#「・・・・ない」
緒方雅男と島崎俊夫、学生コンビの事件簿


『今夜は眠れない』 宮部みゆき 中央公論社 1992/2 ♪:☆☆☆★
作品紹介 Heartache Tonight
「貴方の母親には命を助けてもらった....」 そう遺言を受け、 血縁でもない人から、何億もの遺産を受取った家族を巡る物語。
父は母を疑い、マスコミも世間も騒ぎ、自分は環境の変化に戸惑う。

事実の裏に見え隠れする、表面だけでは見えない隠された真実とは?
感想 「大人になったら、小さな男の子になりたい。」
『今夜は眠れない』も『夢にも思わない』も、事件簿という言い方は適切じゃないかもしれません。 中学生コンビの日常で起こった事件を巡る人々の思いを、 子供と大人の真中にいる、二人の視線を通して語る物語でしょう。
子供口調のような文章になったり、本当に子供の頃使った(今でも使うけど) 例えが出て来たり、読みやすく暖かく、読んでいて懐かしい思いもする、そんな作品です。 このシリーズ、もっと読みたいです(^^;
感想(ネタバレ) 博打
一種の狂言なんですけど、素直に納得できシコリの残らないストーリー。 こういう物語を子供の頃に読みたかったなぁ.....と、何故か思いました。
悪人の出てこない物語で、読みやすく量も適当で、お子様にも安心だし....。
KeyWord:島崎俊夫 一学年のアレン・ダレス
「子供はみんな、時代の子だよ」 「ああいう"家庭"のつくり方も、あるんだな」

「オレはロリコンじゃない」
KeyWord:マダム・アクアリウム 謎の女性
「どんな親にも、生涯子供に話すことのできない秘密が、ひとつくらいはあるものなの」



『夢にも思わない』 宮部みゆき 中央公論社 1995/4 ♪:☆☆☆★★
作品紹介 ぐっすり眠れないね(^^;
『今夜は眠れない』の緒方雅男が、また登場する物語。
以前の喧騒も収まり、心の傷も癒え、やっと普通の生活を送る雅男。 親友・島崎ともあいかわらずな日常に中で、気になる女の子もいれば、それなりに気を引く努力もする。

そして突然の殺人事件に巻き込まれる、運の悪いのか良いのか判らない主人公。

好きになった子、親友との間に感じた溝、戸惑いながらも今は廻りを見ずに歩く主人公。
親友が誰に見せるとも無く一瞬浮かべた、悲しげな表情の本当の意味は?
誰もが昔に想っていたけど、何時か気づく『夢にもおもわない』現実。
それを宮部みゆきさんの手で描いた傑作。
感想(ネタバレ)
事件の謎とかよりも、日常生活的なものや、友人たちとのやりとり、雅男の浮かれっぷり(笑)が楽しいです。 雅男のお相手のクドウさん、雅男曰く「とっても大人しくて目立たなくて、 大勢の女子の中に混じっていると殆どいるかいないかわからないくらいなのだけれど、 席替えで実は隣どうしになってみると、これが実はとっても綺麗な娘で、 地味にしてるからわかりずらいけど顔立ちも整っていて、右目がほんの少し斜視のところが また可愛くて、よく知り合ってみると頭もよくて話も面白くて性格もよくって・・・(略)」 浮かれ過ぎだ(笑)

クドウさんは普通の娘ですよね、責めようなんて思う方が変だとも思います。
とはいえ雅男の気持ちもわからないではない....雅男が恋に恋したお話でした....
あーこのシリーズの続きを見たいなぁ....あの真珠を手に入れるまで(謎)
KeyWord:島崎俊夫 探偵役、でも脇役
「オレたちが知らないだけで。知らなくて幸せなだけで」
KeyWord:緒方雅男 助手役、でも主役
「考えてはみる。でも、それは事実を全部知ってからのことだよ」

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