GW〜北陸金沢蟹紀行〜 その參   2004/05/04

 宿が決まっていなかった…というのは前述の通り。ある意味ではこの先の予定のない浮かれ者、ある意味に於いては"宿"という呪縛に縛られていない自由な存在。その自由さが仇になったか。


 食事を終えた我々は、近江町市場の中をブラブラとしていた。折角だから冷やかして回ってみよう、ということで。日曜休みの店が多い中、それでも半数程の店には活気があり、おっちゃんおばちゃんが売り口上で観光客を掴まえようと躍起である。店を覗いてみると、蟹やら海老やら魚が所狭しと並べられており、その大・中・小にあわせて値札が貼られている。やはり蟹目当てで来る人が多いのだろうか、店の正面にはほとんどと言って良い程蟹が並べてある。その中をあーでもない、こーでもないと言いながら、二人で色んな店を見て回った。これもある意味でのウィンドウショッピングというのかしらん。いや、ショーウィンドウは無いんだけどね。直で蟹。
 そんなことをしていたら、ある店でおっちゃんに掴まった。捕まったわけじゃない。ドコの世界に蟹を万引きしようとするヤツが居る。おっちゃんの売り口上に引っかかってしまったのである。



iMc「あ〜ここには甘エビもあるね、きば、好きだったっけ?」
kiba「うん、好き♪」

(キラーーーーーン☆)

otchan「おっしゃどうや、この蟹(1匹6.000円)2匹で5.000円や、しかも雲丹付きや。

    甘エビもつけるでぇ!?


iMc&kiba「おっしゃ買ったぁぁ!!」





 良いのだ。宿は取っていなかったから、必ず金沢に泊まらなきゃいけないとかそんな事もないのだ。うん。例え、

金沢日帰りツアー決定


だったとしても。旅程の内の半分以上が高速道路走行という結論に達しても。福井行きがぽしゃっても。何せ、その日の内に日帰りを決意する程度の距離である。来ようならまた来られるし、蟹買っちゃたわけだし。計画性の無さ、ここに極まれり。


 とりあえず、タクシーを拾って駐車場まで行くことにした。さすがに蟹を持ってバスに乗ると生臭いかも知れないし、ましてやバスの振動で蟹が目を覚まして動き出したら事である。万が一そんな事態が勃発すれば、それはジェノサイド的破壊力を持ってして民衆を恐怖の渦に巻き込み、バスの中は阿鼻叫喚の地獄絵図へと変わること間違いない。…ま、尤も、ボイルしたカニが目を覚ますことがあれば…の話だが。

 駐車場でカニを車に放り込んだ後、我々は長町の武家屋敷跡目指して歩き始めた。





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