#加賀恭一朗シリーズ
『卒業 -雪月花殺人ゲーム』 | 東野圭吾 | 1986/5 | 講談社 | ♪:☆☆☆★ | 作品紹介 | 仲間 |
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卒業を間近に控えたある時期、仲間の一人が自殺した。 悲しみを癒す彼らに第二の悲劇が..... | 感想 | 「他の者の事をどれだけ知っているのだろう?」 | ||
何年も同じ時を過ごしてきた仲間。 卒業すれば多少疎遠にはなってしまうだろうが、これからもきっと......。 そう想う瞬間。 でも、昔は自然だった事でも、環境がかわれば結構労力を使うものです。 なかなかそうはいかないですよね.....。 「友達」は「友人」、「昔の友達」「昔の友人」になってしまう。 私なんてメンドウがりやで、忘れっぽいので特にそうです。 これは1986年の作品なんで、今の感想だと.... 今、NETが普及していき、新しいコミニュケーションの形になっていけば少しは違うのでしょうか? でも私の世代ではまだまだNETはその扉を開いてはくれません。 私はNETに過剰な期待をしてるのかも知れませんし。 それでも、今この「卒業」を読んで、これからの卒業の形は変わっていくのかも知れませんね。 場所が人間関係を作っていた時代からの移行.....。それでも場所が形を作っていってしまうのですね、きっと。 | KeyWord:加賀恭一郎 | 教師or刑事 | ||
「卒業まで.....か。 まるで何かいいことでもあるみたいに思ってるんだな。 卒業したら過去が消えるとでも考えているのかい?」 | KeyWord:『卒業』 | 別れ | ||
「忘れられるさ。事件のことも、僕のことも。 忘れてしまうさ、僕のことも。 大丈夫なんだよ。 慣れてしまえばなんでもない。」 |
『眠りの森』 | 東野圭吾 | 1989/5 | 講談社 | ♪:☆☆☆ | 作品紹介 | クラシカル・バレエの世界 |
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あるバレエ団事務所に侵入した男を、正当防衛で殺してしまった..... その通報ではじまった事件の捜査中、第二の殺人が起きる。 事件の裏に隠された謎を追う加賀恭一郎は、バレエの世界という輝きを持つ世界。 ある意味で狭い世界で生きる人々の隠された苦悩を知り、 事件の真相に迫っていく。 | 感想 | 捧ぐ者 | ||
『鳥人計画』に続く、狭いスポーツ世界で生きる人々を扱った作品。 その世界観、背景を楽しむことができるので、こういった作品は好きです..... 『天空の蜂』なんかもその部類なのかな? 加賀恭一郎シリーズにしては珍しく、推理的にはあまりこっていないと思うのですが、 このくらいのが私は読んでて楽だー(笑) | 感想(ネタバレ) | 下世話だけどさ | ||
・・・で、その後、未緒とはどーなったん? シリーズ読んでて出てこないような気がする。 ついでにいえば『卒業』の恋人(名前失念)も。 あと、加賀が教師時代にした失敗ってなんだっけ? あれ、でもこれは最初から記憶にないような.....見落としかな? それとも忘れただけかな? 記憶を補う為に感想つけてるのに、頼りにならない脳味噌だ....。 誰か知ってる方いらしたら、教えてください。 | KeyWord:高柳亜希子 | プリマの意見 | ||
「あなたのいうように、多くのものを犠牲にしてきたわ。 でもそれがどうして尊敬に値するの?犠牲の数なんて関係ないじゃない。 仮にあたしと全く同じ姿形で、全く同じように踊れて、 しかも殆ど何も犠牲にしてこなかったのだとしたら、そっちの人の方が偉大だと思わない? 何かを犠牲にするなんてことは、それほど大したことでもないのよ。 切って、捨てて、それでおしまい。そうしてバレエに逃げこめる」 | KeyWord:加賀恭一郎 | ホントに「刑事」なんだよな... | ||
「おまえに自分でみつけられるのか・・・か........。みつけるのは簡単なんだ」 |
『どちらかが彼女を殺した』 | 東野圭吾 | 1996/6 | 講談社 | ♪:☆☆☆ | 作品紹介 | 純粋に推理を楽しんで欲しい(著者談) |
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自殺の偽装を施され最愛の妹を殺害された愛知県警豊橋署に勤務する和泉康正は、
現場検証の結果、二人の容疑者を割り出す。
一人は妹の親友。もう一人はかつての妹の恋人。
康正は復讐のために懸命に真犯人に肉追するが、その前に練馬署の加賀刑事が立ちはだかる。 〜ノベルズ版より抜粋 | 感想 | 犯人は...... | ||
加賀恭一郎の「・・・を殺した」は、犯人が明かされないんですよね。
全てデーターを出して、後は自分で考える、と.....。
