オーバードライブ「歪曲王」

-それが黄金ということ-

僕は歪曲王。君の心の中にある歪みに君臨するもの。
君が歪みを黄金に変える事が出来るまで、僕はずっと君の側にいるだろう---。

二月十四日の聖バレンタイン。
都市のど真ん中に屹立する異形の超高層建築 "ムーンテンプル"
その観覧イベントに集まった多くの人を巻き込んで 世界が歪んでいく。
人々に甘く囁きかける歪曲王は、全てがねじ曲がった その世界にこそ天国にいたる階段だという。
そして、そこにはもう一つの奇妙な影がまぎれていた。

"やはり来たな、ブギーポップ.....!"
人の心に棲む者同志が相まみえる時、終わり無き一日が幕を明ける。

ストーリー キャラクター
am8:24 am8:45 am9:02 羽原健太朗
am9:26 am9:34 am9:58 寺月恭一郎
am10:00 am10:25 10:32 橋坂真
am10:46  am11:02  am11:34   橋坂静香
am12:00/pm0:00 道元咲子
pm0:01 pm0:24 pm0:42 新刻敬
pm1:37 pm2:06 pm2:14 田中志郎
pm2:21 pm2:30 pm2:46 霧間凪
pm2:50 pm2:57 pm3:00 宮下藤花
pm3:03 pm3:14 pm3:34 竹田啓司
pm3:53 pm4:01 pm4:22 ブギーポップ
pm4:41 pm5:00 pm5:02 歪曲王
pm5:06 pm5:09 ゾーラギ

Outline

am8:24
一代で巨万の富を築いた伝説的な実業家、故人"寺月恭一郎"が残した 超高層ビル"ムーンテンプル"でのイベントが始まろうとしていた。

"橋坂静香"に連れられイベントに来ていた"橋坂真"は不思議な人物と出会う。
その人物こそ..."歪曲王"だった。

am8:45
霧間凪の友人"羽原健太郎"はイベントで偶然に後輩の"田中志郎"と出会う。
以前の事件で"紙木城直子"とここに来る約束をしていた志郎は、不意に思い立ってここに来たのだった。

am9:02
"宮下藤花"の恋人でもある"竹田啓司"は待ち合わせに通りかかった"ムーンテンプル" を見上げているとた、すると彼の持つコーヒーの表面が変かしてブギーポップ の顔になる、偽者だと見破った彼に"そいつ"は答える。
「和が名は歪曲王、世界を黄金に変えるべく生まれたものだ」

am9:26
新刻敬"は"街で偶然に"竹田啓司"を見かけてなんとなく逃げ出してしまう。 彼にはこの間、失恋したばかりなのだ....
イベント前を通りかかると、彼の恋人"宮下藤花"がビルを見上げていた、 何時もとは少し違う表情、物陰に隠れたかと思うと、ブギーポップとなって ビルの中にきえていった。

am9:34
"道元咲子"は気乗りしないまま、男友達と供にイベントにきていた。 そこで、"女の子達だけの伝説"でもある"ブギーポップ"を見かける...

am9:58
ビル内に音楽が流れだし、照明が消える....始まったのだ。

am10:00
ビル内を歩く"新刻敬"の前に"歪曲王"が現れる。
彼女も良く知っていた人物、あの"早乙女正美"の姿で。 心の歪みを指摘され動揺する彼女の前に、ブギーポップが現れる。 "歪曲王"は彼を知っていた....

am10:25
ビル内部との物理的連絡が途絶えた為に周囲は大騒ぎになっていた。

am10:32
ビル内部の人々の前に、"歪曲王"が現れる。

am10:46
"橋坂静香"の歪曲王は"寺月恭一郎"だった。 二人は以前に何度か肉体関係があった。 父親のわからない子供を身ごもった時、 彼女が父親になって欲しいと思ったのは彼だった。 だが恭一郎は「私に子供ができる筈ない」と笑う、国籍すらない自分に認知など 出来る筈もないと、金ならいくらでもやるとも...激昂する静香。
だが彼は、静かに忠告する....巨大なシステムがあり、自分もそれに監視されて いるのだと、だからマスコミなどに流したら君自身が危ないと、そして自分も数年後には消されるのだと.....
事実、彼は8年後に突然死んでしまった。

am11:02
ブギーポップを捜す"道元咲子"は歪曲王と出会う。 ...幼き頃、友人に酷い事をいってしまった彼女、謝る前にその友人は 死んでしまった。それこそが彼女の心の歪み、歪曲王だった。
こんな自分はだから、"ブギーポップ"に殺されたい....そう叫ぶ少女に歪曲王は語りかける。
「その苦しみを黄金に変えるようにしなければならない」

am11:34
"羽原健太郎"以前、霧間凪に助けられ、同時に一目惚れしてしまった彼の 歪曲王は.....当然霧間凪だった。
歪曲王と話すうちに自分が狂ってる、もしくはコレは夢だとも思って くる健太郎。しまいには、怪獣にまで追われる彼だったが、 倒れている自分を発見して叩き起こす。 目が覚めた彼だったが、記憶がはっきりしない......とりあえず横にいた志郎を起す。

