■ビタミンE■ Tocopherol
◆概要◆
ビタミンEはトコフェロールとも呼ばれる脂溶性水溶性ビタミンです。
ビタミンEは、非常に抗酸化力の強いビタミンで、若返りのビタミンとも言わ
れています。
活性酸素の恰好の標的となるのは細胞膜を作っている不飽和脂肪酸です。この
不飽和脂肪酸が活性酸素に電子を奪われて不安定な状態になり、やがて過酸化
脂質というものに変化します。これが強い毒性を持っているのです。
ビタミンEは脂溶性ですから、脂肪酸でできている細胞膜に容易に入り込み、
電子を奪われて不安定になっている不飽和脂肪酸に自らの電子を渡して安定さ
せます。
ビタミンEと同様に抗酸化力を持つビタミンCやベータカロチンは、活性酸素
が細胞膜に近づかないようにしており、またビタミンCとビタミンB2はビタ
ミンEの働きをサポートしていますから、これらのビタミンは一緒に摂る方が
より効果的です。
ビタミンEは8種類のトコフェロールの集まりですが、その中で最も効力の強
いものがアルファ・トコフェロールです。そして天然型のビタミンEは合成型
の1.4〜2倍の効力があるといわれていますから、サプリメントのビタミンEは
天然型アルファ・トコフェロールを含むものを選ぶようにして下さい。
・天然型 d -α-トコフェロール
・合成型 dl-α-トコフェロール
◆一日の摂取量◆(日本人の食事摂取基準2015年版)
ビタミンE (mg/日) |
| 男性 | 女性 |
年齢 |
目安量 |
耐容上限量 |
目安量 |
耐容上限量 |
0〜5(月) |
3.0 | - |
3.0 | - |
6〜11(月) |
4.0 | - |
4.0 | - |
1〜2(歳) |
3.5 | 150 |
3.5 | 150 |
3〜5(歳) |
4.5 | 200 |
4.5 | 200 |
6〜7(歳) |
5.0 | 300 |
5.0 | 300 |
8〜9(歳) |
5.5 | 350 |
5.5 | 350 |
10〜11(歳) |
5.5 | 450 |
5.5 | 450 |
12〜14(歳) |
7.5 | 650 |
6.0 | 600 |
15〜17(歳) |
7.5 | 750 |
6.0 | 650 |
18〜29(歳) |
6.5 | 800 |
6.0 | 650 |
30〜49(歳) |
6.5 | 900 |
6.0 | 700 |
50〜69(歳) |
6.5 | 850 |
6.0 | 700 |
70以上(歳) |
6.5 | 750 |
6.0 | 650 |
妊婦 |
| |
6.5 | - |
授乳婦 |
| |
7.0 | - |
*α-トコフェロールについて算定。α-トコフェロール以外のビタミンEは含んでいません。
◆主な働き◆
・強力な抗酸化力
・抹消の血流を改善
・老化防止
・悪玉コレステロール(LDL)の酸化を防ぐ
・必須脂肪酸の過酸化を防ぐ
・利尿剤として作用し、血圧を下げる
・やけどの治りを早める
・流産を防ぐ
・正常な生殖に欠かせない
・筋肉の硬直を緩和
◆欠乏すると◆
・血行不良
・肩こり
・頭痛
・冷え性
・不妊
・シミ
・生理障害
・更年期障害
◆気をつけたいこと◆
・摂取量の60〜70%は排出され、体内に短時間しか貯めておけない
・高単位の摂取はビタミンKの働きを阻害する(血液が凝固しにくくなる)
・鉄分(硫酸第一鉄)はビタミンEを破壊する
◆多く含まれる食品◆
・小麦胚芽
・大豆
・植物油
・ナッツ
・葉野菜
・ほうれん草
・小麦全般
・無精製の穀類
・卵
|