森奈津子さん #02
『西城秀樹のおかげです』 森奈津子 イースト
・プレス
2000/6 ♪:☆☆☆★★
作品紹介 笑いとエロス
「児童文学から官能小説まで」
....子供向文学と恥美小説を同時進行させる困った鬼災・森奈津子さんの珠玉、って玉が二つかさなってるんですね。 金字塔、って金がそびえたってるんですね。などと意識をドロップアウトさせるような一冊。

.....内容は、恋あり愛あるが性欲がらみで、何故かレズとゲイ。
貴品に欠けるが、人の情が涙を誘い。シモねたばかりだが笑顔を導く。
SF的要素もあるのだが、科学の力はセクサロイドだのバ○ブだのにしか使われず。
.....少し誉めすぎました、バカ本の決定版。電車で読めねぇ。

表題作を含む七篇を収録。
『西城秀樹のおかげです』....人類最後の二人は、レズでマゾな女とドラッグクイーンだった。
『哀愁の女主人、情熱の女奴隷』....森さんの名を高めた迷作。
『天国発ゴミ箱行き』....森奈津子というある女流作家の自伝(違います)
『悶絶!バナナワニ園!』....しかし、バナナワニ園ってなんだろうね。
『地球娘による地球外クッキング』....食欲と性欲をテーマにしたけつ作。
『テーブル物語』....女性ならではの視点から、ってなんで俺こんなことしてんだろ....
『エロチカ79』....「ああ、後生ですから....っ!」お母さんごめんなさい。息子はバカが好きです。 息子っつてもねー(略)

ああ、森さん、この本は凄すぎます、面白すぎます、バカバカしすぎます、病みつきになります、
あっ、あっ、もう堪忍してくださいっ、後生ですから...っ!

〜帯紹介文より・瀬名英明さんに乾杯....
感想 太陽は夜も輝く
.......心に太陽を持ちたい。そう思っていた。
暑苦しく自己を主張するような、ギラギラした夏の太陽ではない。
動けば暖かくなれる寒さの中の、朧のような雲間の太陽を。
.....きっと誰もが一度は思ったことに違いない。
日々現実に負われる中、時に雲間に隠れても構わないから、 時々自分を照らしてくれれば、また隠れてしまっても構わないから.....。
.....私の太陽はこんな筈では無かった、と思う。月でも捜しに行くかね......

私はガラスのように繊細なプラスチックです。ぐにゃぐにゃしています。 電子レンジ使用時には蓋をおとりください。ああ、後生ですから......。 ※この感想はフィクションです。
感想(バカ) 哀愁のさい、情熱の秕
いやなんかさいきんおもうんですけど、自分って結構変人なんでしょうか.......
はぁ....誤解されてしまってるよ.....面白がって深めてるのも自分なんですが......
確かにエロネタ大好きだけど、エロくないよ.....
萌えるけど、純粋だよ......
ロ○じゃなくって、少女趣味というかなんというか、ナクシタ麦わら帽子を探しているだけだよ...
神社の君の草色のワンピースをゲッタガチューだ!(謎)

.........うぐぅ........マジで人生を考えなおそうかな....情に薄いとか、冷たいとか言われる自分 (こんなに@HOMEなのに!)に、24時間萌える力があるなんて知らなかったよ...... まだわけーしな......でもなぁ....う〜ん困った困った(こういう時は困っていない)
人生一萌っていうしなー(いいません)出会い萌あれば、別れ萌えありともいうしなー(ません)。 肌香....じゃない、裸足の賢人・アルキメデス(全然違います)は 「老成して晩年に、萌えをはじめて理解できた」って言うしなー。 そうかーだから、公園のお年よりの目は、象さんの目みたいに優しいのかーなるほど.....

って全然感想じゃないなーまー森奈津子さんの本にはこんな感想もよく似合うね☆
明るく病んでー!って感じか(違)
〜お気に入り三作品〜

『哀愁の女主人、情熱の女奴隷』 やる気のハンナと時子の悲鳴
孤独を愛する普通人・時子は、 兄夫妻の事故死により彼らの一人娘・絵美里の保護者となり、 さらに人間の心を持つアンドロイド・ハンナの廃棄処分を憐れんで、 彼女を相続することにしたのだった。が.......
.......ハンナは、家事も確かにこなすのだが、それは「メイドプレイ(謎)」の一環であり 正確にはセクサロイド(性行為を対象にしたアンドロイド)だった.......
やる気(謎)のありすぎるハンナに、時子はボケとツッコミで対抗する(違)
感想 ボケとツッコミ
森さんの名を広めた名作ですね。ハンナは森さんのHPの番人にもなっていますし。 コンビニで『SFバカ本』を立読みかましていた時にこの作品と出会いました。 いや笑いました.......ツボにはまる、波長が合う、琴線にふれる、そういった出会の一つでした。 まあ出会ってしまったものは仕方ないので感想かいてます。 さすがにこの短編は忘れてないなーみじかいしな。
KeyWord:時子 子供は大嫌い、他人を慰めるのも苦手
「そういう性欲をともなう愛じゃないっ。
 その人を愛しいと思う、ただそれだけのシンプルな愛だっ。それをお前は知っているのかっ?」

