雑楽篇(番外)

(平成15-1-1書込み。19-2-15最終修正)(テキスト約11頁)


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<アメリカ・インディアンはポリネシア族と同系か?
ー米国の原住民語源の州名をポリネシア語で解釈するー>

目 次 

第1 はじめに

第2 米国の原住民語源の州名をポリネシア語で解釈する

01 ○アラバマ(Alabama)02 ○アラスカ(Alaska)03 ○アリゾナ(Arizona)04 ○アーカンソー(Arkansas)05 カリフォルニア(California)06 コロラド(Colorado)07 ○コネチカット(Conneticut)08 デラウェア(Delaware)09 フロリダ(Florida)10 ジョージア(Geogia)11 ○ハワイ(Hawaii)12 ○アイダホ(Idaho)13 ○イリノイ(Illinois)14 インディアナ(Indiana)15 ○アイオワ(Iowa)16 ○カンザス(Kansas)17 ○ケンタッキー(Kentuckey)18 ルイジアナ(Louisiana)19 メーン(Maine)20 メリーランド(Maryland)21 ○マサチューセッツ(Massachusetts)22 ○ミシガン(Michigan)23 ○ミネソタ(Minnesota)24 ○ミシシッピ(Mississipi)25 ○ミズーリ(Missouri)26 モンタナ(Montana)27 ○ネブラスカ(Nebraska)28 ネバダ(Nevada)29 ニュー・ハンプシャー(New Hampshire)30 ニュー・ジャージー(New Jersey)31 ニュー・メキシコ(New Mexico)32 ニューヨーク(New York)33 ノース・カロライナ(North Carolina)34 ○ノース・ダコタ(North Dakota)35 ○オハイオ(Ohio)36 ○オクラホマ(Oklahoma)37 ○オレゴン(Oregon)38 ペンシルベニア(Pennsylvania)39 ロードアイランド(Rhod Island)40 サウス・カロライナ(South Carolina)41 ○サウス・ダコタ(South Dakota)42 ○テネシー(Tennessee)43 ○テキサス(Texas)44 ○ユタ(Utah)45 バーモント(Vermont)46 バージニア(Virgina)47 ワシントン(Washington)48 ウエスト・バージニア(West Virginia)49 ○ウイスコンシン(Wisconshin)50 ○ワイオミング(Wyoming)

<付録>
○アパラチア(Appalachia)山脈○エリー(Erie)湖○オンタリオ(Ontario)湖○ナイアガラ(Niagara)○マイアミ(Miami)半島

<修正経緯>

 

<アメリカ・インディアンはポリネシア族と同系か?

ー米国の原住民語源の州名をポリネシア語で解釈するー>

 

第1 はじめに

 

  アメリカ合衆国には50の州があります。その州名の語源は、英語をはじめとしてフランス語、スペイン語、ラテン語など多岐にわたりますが、その約半数は原住民であるアメリカ・インディアンなどの言語によって付けられた地名または地域呼称に由来するとされます。

 アメリカ・インディアンは、いろいろな説がありますが、人種としてはモンゴロイドで、数千年の昔にアジア大陸からアリューシャン列島を経由して北アメリカ大陸に住み着いたとする説が有力です。そして面白いことに、これらの原住民語による州名がポリネシア語(とくにマオリ語)でほぼ同じか、かなり近い意味として解釈できるのです。

 アメリカ・インディアンとポリネシア族とのくわしい人種的比較、言語学的な検討はさておいて、あまり厳密に考えずに、たわいのない噂話として、以下のポリネシア語による解釈を楽しんでいただければ幸いです(アメリカ・インデイアン語等の語源も、諸説紛々で確定的なものは数少ないのが実状です)。それにしてもこれだけ意味がほぼ一致するということは、もしかしたら両者は同系同祖かも知れません。

 なお、州名の語源等については、

(1)研究社『英語語源辞典』、1997年

(2)研究社『英和大辞典』、1965年

(3)Webster's Third New International Dictionary、1968年

(4)浅井信雄『アメリカ50州を読む地図』新潮文庫、平成10年

を主として参照しました。

 

