■亜鉛(Zn)■ Zinc
◆概要◆
亜鉛は、約2000種あるといわれている酵素のうち200種以上の酵素の
構成成分になっています。特にタンパク質の合成に関係する酵素に
亜鉛が絶対不可欠なので、亜鉛が欠乏すると体重減少、成長遅延な
どの障害が起こります。
また、舌に味を感じる細胞がありますが、亜鉛が欠乏するとこの細
胞が働かなくなり、いわゆる味覚障害になります。しかし、味覚障
害はプロローグにすぎず、タンパク質合成に深く関係していること
を考えると、亜鉛欠乏はきわめて弊害が大きいと言わざるを得ませ
ん。
さらに、男性の性機能不全や精子形成の滞りなどの原因にもなりま
す。糖尿病との関係もきわめて深いといわれています。
亜鉛は意外なことに米に多く含まれています。ですから日本人なら
亜鉛の摂取に有利なはずなのですが、近年、若い人に味覚障害が増
えているのは、米を食べなくなったことも原因の一つです。
亜鉛サプリメントは一般に売られていますが、亜鉛だけを強化する
のではなく、総合ミネラル+亜鉛という摂り方をするようにして下
さい。
◆一日の摂取量◆(日本人の食事摂取基準2015年版)
亜鉛(Zn) (mg/日) |
| 男性 | 女性 |
年齢 |
推定平均 必要量 |
推奨量 |
目安量 |
耐容 上限量 |
推定平均 必要量 |
推奨量
|
目安量
|
耐容 上限量 |
0〜5(月) |
- | - |
2 | - |
- | - |
2 | - |
6〜11(月) |
- | - |
3 | - |
- | - |
3 | - |
1〜2(歳) |
3 | 3 |
- | - |
3 | 3 |
- | - |
3〜5(歳) |
3 | 4 |
- | - |
3 | 4 |
- | - |
6〜7(歳) |
4 | 5 |
- | - |
4 | 5 |
- | - |
8〜9(歳) |
5 | 6 |
- | - |
5 | 5 |
- | - |
10〜11(歳) |
6 | 7 |
- | - |
6 | 7 |
- | - |
12〜14(歳) |
8 | 9 |
- | - |
7 | 8 |
- | - |
15〜17(歳) |
9 | 10 |
- | - |
6 | 8 |
- | - |
18〜29(歳) |
8 | 10 |
- | 40 |
6 | 8 |
- | 35 |
30〜49(歳) |
8 | 10 |
- | 45 |
6 | 8 |
- | 35 |
50〜69(歳) |
8 | 10 |
- | 45 |
6 | 8 |
- | 35 |
70以上(歳) |
8 | 9 |
- | 40 |
6 | 7 |
- | 35 |
妊婦(付加量) |
| |
| |
+1 | +2 |
- | - |
授乳婦(付加量) |
| |
| |
+3 | +3 |
- | - |
◆主な働き◆
・糖質の消化作用
・タンパク質の合成
・ビタミンB1、タンパク質代謝を助ける
・性器官の生育、成熟
・インシュリン合成
・DNA、RNAの合成
・脳の機能向上
・やけど、傷の治癒率を高める
・ビタミンAの適正代謝に関与
・骨の形成
◆欠乏すると◆
・発育不良
・傷がなおりにくい
・冷え性
・学習能力の低下
・性機能低下
・味覚、嗅覚障害
・前立腺肥大
・動脈硬化
・コレステロール蓄積
・感染への抵抗力低下
・円形脱毛症
・痛風
・白血病
・ガン
・心臓病の誘発
・難産
・ふけ症
・糖尿病
・シミ
◆気をつけたいこと◆
・亜鉛を摂りすぎるとビタミンA、鉄、銅が減少する
・一日に150mg以上の摂取は免疫反応を妨げる
◆多く含まれる食品◆
・肉
・レバー
・魚介類(特にかき)
・小麦胚芽
・ビール酵母
・脱脂粉乳
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