慣れない街って、変なオブジェクトが目につくよね。  







 いやさ、金沢歩いてても、面白いのが幾つかあったから。まぁ時間が無くてあんまり写真には収められてないんだけど。長町に行く途中にあった、



109


っても、香林坊109なんだけど。イヤ、別に変なオブジェってわけじゃない。ただ、どうにも109ってったら渋谷のソレを思い出すものだから、『エ?何で!?』という印象が拭えなかっただけで。でもどこも同じデザインを採用してるんだろうか…ちょっと不思議だ。

 国語教師としてちょっと許せなかったのが、これ。



 まぁ『風』は許そう。こういう崩し方は見ることがある。しかし、『和』は…ナンボなんでもアカンやろ。しかし、『喫』は、ちゃんと書けている。時々オトナでも、下半分を【大】にして、上半分にその他の要素を入れてるのを見た事があるが、字の成り立ち考えたらおかしいやろ、と。形声文字やろうが、と。そう思うわけですよアァタ。職業病。

 思わず写真を撮ってしまったが、何か今でも呪われそうな気分なのがこれ。


 ネコの置物。結構大きかった。まぁ、最近は防犯のために犬の置物を置いたりする家も多くなっているらしい。ホンモノの犬は世話も大変だし吠えると五月蠅いし、血統のシッカリしてるやつは高いし…ってんで結構人気らしいのだが、犬の置物。
 太い眉。一重瞼にアイシャドウ。すらりと通った鼻筋。長めの鼻の下。ニヤリと裂けた口。


こんなん居たら絶対逃げる。


一家に一つ、ネコマタの置物。奥さん、防犯用途に押し売り対策に、今ならお買い得よ!?


 金沢市内ではなかったが、帰りの高速で入ったSAで見かけたもの。


さすが、日本海。


さすが、けんいち。


ヴィヴァ、金沢。






こんなんとか。




 長町武家屋敷跡は、加賀藩の武士達の住居があった場所。現在も建造物や土塀がそのままに保存され(もちろん修復済みだろうが)、石畳の道や傍を流れる用水などが風情を醸し出す。実際に人が生活しているようではあるが、それまでの香林坊の街並みとは一線を画した静けさと落ち着きに、タイムスリップしたかのような感覚を覚える。市街の喧噪を離れ、そぞろ歩きをするにはもってこいの場所と言える。

 その一角に、こんな店がある。「加賀生麩処 茶庵」。「麩庵」でないのはきっと、『不安』に繋がるからなのだろう。多分。まぁそんな事はどうでも良いのだが、生麩。よくお吸い物などに乾燥麩を入れることはあるが、オレは生麩のお菓子は初体験だった(*1)。これがなかなかもっちりとしていて美味しい。家へのお土産にも買っていったが、中が通常の漉し餡・粒餡の他に、栗や金柑や梅の入ったもの、生地から苺を練り込んだものなど、様々なバリエーションがあって面白かった。ここもやはり観光客で混み混みだったが、余裕のある時は外で庭を見ながらお茶など洒落込むのも楽しいだろうな〜、と感じた。



 帰る途中、家に電話をかけた。


  オレ「あ〜、お母さん?福井でソースカツ丼でも喰って帰ろうかと。
     うん、宿とれなくて。10〜11時頃になると思うし。」

  母「は!?泊まるんちごたん?でも遅うなるなぁ。」

  オレ「ん〜、そうなるかな。ま、蟹は明日の朝食ってことで。」


 1時間半の後。


  オレ「あ〜、夕飯間に合うかも。待ってて〜」

  母
「へ!?」


…無理もない。『一泊二日』の予定で金沢まで出かけた息子夫婦が、『日帰り』しかも飯に蟹持って帰ってくる、と言うんだ。自分達ですら自らの計画の変更っぷりには惚れ惚れとしたくらいである(笑)。


(*1)



 その日の夕飯は、いやはや豪勢だった。もともと、手巻き寿司の予定だったらしい(姉に言わせれば「アンタら帰ってくるから急いで用意したんやで〜」と言うことらしいが…もちろんそんなことはない)。加えて、カニ(*2)、雲丹(*3)、甘エビ(*4)。蟹ミソもたっぷりの、足の先までぎっしり身の詰まった、良い蟹だった。寿司飯の上に蟹の身を乗せて、蟹ミソをたっぷりつけて食べる手巻き寿司の美味いこと美味いこと…蟹の甲羅で出汁を取り、蟹ミソまでも豪気に加えた味噌汁は、ソレはもう絶品…今まで感じた事無いくらいの美味さを感じ、美味いものを食べて思考が停止するという感覚を初めて味わった。…イカン、また金沢に行きたくなったぞ。



 北の街、金沢。
 歴史情緒に溢れ、落ち着いた雰囲気のイイ町だった。城下町らしく、工芸品やお菓子など、非常に洗練された小粋なものが多く、お土産を買うのも楽しかった。何より海鮮が素晴らしく美味い!!その場で喰うのも勿論だが、お土産に買っていけば家族みんなで食べられ、なおのことヨロシイ。

 是非、また行こうときばと話しながら、その日は眠りについた。



 ………もちろん、河毛の自分の部屋で。






 今度行く時は、せめてホテルくらいは予約しておこう。ちょっとだけ、反省。



(*2)
(*3)
(*4)


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