第2 米国の原住民語源の州名をポリネシア語で解釈する

 

[参考までに米国の州名の解釈の概要を50州すべてについて記します。

 順序はアルファベット順です。

 Aは米国内において行われている州名の語源または意味、Bはポリネシア語による解釈です。英(米)語辞書において原住民語源とされていないもの(「デラウエア」)についても、原住民種族名であるとの説があり、ポリネシア語で解釈可能なものは原住民語源として含めました。

 ポリネシア語(原則としてマオリ語により、一部ハワイ語による場合はその旨注記します)で解釈する州名には、○印を付します。]

 

01 ○アラバマ(Alabama)

 

 A インディアンの種族名。または「アルバ・アヤムレ、alba ayamule(I clear the thicket)、茂みを開く」(マスコーギアン語族のチョクトウ語)

 

 B 「ア・ラパ・マ」、A-RAPA-MA(a=the...of;rapa=broad and flat;ma=white,clear)、「広くて平らで・清らかな・土地」

 

02 ○アラスカ(Alaska)

 A 「アラクシャク、alakshak(peninsula,mainland)、半島または(アリューシャン列島に対する)本土」(アレウト語)

 

 B 「ア・ラク・チアキ」、A-RAKU-TIAKI(a=the...of;raku=scratch,scrape;tiaki=guard,keep,watch for)、「引っ掻かれる(侵害される)のを・見張っている・土地」

 

03 ○アリゾナ(Arizona)

 

 A 「アリ・ショナク、ali shonak(ali=small;shonak=place of the spring)、小さな泉の場所」(パパゴ語)

 

 B 「アリ・ト(ン)ガ」、ARI-TONGA(ari=clear,white,appearance;tonga=blemish on the skin,wart)、「清らかな・大地の傷(泉のある場所)」

 または「(非常に目立つ)大地の傷の・風景(雄大なグランド・キャニオンがある。地域)」(「ト(ン)ガ」のNG音がN音に変化して「トナ」から「ゾナ」となった)

 

04 ○アーカンソー(Arkansas)

 

 A 「アーカンサ、arkansa(down-stream people)、下流の人々」(スー・インディアンのクアボー族に対する他族の呼称)

 

 B 「アハ・カ(ン)ガ・トウ」、AHA-KANGA-TOU(aha=who,anything whatever;kanga=take fire,be lighted,burn;tou=posteriors,lower end of anything)、「下流に・居住している・部族」(「アハ」のH音が脱落して「アア」から「アー」と、「カ(ン)ガ」のNG音がN音に変化して「カナ」から「カン」となった)

 

05 カリフォルニア(California)

 

 A 「カリフォルネ、Califerne、天国に近い島」(16世紀のスペイン小説家G.O.モンタルボが描いた空想の島の名で、カリフォルニア半島の先端に到達したスペインの開拓者が半島を島と誤認して命名したことに由来する)

 

06 コロラド(Colorado)

 

 A 「リオ・コロラド、Rio Colorado(rio=river;colorado=red)、赤い川」(スペイン語)から

 

07 ○コネチカット(Conneticut)

 

 A 「クニツクット、quinnitukqut(at the long tidal river)、長い潮流のような川の岸辺で」(モヒカン語)

 

 B 「コ・ネチ・カト」、KO-NETI-KATO(ko=yonder place;neti=toy-dart;kato=flowing,flood)、「投げ矢のような(長く真っ直ぐな)・川が流れる・かなたの場所」

 

08 デラウェア(Delaware)

 

 A インディアンの種族名。バージニア植民地の初代英国総督トーマス・ウエストの称号「デラウェア卿」の名が湾名となり、州名となった。

 

09 フロリダ(Florida)

 

 A 「フロリダ、florida(feast of flowers)、花の饗宴」(スペイン語)スペインの探検家J.P.レオンが1513年にイースターの花祭のときにこの地に上陸したことによる。

