当別トラピスト修道院本館増築
(Tobetsu Trappist Monastery)

当別トラピスト修道院の歴史は古く、今から100年以上も前になる、
1896年11月21日に開院式を行っています。
当時の建物は木造1階建て。現在の本館と同様の横長のプランでした。
しかし開院して6年余の1903年3月、突然の不幸が襲います。
台所部の煙突が加熱し、接続する天井・屋根から出火、
火は瞬く間に施設を焼き尽くしてしまいました。

当時の「声」という雑誌に掲載された記事によれば、
火災に強く、防寒にも適しているという理由で、煉瓦造による本館の再築を計画し、
火災から4年後の1907年5月、この建物の着工に至るわけですが、
その後2度の増築は木造によって行われています。
また、そのうち1938年の増築はスワガーの手により行われました。

構造を得意としていたスワガーですが、
平成5年7月12日の北海道南西沖地震に耐えたことは、何よりの証になるものと思います。


Data
所在地:北海道上磯郡上磯町字三ツ石392
構造:煉瓦造2階(一部3階) 地下1階
   増築部は木造
施工者:
建築年代:昭和13年(1938)増築
 

スワガーによる設計はこの本館ではなく、背後の増築部分。結果、現在のロの字型となった。   



頭頂部に安置された聖母マリア像

玄関ホールから昇る階段は左右対称のつくり

旧聖堂。折り上げ格天井が施されている。       
この辺りは大阪のスワガー作品に通ずるものがあります。


玄関まで数百メートルの直線が続く、杉とポプラの並木道・町道トラピスト通線

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