マルグリット・ブールジョワ・センター
(旧ノートルダム修道院)
(Marguerite Bourgeoys Center Ex-Notre-Dame Monastery)

マルグリット・ブールジョワは、1620年にフランス・シャンパーニュ地方に生まれ、
苦難のすえカナダに渡り、1658年に、コングレガシオン・ド・ノートルダム修道会を設立しました。
その修道会によって、日本の地に建てられた修道院施設、それがマルグリット・ブールジョワ・センターです。
ちなみに彼女は、大いなる偉業が認められ、ローマカトリック教会により、近年、聖人の称号が与えられました。

建物はご覧のとおり、4本のオーダーとペディメントを正面に配置した古典的な外観。
「オーダー」を簡潔に定義し広めた、16世紀の建築家セバスティアーノ・セルリオは、
「女性の聖人に献堂する聖堂にはイオニア式を用いるべき」としたそうですが、
それを忠実に守ったのかどうか、この建物はイオニア式のオーダーを外にも内にも使っています。
また、マーガレット(=マルグリット)を図案化したと思われるステンドグラスや飾りガラスなど、
厳格な修道院でありながらも、内部はどこか女性的な優しさが漂っていました。

また、医務室の病床からミサができるように工夫したつくり、機能的なつくり付けの収納棚、
用途に合わせてスペースを拡張できる折りたたみドア式の間仕切り、鉄製の防火扉など、
機能面でも、色々なアイデアが詰め込まれた良い建築でした。

Data
所在地:福島市花園町3-6
構造:木造2階
施工者:関工務店
建築年代:昭和10年(1935) 


 

「マルグリット」の名に因み、マーガレット模様のガラスがいたる所に使われている。
 

   美しい聖堂。柱頭は外観と同様イオニア式。
柱の色については、本国(カナダ)の聖堂と同じ色でなるように、
かなり注文がついたそうです。

 カナダから取り寄せたと伝えられるステンドグラス。
通常のバラ窓は、12人の使徒を表す12枚の花びらが放射状に広がっていますが、
この窓は、8枚又は16枚に見えます。
あくまで推測ですが、これもマーガレットの花をデザインしたものではないでしょうか。
 

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