 

10 ジョージア(Geogia)

 

 A 「英国王ジョージ2世」が植民許可を与えたことによる。

 

11 ○ハワイ(Hawaii)

 

 A、B 「ハワイ」(ハワイ語)、Hawaii(both the islands and the group of islands;Hawaiian person)、「ハワイ諸島」または「(そこに住む)住民」

 

12 ○アイダホ(Idaho)

 

 A 「山の宝石」。または「?、?(sunrise)、昇る太陽」(ショショーニ語)

 

 B 「ア・イタ・ホウ」、A-ITA-HOU(a=the...of;ita=tight,fast,compact;hou=dedicate or initiate a person,establish by rites as above)、「(神に)献じられた・固い(緻密な)・もの(宝石など)」

 

13 ○イリノイ(Illinois)

 

 A 「イリニウェク、ileniwek(tribe of superior men)、秀でた人々の種族」(イリニウェク語)

 

 B 「イリ・ヌイ・ウェク」、IRI-NUI-WEKU(iri=be elevated on something;nui=large,many;weku=catch hold of)、「(他よりも)秀でた点を・数多く・保有している(種族)」

 

14 インディアナ(Indiana)

 

 A 「インディアンの土地」

 

15 ○アイオワ(Iowa)

 

 A 「?、?(this is the place)、(美しい)土地」。「アユウワ、ayuhwa(sleepy ones)、眠っているような人」(スー族アイオワ語)

 

 B 「アイオ・ワ」、AIO-WA(aio=calm,at peace;wa=definite space,area)、「静かな(平和な)・土地」

 

16 ○カンザス(Kansas)

 

 A 「カンサ、kansa(people of the south wind)、南風の人々」(スー族パレオ語)

 

 B 「カ(ン)ガ・タ」、KANGA-TA(kanga=take fire,be lighted,burn;ta=breathe,wind)、「燃えるような(熱い)・風(息をしている。人々)」(「カ(ン)ガ」のNG音がN音に変化して「カナ」から「カン」となった)

 

17 ○ケンタッキー(Kentuckey)

 

 A 「ケンタヘ、kentahe(land of tomorrow,meadow land,prairie)、明日の地または平原」(イロクォイ語)。「?、?、暗黒と流血の地」。

 

 B 「ケノ・タツ・キ」、KENO-TATU-KI(keno=night,underworld;tatu=reach the bottom;ki=full,very)、「地底の・ドン・底(の場所)」

 

18 ルイジアナ(Louisiana)

 

 A 「仏ルイ14世」の支配地であったことによる。

 

19 メーン(Maine)

 

 A 「(ニューイングランドの中の)主要な(Main land)州」

 

20 メリーランド(Maryland)

 

 A 「英国王チャールズ1世の王姫ヘンリエッタ・メリア(Henrietta Maria)」から

 

21 ○マサチューセッツ(Massachusetts)

 

 A 「マス・アチュウス・エット、mass-adchues-et(mass=big;adchues=hill;et=at)、巨大な丘の場所」

 

 B 「マタ・ツテツテ」、MATA-TUTETUTE(mata=face,edge,headland;tutetute=jostle,hustle)、「あたりを押しのけているような(巨大な)・岬(突き出た丘)」

 

22 ○ミシガン(Michigan)

 

 A 「メシカミ、mesikami(large lake,great water)、大湖」(アルゴンキアン族フォツクス語)

 

 B 「メチ・カハ・ミ」、METI-KAHA-MI(meti=fat;kaha=strong,strength;mi=stream,river)、「肥って・どこまでも延びている・水(湖)」

 または「メチ・(ン)ガナ」、METI-NGANA(meti=fat;ngana=persistent,strong)、「肥って・どこまでも延びている(水。湖)」

 

23 ○ミネソタ(Minnesota)

 

 A 「ミニソタ、minisota(white water,milky blue water)、空色の水」(スー族語)

 