たぶん○○だと思っても、作家に「そうだ」といってもらわないと満足できない私です(汗) NETがあるから、まだ色んな人の意見とか聞いて消化できますが、 無かったら胃が痛くなりそうです。 | 感想(ネタバレ) | バカの考え休むに似たり | ||
私は気がつかなかった......というか気がつかないのですが(汗) どうやら犯人は右利きだそうで、消去法から佃が犯人らしいです。 皆さん考えながら読んでるんですね....わたしも一応は考えてるんですけども.... ......しかしこんな理由で人を殺すなよな、とも思った。 | KeyWord:加賀恭一郎 | 私的には織田裕二をイメージ | ||
「破壊には必ずメッセージがある。それはどんな事件でもいえることです」 |
『悪意』 | 東野圭吾 | 1996/9 | 双葉社 | ♪:☆☆☆ | 作品紹介 | 何故、彼を殺したか |
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仕事場で殺された流行作家・日高久彦。 彼を殺した犯人が黙して語らない殺害の動機とは.....? 殺人動機とは何なのだろうか。そのことを考えながら書いた。 〜著者の言葉より〜 | 感想(ネタバレ) | 負のエネルギー | ||
序盤に犯人はあっさりと捕まるのですが、本当の殺害理由を彼は語ろうとしません。 加賀恭一郎は真実を知るために、彼の過去を探っていくのですが.... 人の悪意の恐ろしさ。 人を嫌いになるのに正当な理由が必要かそうでないかなどと難しいことをいえば、 なんだか答えの出ない堂堂巡りをしてしまいそうですが、 実際のところは確たる理由もなく人を嫌いになってしまうことって多々あると思います。 そこまでもいかなくても苦手だ、とか。 嫌いになる側からいえば理由も条件もあるのでしょうが、 客観的にみてそれが嫉妬であったり、価値観の違いであったり 、立場の違いであったり....そんな事が実際のところは多いのではないか? などと考えてしまいました。 とはいえ人間ですから、そんなに中々上手く気持ちはまとめられませんよね....。 完全に感情をコントロール出来る人間は、人間なのか、ってことにもなりますし。 とはいえ、考えされられました、何も考えないよりいいと思います。 ....この物語の日高邦彦が殺され、 さらに死んだ後も再び殺されそうになってしまったことに対する悪意....決して異常者だとも思えない野々口修。 彼の中に潜み、育っていった悪意をつきとめた加賀さんの活躍には胸がすっとしました。 | KeyWord:野々口修 | 児童作家、加賀が教師時代の職場の先輩 | ||
「教師と生徒の関係なんてのはね、錯覚の上で成り立っているんだ。 教師は何かを教えていると錯覚し、生徒は何かを教えられていると錯覚している。 そして大事なことは、そうやって錯覚しているのがお互いに幸せだということだ。 真実を見たって、いいことなんか何もないからね。 我々のしていることは、教育ごっこにすぎないんだ」 | KeyWord:『禁猟区』 | 理不尽な暴力 | ||
「彼が恐ろしいと思ったのは、暴力そのものではなく、 自分を嫌う者たちが発する負のエネルギーだった。 彼は今まで、世の中にこれほどの悪意が存在するとは、想像もしてなかったのだ」 |
『私が彼を殺した』 | 東野圭吾 | 1992/9 | 集英社 | ♪:☆☆☆ | 作品紹介 | 私が殺した、彼を。 |
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殺された作家、容疑者は三人。 彼らはみな「私が彼を殺した」と言う.....だけど犯人は一人。 メモを取りながらページをめくり、作者がちりばめたヒントを手がかりに真相を推理する..... かつて探偵小説と呼ばれたものを愛した人々の楽しみは、そういうものだったはずである。 それをなんとか復活させたいと思った。 だが作業は想像以上に大変なものとなった。 こんな馬鹿なことをするのも、これが最後かも知れない。 〜著者のことばより〜 | 感想(ネタバレ) | 検挙率数%な私 | ||
「推理しないでミステリを読む」....そんな私ですが、
流石にこの本ばかりは冒頭の著者の言葉のせいもあってか、気になることはメモって読みました。 .....が、駄目ですね......本来は状況などからするべき推理を、 自分の心情が邪魔をするというかなんというか、 かってに怪しい人を作ってしまうので、推理も何もなかった、というのが結論です。 一応、恥ながら書きますが「美和子だ、美和子が怪しい」と中盤から頭に響いてしまって.... 推理でも何でもないですね(笑) NETでも色んな方が推理されてますが ここが正解だと思います。なるほど.....と思いました。でも正解なのかどうかは本当は私には判りません(汗) いや、皆さんがそう言うので「ああ、そうなんだな....」程度です(汗)う〜んだって判らないから。 | KeyWord:神林美和子 | |||
「あたしはもう何が何だかわからない。 誰が犯人でもいい、とにかく早く答えを教えて」 |