#探偵ガリレオ・シリーズ


『探偵ガリレオ』 東野圭吾 文藝春秋 1998/5 ♪:☆☆☆★
作品紹介 短編5篇を収録
常識で説明できないような難事件が起きた時、警視庁に勤める刑事・草薙俊平は、 帝都大学物理工学部助教授・湯川学に会いに行く。
多少偏屈なところはあるが、彼の頭脳は事件の影に隠された事実をさぐりあて、 何時の間にか「ガリレオ先生」とまでいわれるようになっていく。
『燃える(もえる)』・・・突然燃えあがった男。その事件の裏には?草薙俊平&湯川学登場。
『転写る(うつる)』・・・導かれるように発見された死体、デスマスクは死者の怨念か。
『壊死る(くさる)』・・・死体に残った奇妙な後、本当に腐っていたものとは....。
『爆ぜる(はぜる)』・・・海で起きた謎の爆発事件。湯川の少し奇妙な反応。
『離脱る(ぬける)』・・・幽体離脱した目撃証人。
感想 わかりやすい理系ネタ
ある意味で正統派探偵小説の鏡?ともいったパターンをもっていて、 東野さんの刑事ものの中でも他とだいぶ印象が違います。

草薙が優秀なのかそうでないのかは分からない(すぐ湯川の元に相談にいくので) のですが、実質彼は助手役で、湯川が探偵役。
物理学者が探偵役だということもあって、当然ながら理系ネタを駆使した推理が行われるのですが、 小難しいことは何もなく、わかりやすいのも特徴。

物語自体もわりとサッパリした印象のものが多く、すーっと読める作品だと思います。

東野さんの作品はとても好きなのですが、キャラが弱いような....とも結構思っています。 いや、私はキャラが好きになるとそれだけで作品の評価が変わってしまうといった困った人間なんで(汗) 特に「加賀恭一郎シリーズ」には常々それを思っています。
この「ガリレオ」は湯川も草薙も、ある意味でお決まりのパターンなんですが、私は結構気に入っています(^^;
KeyWord:『かけあい』 コンビとはかけあいが上手くなくてはならない
「前にもいったことがあるけれど、その課長はじつに論理的な考え方をする人だ」
「ただ頭が固いだけだと思うけどな」



『予知夢』 東野圭吾 文藝春秋 2001/3 ♪:☆☆☆★
作品紹介 短編5篇
再び起こる難事件の数々に、湯川学と草薙俊平コンビが挑む!
『夢想る(ゆめみる)』・・・17年前から二人は結ばれる運命にあるー。彼がみた夢の謎とは?
『霊視る(みえる)』・・・死亡時刻に目撃された被害者の姿は亡霊のなせる技か?
『騒霊ぐ(さわぐ)』・・・謎の家の妖しい集団の行動と、行方不明の男。
『紋殺る(しめる)』・・・絞殺死体に残る奇妙な痣。
『予知る(しる)』・・・自殺した女性が、二日前に自殺していたのを見たという少女の証言。
感想 定番にしてほしい
『探偵ガリレオ』の続きにあたる短編集。
内容は益々おもしろくなったと思います。 キャラもばっちりで、相変わらずの二人。

今回も謎を科学の力でズバズバ解明していくのですが、 その奥にある人間心理なんかにもつっこんでこれまた読みやすく読後も爽やかな短編集。
私のお気に入りは....『予知る』。なんといってもこれでしょう。 この話を最後にもってくるあたり憎いですね(^^;。
KeyWord:湯川学 御○洗みたいだな(謎)
「亡霊は、心の中にいるからな」

「早く結婚して後悔している人間と、
 もっと早く結婚すればよかったと後悔している人間では、どちらのほうが多いかという問題だ」
KeyWord:『禁句』 それじゃ事件が起きないし...
「僕の知り合いに推理小説嫌いがいる。
  なぜ嫌いなのかというと、犯人たちが愚かだからだそうだ。
 彼等は警察を騙そうと、殺人方法に様々な工夫を凝らす。
  しかし死体を隠すことには全く頭を使わない。
 死体を隠しさえすれば何らかの事件が起きているかどうかも不明で、
   したがって警察は捜査を始めることさえしないはずなのに」

「その知り合いというのは、おまえ自身のことじゃないのか」

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