 B 「ミ・ネイ・トタハ」、MI-NEI-TOTAHA(mi=stream,river;nei=stretched forward,wagging,vacillating;totaha=bind,encircle with a band)、「水(湖)が・ずっと向こうまで・連なっている(地域)」(「トタハ」のH音が脱落して「トタ」から「ソタ」となった)

 

24 ○ミシシッピ(Mississipi)

 

 A 「ミシシピ、misisipi(big river)、偉大なる川」(オジブワ語)

 

 B 「ミ・チチピ」、MI-TITIPI(mi=stream,river;titipi=slice,dress the surface of timber with an adze,glide,go quickly or smoothly)、「ゆったりと流れる・川」

 

25 ○ミズーリ(Missouri)

 

 A 「?、?(people of the big canoes)、大きなカヌーの持ち主」(イリニウェク語)。「?、?(muddy water)、泥水の川」。

 

 B 「ミヒ・ツ・ウリウリ」、MIHI-TU-URIURI(mihi=greet,admire;tu=fight with,energetic;uriuri=a messenger passing between two parties to convey intelligence or a neutral visiting indifferently two hostile camps)、「尊崇すべき・精力的な・(対立する二集団の間をとりもつ)あっせん仲介人」(「ミヒ」のH音が脱落して「ミ」と、「ウリウリ」の反復語尾が脱落して「ウリ」となった)

 または「ミ・ツ・フリ」、MI-TU-HURI(mi=stream,river;tu=stand,fight with,energetic;huri=turn round,overflow)、「精力的に・(流れの)方向を変える(蛇行を重ねる)・川」(「フリ」のH音が脱落して「ウリ」となった)

 

26 モンタナ(Montana)

 

 A 「山が多い」(ラテン語またはスペイン語)

 

27 ○ネブラスカ(Nebraska)

 

 A 「ニブラスカ、nibrathka(shallow water)、浅瀬の川」(州の中央を流れるPlatte(flat)川のスー族語名)から。

 

 B 「ヌイ・プラ・ツカ」、NUI-PURA-TUKA(nui=large,many;pura=any small foreign substance in the eye,blind,twinkle;tuka,tukatuka=start up,proceed forwards)、「大きな・目にごみが入った(先が見えないのであちこち方向を変える)・先を急いで流れる(川)」

 

28 ネバダ(Nevada)

 

 A 「シェラ・ネバダ、Sierra Nevada(snow-clad (mountain range))、雪を頂いた山脈」(スペイン語)から。

 

29 ニュー・ハンプシャー(New Hampshire)

 

 A 最初の植民許可を得たロンドンの商人ジョン・メーソンの出身地英国南部の「ハンプシャー」から。

 

30 ニュー・ジャージー(New Jersey)

 

 A 州の一部を領有した英国王族がイギリス海峡の小島「ジャージー島」から命名した。

 

31 ニュー・メキシコ(New Mexico)

 

 A 米墨戦争の結果、メキシコ領から1848年に合衆国領となった(南部の一部は1853年のガズデン購入による)ことによる。

 

32 ニューヨーク(New York)

 

 A 英国のヨーク・オルバニィ公(Duke of York and Albany)(のちのジェイムズ二世)から。以前のオランダ植民地時代にはニュー・アムステルダムと呼ばれていた。

 

33 ノース・カロライナ(North Carolina)

 

 A 「カロラナ(英国王チャールズ1世が自分のラテン名カルロスから)」

 

34 ○ノース・ダコタ(North Dakota)

 

 A 「ダコタ、dakota(friends,allies)、友人」(スー族は、自分達をダコタと称していた)

 

 B 「タコ・タ」、TAKO-TA(tako=common meeting;ta=dash,lay,alley)、「部族の集会で・並ぶ(人々)」

 

35 ○オハイオ(Ohio)

 

 A 「オヘオ、oheoh(the beautiful)、美しい。または偉大な」(イロクォイ語)

 

 B 「オ・ハイ・オウ」、O-HAI-OU(o=the...of;hai=the name of the principal stone in the game of knuckle-bones;ou=few)、「極めて希少で・重要な・土地」

