#覆面作家シリーズ


『覆面作家は二人いる』 北村薫 角川書店 1991/11 ♪:☆☆☆★
作品紹介 新人作家は覆面作家
編集者・岡部良介が担当する事になった、新人・新妻千秋。
家では楚々な深窓のお嬢様だが、 一歩外に出るとボーイッシュな出で立ちで、大男を投げ飛ばす究極の外弁慶。 不思議な彼女との暖かい物語。

『覆面作家のクリスマス』 『眠る覆面作家』 『覆面作家は二人いる』の三篇を収録。
感想 読みやすさと暖かさ
一応ミステリなんですが、殺伐とした感じなどがないです。 そんな作品が多い北村さんの本らしく、とても読みやすく暖かいです。言葉の駆け引きや遊びなんかも好きです。
どちらかといえば初読よりも、時間を置いてから二度目に読んだ時に、 より好きになる.....そういう本です、北村さんの作品は....。
KeyWord:新妻千秋 深窓のお嬢様
「知識を結べつけるのが、頭の働きではないでしょうか?」
KeyWord:新妻千秋 護身術∞段(笑)
「なあ、リョースケ。才能のあるなしってのは、残酷なもんだなあ」



『覆面作家の愛の歌』 北村薫 角川書店 1995/9 ♪:☆☆☆★
作品紹介 短編三篇を収録
ある時は奥ゆかしき令嬢、ある時はボーイッシュな武骨漢(笑)
そんな不思議な名探偵?の正体は.....謎の(でもない)覆面作家。

単行本「トリコロール」も無事出版された覆面先生を巡る三つの事件。
『覆面作家のお茶の会』 『覆面作家と溶ける男』 『覆面作家の愛の歌』の三篇を収録。
感想 覆面作家の秘密
表題作『覆面作家の愛の歌』では、謎につつまれた千秋さん自身や、両親についても語られています。 『覆面作家は二人いる』で執事の赤沼が「千秋さんが私を倒したのは....」と 喜んで話していましたが、今回の話しを読んで納得ですね。
KeyWord:新妻千秋 名言多いなぁ...
「B5にしろ、文庫にしろ、ハードカバーにしろ長方形。
 書く物、作る者、読む者、皆な、紙の四角が繋ぐんだね。
 海の向こうとこちらに分かれても、間で泡だつ波や不機嫌な雲、
 それからきまぐれな風がいっくら騒いだって、本を手にしたら、いつだってあの人に会える。
 本を作る仕事って、そういうものなんだね」

「信念のためなら死ねる、そいつは分かるな。
 けど、信念のためなら殺せる、となったら、あたしには分からない。
 でもさあ、主義主張のために殺される人って、
 世界に数限りなくいたし、いるし、これからもいるわけだろう。
 他人の胸の中にある秤にかけられてさ。
 だとしたら、そんな働きのある頭や心なんてものが、どうしてこの世にあっていいんだろう」

「グラスが可哀想じゃないか」



『覆面作家の夢の家』 北村薫 角川書店 1997/1 ♪:☆☆☆★
作品紹介 夢の家
優介は静さんと、めでたく結婚。
千秋さんと、良介の不思議な関係は....。

『覆面作家と謎の写真』『覆面作家、目白を呼ぶ』 『覆面作家の夢の家』を収録。
KeyWord:岡部兄弟 だから、そんな事を警視庁で聞くなよ
「捜査一課で聞いたところ、
 恵比寿ガーデンプレイスの何とかいうホテルでやるのが、お・洒・落らしい」
「お・洒・落と、区切って言ったのか」
「ああ、人差し指を立てて小首をかしげながらな。
 ただし、その情報源が一課の誰かは捜査上の秘密だ」

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