旧近藤別邸

この建物は関東大震災の教訓から、
屋根に軽い材料を用いて、2×4工法で建てられました。
水平ラインを強調する焦げ茶色の下見と、
漆喰の白のコントラストがなんとも印象的です。
内部も同様の色調で、デザインされたいくつかの窓枠の他は
特に目立った装飾もなく、どちらかといえば簡素なつくりではありますが、
ライトのプレイリースタイルの流れを汲む、実に印象的な住宅です。
居間兼食堂が板張りの他は、すべて畳敷きの部屋となっており、
和と洋の微妙な混合が、この建物の大きな特徴となっています。
元々は、海にほど近い藤沢市辻堂東海岸に別荘として建てられたもので、
昭和54年に取り壊しが決まったものの、その後近隣の主婦を中心とした保存運動が実を結び、
現在の場所(市民会館等を含む市の敷地内)に移設されました。

Data
所在地:藤沢市鵠沼東8-1
構造:木造2階
施工者:女良正吉建築事務所
建築年代:大正14年
備考:国登録有形文化財








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