 

36 ○オクラホマ(Oklahoma)

 

 A 「オクラ・ヒューマ(ホムマ)、okula-humma(homma)(okla=people;humma(homma)=red)、赤い人々」(チョクトウ語)

 

 B 「オ・クラ・ホマイ」、O-KURA-HOMAI(o=the...of;kura=red,ornamented with feathers;homai=bring,give to the person speaking)、「赤い(鳥の羽根で飾っている)・弁舌に長けた・種族」

 

37 ○オレゴン(Oregon)

 

 A 由来不明、コロンビア川の旧名との説あり。

 

 B 「オレ・(ン)ゴ(ン)ガ」、ORE-NGONGA(ore=quiver;ngonga=water)、「震動しながら流れる・水(川)」(「(ン)ゴ(ン)ガ」の最初のNG音がG音に、次のNG音がN音に変化して「ゴナ」から「ゴン」となった)

 

38 ペンシルベニア(Pennsylvania)

 

 A 「ペン(クエーカー教徒のウイリアム・ペンが英国王チャールズ2世から植民許可)・シルベニア(森林の国)」から

 

39 ロードアイランド(Rhod Island)

 

 A ナラガンセット湾中の小島がギリシャの「ロードス島((Gr)rhodos(rose))」に似ていたから。

 

40 サウス・カロライナ(South Carolina)

 

 A 33ノース・カロライナ州の項を参照してください。

 

41 ○サウス・ダコタ(South Dakota)

 

 A 34ノース・ダコタ州の項を参照してください。

 

42 ○テネシー(Tennessee)

 

 A 「テネセ、tanasi(name of a village)、チェロキー・インディアンの中心集落の名」から。

 

 B 「テ・(ン)ゲテ」、TE-NGETE(te=the,emphasis;ngete=express surprise or regret)、「敬意を表すべき(首長が居る。集落)」(「(ン)ゲテ」のNG音がN音に変化して「ネテ」から「ネセ」となった)

 

43 ○テキサス(Texas)

 

 A 「テカス、techas(friends,allies)、(アパッチ族に対して)仲間」

 

 B 「テキ・タツ」、TEKI-TATU(teki=scrape lightly,drift,outer fence of a stockade;tatu=reach the bottom,be content)、「満足している・(外敵を防ぐ最外側の)柵(の内側。仲間)」

 

44 ○ユタ(Utah)

 

 A 「ユテ、ute(people of ute mountains)、ユテ・インディアンの土地」

 

 B 「イフ・タ」、IHU-TA(ihu=nose,bow of a canoe etc.;ta=lay)、「(カヌーの舳先のような)高い場所に・居る(種族)」(「イフ」のH音が脱落して「イウ」から「ユ」となった)

 

45 バーモント(Vermont)

 

 A 「ver(緑)・mont(山)」(フランス語)から。

 

46 バージニア(Virgina)

 

 A 「バージン・クィーン(植民勅許を与えた英国女王エリザベス1世のニック・ネーム)」から。

 

47 ワシントン(Washington)

 

 A 「初代大統領ジョージ・ワシントン」の名から。

 

48 ウエスト・バージニア(West Virginia)

 

 A 46バージニア州の項を参照してください。

 

49 ○ウイスコンシン(Wisconshin)

 

 A 「水の集まる場所」(フランス語)。「ウイスコンシン、wishconsing(the place of the beaver's or muskrat's hole)、ビーバーの場所」(オジブワ語)

 

 B 「ウイ・ツ・コナ・チノ」、UI-TU-KONA-TINO(ui=loosen a noose;tu=stand,settle;kona=that place,that circumstance;tina=fixed,firm,constipated)、「蛇行する川が・集まる・あの・便秘している(ビーバーが木の枝で巣を造っているため水の流れが悪くなっている)(場所)」

 

50 ○ワイオミング(Wyoming)

 

 A 「チュウェワミンク、chewewamink(large river bottom,on the great plain)、大きな渓谷。または大きな原っぱ」(アルゴンキアン族語)

