旧甲子園ホテル(現武庫川学院 甲子園会館)

「東の帝国ホテル、西の甲子園ホテル」と並び称されるされるほど、
このホテルはライト建築の美しさを惜しげもなく魅せてくれます。
また、空間構成においてもライトの手法を用いた箇所がいくつか見受けられます。
芸術的な模様を施したテキスタイル・ブロックや、竜山岩の装飾彫刻、
また、使用される素材の風合など帝国ホテルに似たものを使用するなど、
ライト(帝国ホテル)へのこだわりを強く感じますが、
地元淡路からとりよせた美しい緑色の瓦や、
建物全体にわたって「打出の小槌」をモチーフにした装飾を使うなど、
遠藤ならではの日本的アクセントが、程良い彩りを添えています。
また、貝型の照明器具や半円形の燭台など、
翌年に建設される加地邸(東京都)の内装と
共通する部分がいくつか見受けられます。

現在は武庫川学院の施設として、
オープン・カレッジや生活美学研究所が開設されていて、
庶務へ連絡すれば、一般の見学も可能です。

Data
所在地:兵庫県西宮市戸崎町
構造:R.C.造
施工者:
建築年代:昭和5年
備考:西宮市都市景観形成建築物

正面玄関


建物全体にわたり使用されている
テキスタイル・ブロック
肉眼では分からないような場所にも
細かな装飾がみられます。




内部

1階廊下




美しい装飾が施された柱

 1階ロビーから応接室を望む
 当時はスタンドバーがありました

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