ジェイムス・P・ホーガン #01
『星を継ぐもの』 |
ジェイムス・P・ホーガン/ 池央耿訳 | 東京創元社 | 1980/5 | ♪:☆☆☆★★★ |
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『INHERIT THE STARS』 1977年発行 ---社/アメリカ | ||||
作品紹介 | プロジェクト"チャーリー" | |||
月面で発見された真紅の宇宙服をまとった死体。
・・・驚くべきことに、死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。
ほとんど現代人と同じ生物であるにもかかわらず、5万年以上も前に死んでいたのだ。 "チャーリー"と名づけられた、その謎の死体は、人類の世紀の謎となり、世界の様々な分野の最高の科学者の手によって 少しずつ、5万年前の太陽系であった何かを明らかにしていく。 〜だいたい巻頭より、抜粋して編集。 | ||||
感想 | 地球の友人 | |||
SFにあまり縁がない、さらに古典(何処から古典というかはともかく)はタイトルさえも妖しい自分ですが、
この作品の存在自体は10年以上前から知っていました。何故ならば『不思議の海のナディア』という個人的にかなり好きなアニメの
最終話のタイトルが『星を継ぐもの』で、この作品の監督の庵野さんが、SF名作のタイトルを好んで自分の作品に付けているというのは、
結構有名な話だったから。※ナディアと本作品は全然似てません。 此度、街をうろうろとしていたらば、たまたま偶然、この小説が目に入り、なんとなく気分的にもアリだったので読んでみたらば。 いや〜面白いです。理屈嫌いな人は駄目でしょうが、自分は好きですから。 読んでいて色々と謎?も提出され、最後には綺麗にそれが収まるような構成です。 読んでいる最中、30年前の作品ということで「ふふふ・・・現代人の知恵、ゲームと漫画で育った世代の力を見せてくれるわ!} と気合をいれ、それなりに「これはやっぱりそうか」「だよな」などといった部分もあるのですが、物語の核。 最大のポイントには・・・気がつかなかった。あたりまえすぎて。世代とか知識とか年齢とかどーではなく、 大袈裟にいえば天啓、ですね。物語の中で誘導されてるような部分も感じないし、むしろ事実を客観的に説明しているのに、 気がつかない。生まれた時から、ずっとここで暮らしているとね。 作品の感想とはいえないかも知れませんが、読後に「それにしても・・・一度でいいから。長くは耐えられないだろうから。 別になにもなくてもいいから。ただなんとなく。ばくぜんと。地球の外にいってみたいよなあ・・・一つの生命として」とか思う作品。 行けないことはないだろうでしょうが。フォン=ブラウンやシュリーマンじゃないけど、リアリズムとロマンチィシズム の共有は、出来ない人にはできないと思う。はした金を貯めて、何時かある宇宙旅行まで待つってのも何だしな。 ・・・何時か、月から地球を見ながら、日本酒と煙草と肴に囲まれて「人類はここまで来ました」なんてアホなことで御満悦になって、 翌日二日酔いに悩まされるような誰かがいる日が来るのかなぁ・・・などと、全然感想にならないようなことを思った。 | ||||
感想(ネタバレ) | コリエル | |||
「月という衛星は、何時から其処にあるのか?」 せいかくな呼称は知らんですが「分裂説」「捕獲説」「双子説」「衝突説」があって、私的な勘(思考ではない)では、 「双子説」「分裂説」はピンときません。ただ単にシュチュエーションが嫌いというだけですが。 私的には「捕獲説」がHITしていたのですが、あくまでも宇宙の何処からか来た月が・・・と思っていたので、あれ ほどのヒントを与えられても、最後までピンと来なかった。物語の中の人物に、きちんと感情移入できた、って点ではいいことですけど。 そして、ダンチェッカーとハント。この二人の科学者の関係も物語の大きな味です。 真面目だけどいや〜な奴!という印象しか受けなかったダンチェッカーが、 発見された魚が地球の生物ではないとあっさりと認め、自ら発表した辺りで、そもそも彼は、気難しい人間ではありそうだけど、 自分の主張が正当ならば主張し、間違っているなら訂正する、そういう人間なんだな。と印象や好き嫌いではなく人物として捉える事 ができた。本当に、これはこうじゃくちゃならない、と思っていたのは、読者の自分だったのかも。 | ||||
KeyWord:ヴィクター・ハント | 原子物理学者 | |||
「敢えて言わせていただくなら、あなたの態度は少々狭量にすぎます。 それでは問題を正確に分析し、結果を正当に評価し難いのではありませんか。 あなたはすでに最終的な結論はこうでなくてはならない、という考えに凝り固まっているようですね」 | ||||
KeyWord:クリスチャン・ダンチェッカー | 生物学者 | |||
「・・・最後の生存者たちの気持ちがどんなものだったか、きみたち、想像できるかね。 周囲には生命と呼べるものは何一つない。彼らの知る限り、その時宇宙で生きているのは自分たちだけだったのだよ」 |
『』 |
/ 訳 | / | ♪:☆☆☆★★★ | |
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↑原題:『』 年発行 / | ||||
作品紹介 | ||||
感想 | ||||
感想(ネタバレ) | そしてカレルレンは、我々の<太陽>に背を向ける | |||
KeyWord: | ||||
「」 |