 

 B 「ワイオイオ・ミ(ン)ゴ」、WHAIOIO-MINGO(whaioio=very numerous;mingo=curled,wrimkled)、「巨大な・皺が寄っている(場所。渓谷)」(「ワイオイオ」の反復語尾が脱落して「ワイオ」となった)

 

 

<付録>

 

○アパラチア(Appalachia)山脈

 

 A 「アパラチ(アペラチ)、appalachee(people on the other side)or apelachi(helper,ally)、(山の)向こう側の人々(または仲間)」(チョクトウ語)から

 

 B 「アパルア・チア」、APARUA-TIA(aparua=one of the rows of the palisades of a fort;tia=stick in,adorn by sticking in feathers)、「羽根で飾った(美しい)・居住地を囲む柵(をなしている山脈。そこにすむ部族)」

 

○エリー(Erie)湖

 

 A 「イェンレッシュ、yenresh(at the place of wild-cat's long tail,people of panther)、山猫の長い尾の場所。または豹の部族」(イロクォイ語)

 

 B 「エ・リ」、E-RI(e=to denote action in progress,to give emphasis;ri=screen,shut out with a screen.protect,bind)、「障壁(ナイアガラ滝)で(下流との)交通が遮断されて・いる(湖)」

 

○オンタリオ(Ontario)湖

 

 A 「オニアタリイオ、oniatariio(the fine lake)、美しい湖」(イロクォイ語)

 

 B 「オ(ン)ガ・タリ・アウ」、ONGA-TRI-AU(onga=agitate,shake about;tari=bring,carry,urge,incite;au=cloud,sea,wake of a canoe)、「(ナイアガラ滝の)震動が・伝わってくる・海(湖)」

 

○ナイアガラ(Niagara)(エリー湖とオンタリオ湖の間にある滝)

 

 A 「?、?(point of land cut in two)、大地を二つに引き裂く場所」(イロクォイ語)から。

 

 B 「ナイ・ア(ン)ガ・ラ」、NAI-ANGA-RA(nai=nei=to indicate continuance of action(nui=large,great,abundant);anga=driving force,thing driven;ra=wed)、「(水を)強い力で押し出し・続けるもの(滝)が・集合している(巨大な滝)」(「ア(ン)ガ」のNG音がG音に変化して「アガ」となった)

 または「ナイ・ア・(ン)ガラ」、NAI-A-NGARA(nai=nei=to indicate continuance of action(nui=large,great,abundant);a=the...of,belonging to;ngara=snarl)、「巨大な・唸り声(爆音)をたてて・いる(滝)」(「(ン)ガラ」のNG音がG音に変化して「ガラ」となった)

○マイアミ(Miami)半島

 

 A 「オマウメ、omaumeg(peninsula-people)、半島の人々」(チッペワ語)から。

 

 B 「マイ・アミ」、MAI-AMI(mai=become quiet,mussels taken out of the shells;ami=gather,collect)、「集まっている・静かな(人々。その住む地域)」

 

 

<修正経緯>

1 平成15年1月5日 付録中「ナイアガラ」の解釈に別解釈を追加しました。

2 平成19年2月15日 インデックスのスタイル変更に伴い、本篇のタイトル、リンクおよび奥書のスタイルの変更、<次回予告>の削除などの修正を行ないました。本文の実質的変更はありません

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雑楽篇(番外)終わり

 
U R L:  http://www.iris.dti.ne.jp/~muken/
タイトル:  夢間草廬(むけんのこや)
       ポリネシア語で解く日本の地名・日本の古典・日本語の語源
作  者:  井上政行(夢間)
Eメール:  muken@iris.dti.ne.jp
ご 注 意:  本ホームページの内容を論文等に引用される場合は、出典を明記してください。
(記載例  出典:ポリネシア語で解く日本の地名・日本の古典・日本語の語源
http://www.iris.dti.ne.jp/~muken/timei05.htm,date of access:05/08/01 など)
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