こんな事をする奴はこのビルを作った本人に違いない、彼は上層を目指す。

am12:00/pm0:00
歪曲王、それは彼が自らにつけた名前だった、彼もまた何かを突破しようとしていた。

pm0:01
新刻敬がブギーポップ話していると何かのうなり声がきこえて ブギーポップが建物の上に走りだす。すると歪曲王が現れ話の続きを始めるのだった。

pm0:24
ビル外で待ちあわせにこない宮下藤花を心配する竹田啓二。
まさか...ブギーポップがこの事件と関係あるのか。

pm0:42
幼き頃の友人と、夢の中の再会を楽しむ咲子だったが、友人は突然に男の声になる、寺月だ...
「あなたが歪曲王?」尋ねる咲子に彼は応える、
「この心にあるイメージは全て君がつくったものだ....」
いつのまにか、また友人が目の前にいたが、そこにも巨大な足音が迫っていた。

pm1:37
志郎と健太郎にも巨大な足音は迫っていた、どうにもならないと判断した健太郎は"炎の魔女"、霧間凪 に電話をかける、だが通じない...やはり無駄な事だった。

pm2:06
ビルの周囲だけで地震が起こっていた、辺りはパニックになってしまっている。

pm2:14
巨大怪獣、"ゾーラギ"こそが、"橋坂真"の夢の中に出てくる父親の イメージを具現化した歪曲王だった。怯える真の前にブギーポップが現れる。

pm2:21
"新刻敬"は歪曲王を人の心の寄生虫だと断言する、だが歪曲王は...
「なら何故僕がいるのか、それを知らなければならないのですよー
 その苦しみが、あなたの黄金にかわるまでー」

pm2:30
ゾーラギと対峙するブギーポップ、さすがに巨大怪獣と戦うのは始めてのようだ...
"橋坂真"を抱えビルから飛び降りるブギーポップ、そして....ゾーラギは倒れる。
「知恵と勇気があれば出来ない事などないのさ、みな忘れているがね」
それを信じた真は眠りはじめる、その"産道"を塞がれたゾーラギも去って行くのだった。

pm2:46
バーのラウンジで静香と恭一郎の顔をした歪曲王が座っていた。
「さすがはブギーポップだ....まったく見事なものだ」

pm2:50-56
目を覚ました健太郎の横で倒れていた咲子も、ゆっくりと目を覚ます。

pm2:57
歪曲王を倒す事を咲子に告げる健太郎達だったが、何故か咲子によって閉じ込められてしまう。 「あの人の邪魔はさせない!」

pm3:00
ビルの外で宮下を案じる竹田啓司、そこにビル内の放送から寺月恭一郎の声が響く。

pm3:03
このビルの通風口を全て閉じた、これで酸素供給が断たれた事になる、そう放送は告げた。
「ようするに上にあがってこいって事か...」

pm3:14
"新刻敬"は歪曲王と話してるうちに、ある事にきづく。

pm3:34
ビル外では関係者とマスコミ・警察でごったがえしになっていた。
竹田啓司は藤花の姿をした歪曲王を追ってビル内にはいっていく。

pm3:53
閉じ込められていた健太郎達だったが、エレベーターシャフトを上って上へと向かう。

pm4:01
咲子は、健太郎達を閉じ込めたものの彼らの意思の強さと自分を比べて 泣いていた、
女の子の間では有名な、黒帽子の死神"ブギーポップ" がビルをワイヤーで補強していた、彼と話しながらも涙を流しつづけ る咲子にブギーポップは....
「君の歪曲王が優しかったならば、それは君の優しさだ。 君は自分の優しさを歪ませ続けていた、その苦しみの数だけ実は 君は優しい人間だった........君は彼女が好きかい?」
うなづく咲子。
「その気持ちが黄金でないのなら、この世の中に輝けるものなんか何もないんじゃないかな」

pm4:22
会長室に辿りついた健太郎と志郎、パソコンに電源をいれると恭一郎からの メッセージが再生しはじた...
統和機構という存在、寺月が造られた人間だという事、そして統和機構に始末 されたという事....そしてここにこれるだけの"偶然"を持つ人間は 統和機構の敵としてマークされるかもしれないという事。
だが、そのメッセージは歪曲王の事にはまったくふれていなかった、戦慄する健太郎、 その前に志郎の姿をした歪曲王が現れる、が...その眼には光りが宿っている。
田中志郎、彼が歪曲王の本体だった。

pm4:41
自らの歪曲王にケリをつけた"新刻敬"はブギーポップと供に会長室で歪曲王の本体と対峙する。 田中志郎の悲しみや苦しみ、歪曲王自信の持つ歪みに敬は....
「他人のことを気にする前に、自分の事を何とかしなさい」
ブギーポップと敬の言葉でいつもの志郎がかえってくる。