「だいたい兄さんがバカだったんだっ。心を持つアンドロイドをこんな風に扱って.....。
 まともな人間のやることじゃないっ」
KeyWord:ハンナ セクサロイド
「苦痛イコール快感という、このアンチテーゼさえあれば、なにもこわくはございません」
KeyWord:『ハンナVs.時子 〜PartT』 森作品で人気投票やったらば....
「そうですわ!わたしのオナニー、ご覧になりません?」
「いきなり明るい声で言うなぁっ!」
「もし、よろしかったら、わたくし、自慰行為をお見せすることもできますが.....」
「恥じらいながら言えばいいてわけでもないだろうがっ!」
「では、これより自慰行為をいたします」
「断固たる口調で言うなっ!
 言い方を変えろって言ってるわけじゃねんだよ!言うなってんだよ!」
「....わかりました。『不言実行』でございますね」
「実行もするあぁっ!」
KeyWord:『ハンナVs.時子 〜PartU』 ....いや俺は黒沼幻花にいれるね
「はい。わたくしはセクサロイドでございます。
 苦痛によってもエクスタシーに達することが出来なくて、どうしますか。
 それに、自慢ではございませんが、わたくし、0.1秒で濡れますの」
「たしかに、自慢じゃないな、それは」

『天国発ゴミ箱行き』 自虐的です、さすがマゾ界転生の著者
死んでのち、めでたく天国行きとなりました。
さてさてさっそく生まれ変わることになったのですが、 三人の中から選ばせてくれるそうです。親切ですね、さすが天国の名は伊達じゃない。
一人目はミステリ作家・大城千代子。二人目は純文学作家・藤島優二郎。 悪くないですねぇ...どちらに転生するか悩む所だ。
さて三人目は1966年12/23東京に生まれるという森奈津子という女性です.......
感想 そういえば
「作家とは自らを削って売るような商売だ」ってのを聞いたことありますが、まさにそうなんですね....。 仮にフィクションだとしても、感動しました。いえ本当は感動なんて全然してませんが。
森さんのお力で「ピンク○ーター」問題の件をなんとかしてもらえないでしょうか..... 私は常々思っているのです、グリーンが一番色彩的に合うのではないか?と........ 赤系統の色に同系統の色をぶつけるなんてナンセンスというかなんというか、 私には理解できないのです。私の手持ちに(略)....と私の友人が言っておりました。
KeyWord:『森奈○子』 会う人会う人に聞かれるンだろうなぁ・・・
「本当は、彼女はセックスしたくてしたくてたまらないのに、それをわざとがまんしているのだ。
 そして、マゾヒスティックな快感を極めようとしているのだよ。これぞ究極の自家発電!」
「どうでもいいけど、そんなことしてたら、処女膜が再生しませんか?」
「その心配はない。彼女にはバイブレーターの「原田君」と「松島君」がついているからな」

『地球娘による地球外クッキング』 食欲と性欲と知識欲
SFオタクの里沙、レズの吉田、変態味覚の美花子の三人は共同生活を行っていた。
SFな物語なので、そこにUFOが墜落してくる.....脈絡はない。
美花子は、宇宙人を食べたいとのたまい、所有権を主張する吉田はかわりに美加子の肉体を要求し、 SFオタクの里沙の意見は次々と却下される。
感想 なんかアホなことしか書いてないな
これもかなり笑えると思うのですが.....美花子が特におもしろい。またなんか変わったもの食って欲しい。 彼女のような人種がナマコなどを「料理」まで昇華させてきたのでしょう。

しかしSFオタクとかいってる里沙ですが、『夏への扉』を読むのは2回目って... SFは特別好きでも嫌いでもない私でも2回は読んでるぞ。 ロ○系の隠れたバイブルでもあるしな。
KeyWord:里沙 SFオタク。○Mオタクじゃなくてよかった
「宇宙人の死体は、天ぷらにしてはいけない!あれはやっぱり、解剖して色々調べるもの!」
KeyWord:吉田 吉田って名前はレズっぽいすな
「爪切りはー、レズピアン・プレイのエチケットー」
KeyWord:美花子 なんでも食う美女....イメージ難しい
「以前から、宇宙人の死体というとすぐに解剖したがるアメリカ人を、わたしは軽蔑しておりました。
 なぜ、彼らは、せっかくの宇宙人の肉を食べようとしないのでしょう?
 あの愚民どもの貧困なイマジネーションには憤りを感じるばかりです」

「そう。カニバリズムは、いわばリサイクル。人肉は地球にやさしい食材です」

備考 バカ本について
「笑える小説」ってのは少ない。漫画やTVなんかと比べても仕方ないけど、少ない。
合間に笑う場面や失笑ってのは、多々あるけども「笑い」をメインに書いてある本ってのは少ない .....と思う、たぶん。
一般的に『銀行は死体だらけ』『パルプ』なんかは、バカミスの金字塔で、多いに笑ええる といわれてるらしいんですが、後者は多少(多少です)笑えるけど、 全然ギャグじゃないと思う。バカだけど。 そして、バカ本は長編だとつかれる.....なんせバカなこと書いてあるのだから。
漫画でも、ギャグの多くは短編だったり、四コマだったりするし、 TVでも笑いの王道は、ショートだと思うし。

.....と前置きが長いけど、そんなバカ本情勢の中、これは一番好きな作品です。 ちょっと感動もしますし、いやしないか......でもしたかも.....多少、あくまでも多少。
「短編が苦手」と叫ぶ自分には珍しく何度も読む本。バカはバカ本を好む也。

物語重視の作品の場合、どうしても世界観をつかむのに時間がかかるたちなんで短編は駄目なんですね... 一度掴めば後はながらでテキトウに10ページづつでも読んでいけるんだけども。

失礼かも知れませんが、他、笑える本に東○圭○さんのエッセイ集がある...... やっぱ笑いは短編か〜東○は万引きで、宮○は放火か〜○部さんの勝ち〜(謎)

書籍ぺーじTopへ

戻ります