■カリウム(K)■ Potassium(Kalium)
◆概要◆
カリウムの90%は細胞の中にあり、生命維持に関わる元素として重要視さ
れています。特にナトリウムとの関係が深い栄養素です。
また、骨や神経を強くしますから、骨粗しょう症の防止や神経のイライラを
和らげてくれます。
高血圧というとナトリウム(塩分)の摂りすぎが浮かびます。ナトリウムは細
胞の外の体液の濃度を調節していますから、ナトリウムが増えると外液の濃
度が高くなり、水分が細胞から浸透して血圧が高くなります。
一方、細胞の中の体液の濃度はカリウムが調節しています。カリウムが増え
ると細胞内の濃度が高くなり、細胞の外から水分が細胞内に浸透して外の圧
力は下がります。カリウムが不足するとこの逆の現象になります。
ということは、ナトリウムを摂りすぎなくてもカリウムが少ないと高血圧に
なるということです。
仮にナトリウムを多く摂ってもカリウムが足りていれば、腎臓におけるナト
リウムの再吸収を抑え、尿として排出するのを助けてくれます。
カリウムとナトリウムはシーソーのようにバランスが大切なのです。
なお、肉体的、精神的なストレスが多いとカリウムが失われます。
◆一日の摂取量◆(日本人の食事摂取基準2015年版)
カリウム(K) (mg/日)
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| 男性 | 女性 |
年齢 |
目安量 |
目標量 |
目安量 |
目標量 |
0〜5(月) |
400 | - |
400 | - |
6〜11(月) |
700 | - |
700 | - |
1〜2(歳) |
900 | - |
800 | - |
3〜5(歳) |
1,100 | - |
1,000 | - |
6〜7(歳) |
1,300 | 1,800以上 |
1,200 | 1,800以上 |
8〜9(歳) |
1,600 | 2,000以上 |
1,500 | 2,000以上 |
10〜11(歳) |
1,900 | 2,200以上 |
1,800 | 2,000以上 |
12〜14(歳) |
2,400 | 2,600以上 |
2,200 | 2,400以上 |
15〜17(歳) |
2,800 | 3,000以上 |
2,100 | 2,600以上 |
18〜29(歳) |
2,500 | 3,000以上 |
2,000 | 2,600以上 |
30〜49(歳) |
2,500 | 3,000以上 |
2,000 | 2,600以上 |
50〜69(歳) |
2,500 | 3,000以上 |
2,000 | 2,600以上 |
70以上(歳) |
2,500 | 3,000以上 |
2,000 | 2,600以上 |
妊婦 |
| |
2,200 | - |
授乳婦 |
| |
2,200 | - |
◆主な働き◆
・筋肉、心臓機能を調節
・細胞の機能を高める
・細胞膜の浸透性をコントロール
・酸、アルカリのバランスを保つ
・ホルモンの分泌促進
・神経組織の機能を正常化
・脳に酸素を送り、思考を明晰にする
・体の老廃物の処理を助ける
・血圧を下げる
・アレルギーの治療に役立つ
◆欠乏すると◆
・筋力低下
・神経過敏
・ニキビ
・反射作用の低下
・のどの渇き
・体の衰弱
・むくみ
・高血圧
・心筋梗塞
・浮腫
・低血糖症
・便秘
・疲労
◆気をつけたいこと◆
・酒やコーヒーを多飲する人はカリウムが奪われて疲労しやすい
・腎臓障害のある人はカリウムサプリメントは避ける
・炭水化物を取らないダイエットはカリウムが減少する
◆多く含まれる食品◆
・乾燥ワカメ
・乾燥ひじき
・青のり
・抹茶
・柑橘類
・トマト
・緑色葉野菜
・ひまわりの種
・バナナ
・じゃがいも
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