49.◆乳ガンが増えている◆

今や日本では一年に乳ガンが３万５千件も発症しています。対象年齢に
絞ると２５人に１人というびっくりするような数字もあります。

乳ガンは乳腺の細胞がガン化したものですが、乳腺の発達のために女性
ホルモンのエストロゲンが子宮から分泌されます。しかし、このエスト
ロゲンは同時にガン化した細胞を増殖させてしまいます。

もともと日本人の乳ガンの発症率は欧米に比べると低かったのですが、
ライフスタイルの変化で欧米並みとなってきました。

ジョン・フィネガン著の『良い脂肪・悪い脂肪』に興味深い指摘があり
ます。

　『伝統的な日本食を取っている日本人女性の乳ガン発生率はアメ
　　リカ女性の４分の１だが、アメリカに移住して西洋的な食習慣
　　に染まるとすぐにアメリカ女性と同じ率で乳ガンになる』

また、

　『イヌイット（エスキモー）はその土着の生活を守っている限り
　　ガンも心臓病もゼロである。しかし彼らの一人当たりの脂肪摂
　　取量は世界一多い。重要なのはイヌイットや日本人が取ってい
　　る脂肪は主に海産物からの脂肪であって、陸上の動物性脂肪で
    はないということである』

いかがですか。私たちは伝統的なすばらしい日本食に背を向け、欧米食
に染まってしまった結果、病気までも一緒に染まってしまったといえる
のではないでしょうか。

悲しいことに、現代のイヌイットも欧米型食生活にどんどん変わりつつ
あり、上記のようなガンも心臓病もゼロとは言えなくなってきています。

日本の若い人がごはんや魚を食べなくなってきているそうですが、それ
に比例して、乳ガンの年齢層も下がっています。ごはんの代わりにラー
メン、スパゲッティ、ハンバーガーなどが主食となっていますが、これ
らには動物性脂肪が多く使われていますので、欧米型の食事といえます。


乳ガンは早期発見が大切で直径２cmまでに見つかれば９割は治癒するそ
うです。定期検診を欠かさないこと、免疫力が落ちないよう栄養面や生
活環境に注意すること、そして食生活を見直し日本食のよさを再認識し
て欲しいと思います。

　＊『89.大豆が乳ガンのリスクを下げる』も併せてご覧下さい。