立教大学4号館及び第1ボイラー室
(旧立教大学予科校舎)

46歳で来日し、63歳で亡くなったモーガン。
同時期に活躍した、A.レーモンドやW.M.ヴォーリズ等と比べれば、
決して長い活動期間とはいえません。
当然ながら遺した作品数も少ないのですが、その全体数からみると、
学校関連施設の仕事が多いことに気がつきます。
一点としてプロテスタント系との関連なども考えられますが、
その詳細についてはわかりません。

立教大学4号館は、モーガンによる建設後の、2回にわたる増築工事を経て、
キャンパスの中でも、2番目の規模(延床面積)を誇る施設にあたります。
しかし、立教と言えば「BRICK & IVY」。
見た目も美しく、また同校の歴史的にも古い煉瓦造校舎群の中にあっては、
残念ながら、目立った存在とはいえません。
しかし、モーガンの他の学校建築と同様に、
質実剛健なそのスタイルに、モーガンの美学があるように思えるのです。

昭和12年5月5日、立教学院の創立記念日であるこの日、
4号館の落成式は盛大に挙行されたとのことです。
そして、そのわずか1ヶ月後の6月7日、
モーガンは急性肺炎によりこの世を去っています。

Data
所在地:東京都豊島区西池袋3-1273-1
構造:R.C.4階(4号館)
   R.C.1階 地下1階(ボイラー室)
施工者:清水組
建築年代:昭和12年

モーガン存命中の最後の作品になると思われます。      
同時に、現存するモーガン作品としては都内で唯一のものです。
 

正面玄関
 

内部通路
 

正面玄関へと下る階段部分
 

隣接するボイラー室もモーガンの作品です。



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