pm5:00
橋坂静香の歪曲王も消えて行く、本物の恭一郎より優しかった歪曲王に最後に尋ねる 静香、「あなたはどこにいるの?」  「僕はどこにでもいて、何処にもいない存在...」
目を覚ました静香、夢を見ていたようだったが何故か思い出せなかった、 横で...寝ぼけながら夢をみているような、息子の真の姿をみて何故か...とてもとても羨ましく思った。

pm5:02
ブギーポップを追って上を目指していた咲子は、帰り際のブギーポップと出会う。
また会えるかと尋ねる咲子に、「僕なんかとは二度と会わない方がいいのさ」
「さっき言ってたわよね、"この世界は正しいだけじゃない"とかなんとか....
 でも私自信はろくでなしだけど、世の中の真ん中には"いいこと"があって欲しいと思う、
 それはあんたの考えとは違うんでしょう?だったら.....私はあなたの敵になるかもしれない...」

  「死神なんか恐くない、と?」   「そうよ!ちっとも恐くないわ!」

そして咲子は珍しいもの、滅多にないものを見た、ブギーポップが一瞬微笑むのを....

pm5:06
ビル内に入ってきた竹田と会った敬、明るく話して彼を見送る、やっと彼女の 長い失恋が終わったのだ。

pm5:09
一段落して凪に電話をかける健太郎、結局肝心な事...バレンタインのチョコの件 ...に関してはついに言えなかった。

「わかっちゃいるけど...そう簡単にはうまくいかねよな、やっぱり」
「そいういうものさ」
「そうだな...」

"HeartBreakerU" closed.


main character

羽原健太郎
「それならそうと、最初から教えてくれれば役にたてたのによ」
お調子者かと思いきや、意外な活躍をする妙なキャラ。
凪に惚れてるのでカッコイイ所を見せたいが為らしいが.....
「苔の一念、岩をも通す」....頑張って下さい...


寺月恭一郎
「君は可能性だ、それがどんなものであるか、私には創造もつかない」
統和機構に属する人造人間。忠誠心とかは無いようだ。
経済的に巨大な力を持ちすぎた故に処分されてしまう。
洒落と粋を心得た好人物だったと思われる

しかし....統和機構って忠誠もってる奴いないねぇ...大丈夫かよ....


橋坂真
「はは!ちくしょう、ホントに勝ちやがった!」
母親につれられてイベントに参加していた少年
ゾーラギは彼の心を介して実体化しようとしていたらしいが、
ブギーの活躍で事なきを得たようだ....子供の想像力あなどりがたし。

橋坂静香
「何もかも投げ出したいわ、私、ズーッと馬鹿みたいで 」
真の母親、かって恭一郎の愛人だった。
恭一郎には子を残す能力は無いので、真は別の男との子という事にもなる
自分の家族にたいして色々と不満があるらしい

道元咲子
「それでさ、あやまりたくて仕方なかったんだけど、でも....」
嫌な感じの生意気なキャラとして登場するが、
思い出に浸ったり、泣いたり怒ったり、ブギーと語ったりで
好感度を急上昇させる、今回の影の主役キャラクター

ブギーの笑顔を見たのはシリーズ中でもこの方だけ

新刻敬
「他人のことを気にする前に、自分の事を何とかしなさい」
外見に似合わず(もしくは反作用で)その芯の強さは相変わらず
マンティコアに続いて歪曲王にもピシャリと決めた!!
これだけの方でも失恋となるとズルズルと引っぱてしまうものです

田中志郎
「酔狂ですか、いいえて妙ですね」
真面目な人だからこそ、悩んでいたのかも知れません
少なくとも"紙木城直子"のいった「大物の器」は証明されました
このキャラってあんまたってない気がする.....

霧間凪
「悪いとは思ってないよ、あんたが半端だったのさ」
今回、出番殆ど無し。
さすがの"炎の魔女"も出番がなければどうしようも無いだろう。

宮下藤花
「あたしたちが初めて会った場所、ていうのは?」
ブギーが出るから出ていますが、特になし
頭に怪我をしたままデートにいったかどうかも不明

竹田啓司
「み、宮下...おまえ何でここに」
たぶんこれからも心労が絶えない人
意外と尻にしかれやすいタイプ、意外でもないか

ブギーポップ
「その時は、僕も君に容赦しないと約束しよう」
「パンドラ」では出番が少なかったので、
今回はうさを晴らすかの様に活躍、セリフも熱い


歪曲王
「どうすれば人の心の歪みを癒す事ができるのか」
人の心に隠された歪みを引き出し、その一部を拡大する力<がある
よくよく考えれば、あまり悪い事してない人(?)

ゾーラギ
橋坂真の思い描く父親のイメージから産まれた(通って来た?)怪獣


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