■ビタミンB1■
◆概要◆
ビタミンB1は別名チアミンとも言われる水溶性ビタミンで、
ビタミンB群の一つです。
B1がひどく欠乏すると脚気(かっけ)になりますが、ここ何十年も脚気が話
題になることがないほど食生活は改善されてきました。もし脚気の方がいると
すれば現代では貴重なほどのB1欠乏症ということになります。
B1は、食事の糖分からエネルギーを取り出す時に欠かせないビタミンです。
脚気ほどではないにしても、疲れ易い、脱力感、食欲がない、神経痛などの症
状があればB1不足の疑いがあります。
また、B1は精神的ビタミンと言われるほど、神経系と精神状態に影響します。
B1は体内での吸収率が悪く、たくさん摂っても一度に吸収されるのはせいぜ
い10mg程度で、その他は対外へ排出されてしまいます。B1欠乏の時にはこ
れでは困ります。
その時にはニンニクや玉ねぎなどに含まれるアリシンを一緒に摂るようにしま
す。アリシンがB1と結合してアリチアミンというものになると、B1と同じ
働きをしながら限界量なく吸収されるという夢のような話になります。
そして、長く血液中に残り、必要なときに使うことができます。このため、ア
リチアミンをにんにくB1とか活性持続型ビタミンと呼んでいます。
ビタミンB1はにんにくB1と覚えて、B1を摂りたいときは、料理にニンニ
クを添えるとかサプリメントのにんにくエキスを一緒に摂るようにするとよいで
しょう。
◆一日の摂取量◆(日本人の食事摂取基準2015年版)
ビタミンB1 (mg/日) |
| 男性 | 女性 |
年齢 |
推定平均 必要量 |
推奨量 |
目安量 |
推定平均 必要量 |
推奨量
|
目安量
|
0〜5(月) |
- | - |
0.1 |
- | - |
0.1 |
6〜11(月) |
- | - |
0.2 |
- | - |
0.2 |
1〜2(歳) |
0.4 | 0.5 |
- |
0.4 | 0.5 |
- |
3〜5(歳) |
0.6 | 0.7 |
- |
0.6 | 0.7 |
- |
6〜7(歳) |
0.7 | 0.8 |
- |
0.7 | 0.8 |
- |
8〜9(歳) |
0.8 | 1.0 |
- |
0.8 | 0.9 |
- |
10〜11(歳) |
1.0 | 1.2 |
- |
0.9 | 1.1 |
- |
12〜14(歳) |
1.2 | 1.4 |
- |
1.1 | 1.3 |
- |
15〜17(歳) |
1.3 | 1.5 |
- |
1.0 | 1.2 |
- |
18〜29(歳) |
1.2 | 1.4 |
- |
0.9 | 1.1 |
- |
30〜49(歳) |
1.2 | 1.4 |
- |
0.9 | 1.1 |
- |
50〜69(歳) |
1.1 | 1.3 |
- |
0.9 | 1.0 |
- |
70以上(歳) |
1.0 | 1.2 |
- |
0.8 | 0.9 |
- |
妊婦(付加量) |
- | - |
- |
+0.2 | +0.2 |
- |
授乳婦(付加量) |
| |
|
+0.1 | +0.1 |
- |
◆主な働き◆
・糖質をエネルギーに換える
・アルコール代謝を良くする
・脳の働きを刺激
・タンパク質の代謝を促進
・成長促進
・心筋を保護
・神経の働きを正常に保つ
・精神状態を改善する
◆欠乏すると◆
・どうき
・息切れ
・むくみ
・肩こり
・筋肉痛
・疲労
・アルコール中毒
・かっけ
・食欲不振
・イライラ
・物忘れ
・だるさ
・うつ
・音に敏感
・神経炎
・手足のしびれ
・便秘
・甲状腺機能低下
◆気をつけたいこと◆
・熱に弱い
・たばこ、酒、甘いものを好む方はB1が不足する
・食後に制酸剤を飲んでいると食事で摂ったB1は失われる
◆多く含まれる食品◆
・ビール酵母
・米ぬか
・大豆
・卵黄
・豚肉
・野菜
・ピーナッツ
・牛乳
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