北村薫さん #01
『冬のオペラ』 | 北村薫 | 創元社 | 1991/2 | ♪:☆☆☆ |
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作品紹介 | 連作短編三篇 | |||
名探偵・巫(かんなぎ)弓彦、人知を越えた難事件を即解決。身元調査など、一般の探偵業は一切行いません。 わたし姫宮あゆみが働く不動産屋さんの二階に「名探偵」が事務所を開いた。 名探偵にふさわしい事件が来るまではアルバイトで生活をたてるという。 真実がみえてしまいそこから目を逸らさない彼と、その記録者を志願したわたし、 東京で、冬の京都で二人が遭遇した三つの哀しい事件。〜ノベルズ版より抜粋 『三角の水』・・・名探偵との出会い。最初の事件。「名探偵」であるという現実。 『欄と韋駄天』・・・欄と椿と桜のお話。足疾鬼と韋駄天。 『冬のオペラ』・・・名探偵と殺人事件。 | ||||
感想 | 職業・名探偵 | |||
各所から要所まで、名探偵ということについて考えされれた本。 内容はそんな感じではない部分が多いのですが、わたしはこの辺りにかなり思考をもっていかれた。 多くの名探偵が変人だったり、悪人ではないにしろ人間性に問題があったり(稀に悪人)する。 この部分を埋めるために多くの名探偵がいわゆるワトソン役を持つ。 別に助手じゃなくても、ライバルでもなんでもいい。 名探偵の近くにいて、一般常識をもっていて意識するかしないかはともかく、 運命の糸か若しくは名探偵の魔力に絡め取られて自然に、不自然でも構わないから 行動をともにする・・・それがワトソン。 この本には、そんな戒律に関する皮肉....ではないな、北村さんの作品に「皮肉」という単語はあわない。 オマージュも合わない。モチロン、問題提起などという堅苦しい言葉もあわない。 こういった「職業・名探偵」に関する率直な疑問をぶつけた作品は多いですが (東野圭吾『名探偵の掟』なんかも、そうだけど、これはあまり好きではない) 一番読んでいて自然を感じた作品です。こういった名探偵が何処かにいれば。 街の何処かに。と思いました。 名探偵と出会えた姫宮あゆみが少し羨ましくさえある・・・しかし姫宮あゆみって凄い名前だ(笑) 尚、この感想はあまり作品の感想になってません、何時もだけど。 | ||||
KeyWord:『名探偵』 | 名探偵って・・・何だろうか、とか。 | |||
「名探偵の偏差値なんてないでしょうし、大学の名探偵学部を優秀な成績でお出になった・・・なんてこともありませんよね」 「そんなものがあったら、信じますか。あなたは、御自身、そんなものを信じない方でしょう」 |
『盤上の敵』 | 北村薫 | 講談社 | 1999/9 | ♪:☆☆☆ |
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作品紹介 | 白と黒の、キングとクゥイーン | |||
立てこもり事件。猟銃を持った男、黒のキング。 虜囚となった妻、白のクゥイーン。 私は白のキング。盤上で敵を追い詰めなければ・・・・そして黒のクゥイーン。 | ||||
感想(ネタバレ) | 何かを壊したくて | |||
率直にいうと、この本は、読む前からおおまかなストーリーを知っていたので、
きちんとした感想は書けません。 よく聞いた評判どおりの本だと思う。悪い意味ではないです。 私自身は、友貴子の独白?のような部分ばかりに興味がいってしまいました。 ミステリ的にはあんまり.......という印象。というか、この本はミステリじゃありませんよね、たぶん。 北村薫さん独特の文章の流れ、優しさに溢れた女性的なタッチで(だと思ってる) 描かれる「悪意」。......黒のキング石割強治、そして黒のクゥイーン兵頭三季。 彼らの心情は語られないのに、確固として存在する二つの意志。....... この辺り、多くのミステリで描かれている「理由なき悪意」ですが、 改めて北村さんの作品でみると異質さと恐怖を感じます....。 | ||||
KeyWord:『心』 | 白のクゥイーンの独白から | |||
「心って、体っていう殻の中に入っているものでしょう。出してみせられるものじゃない。 私の心は、ここにあるし、あなたの心はそちらにある。 ........あなたの心はあなたの殻の中にある。それは事実だし、当然のことです。 人の心には、誰だって踏みこめない。 全部のページが、濡れてくっついてしまった本みたいなものですよね。 仮に<<愛してます>>とタイトルに書いてあったって、中味がそうかどうかは誰にも分からない。 無理に剥がして読もうとしたら、本は壊れて滅茶苦茶になってしまう」 |
『』 | 北村薫 | 社 | / | ♪:☆☆ |
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作品紹介 | ||||
感想 | ||||
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