#Vシリーズ・01
『黒猫の三角』 森博嗣 講談社 1999/5 ♪:☆☆☆
作品紹介 Delta in the Darkness
野放しの不思議が集まる無法地帯・アパート阿漕荘。
保呂草潤平探偵は、連続殺人犯からのガードを依頼され、 同じ阿漕荘の住人、小鳥遊練無(たかなしねりな)・香具山紫子(かぐやまむらさきこ) に供に依頼人をガードするのだが...。

数字にこだわった奇妙な連続殺人の真相と、密室に秘められた謎とは?
感想 これを感想というのだろうか.....
最近、急ピッチで読んでおります森作品。
やっとこさ新シリーズに突入しました〜、いや私的にはこれ以上は早くよめません。
相変わらず晩酌しながらの「何時でも寝る状態」モードの駄目読書習慣ですが、 頑張っていきまっしょい、って頑張って読書してもしゃーないんで、 てきとーにいきまっしょい。
ちなみにシラフの時も読んでますので、毎回毎回飲んで読書してるわけではありません。

今シリーズのキャラも中々癖のある連中ばかりです。
関西版νラブちゃんともいうべき、紫子(「むらさきこ」って読みずらいので「しこ」って読んでる) や、女装を抜かせば、浜中さんみたいに感じる好人物・小鳥遊。
Vシリーズは、またの名を「瀬在丸紅子シリーズ」というので、 今回の探偵役紅子さんと、その執事(また執事だ(^^;)根来機千瑛。
まーまだシリーズ読んだばかりなんで、あんまわからんです。 先入観もたないように情報もあまりみてません。 恐らく、シリーズ読破後には、このマヌケな感想は改訂されていると思います(笑)
感想(ネタバレと駄文) クロネッカのデルタ
一番妖しい人物が犯人....まったくしてやれました。やられっぱなしですが(笑) まーやられるのが好きでミステリ読んでる人って多いと思うのですが(たぶん) 私もそうなんで「ちきしょー、むふふふふ(謎)」って感じですね、どない感じやねん、と 自分にツッコミをいれておきますが。

この「クロネッカのデルタ」ってのは有名なんですかね?
私が知らないのは当然だとしても、工学部出身(自称)の知人にきいたらば 「あーあったけか」という非常に手応えとやる気の感じられない返答が帰ってきたのですが......
まあ、私が今「方程式って知ってる?」と誰かに聴かれても、 知ってるにしても「あーなんだっけかなぁ...」と濁すと思うので、そんな感じなのか(笑) まあヤツが経歴を詐称してる可能性もあるな。

それにしても、保呂草さん、探偵というより半分便利屋ですよね。
探偵の本質は覗き屋で便利屋だとしても。
日本も米国みたく、探偵をライセンス化すればいいのになー。実際、警察の処理能力はアップアップだと思うし。
日本らしく曖昧な部分満載にしてライセンス化すれば、『探偵』という呼称に魅せられて、低賃金で労働に従事する人たくさんいると思うんだけどなー。 そんなことをふと思った。相変わらず感想というか、思ったことを書いてるだけだな....。
KeyWord:『何故、人を殺してはいけないのか』 例の本読むよか余程わかりやすい
「人間だけが思考し、言語を話し、子孫に歴史情報を伝達し、哲学を構築し、科学を築いた。
 あらゆる芸術を生み、それを美しいと感じ、美しいものを愛した。
  もし、これが人間性だとしたら、意味もなく他の生命を奪う行為は、これと同じ部類に入るものだ、と私は確信している。
  だから、より人間的で、より高尚で、より芸術的で、より純粋な動機といって良いでしょうね。
 ただし、その実行を認めるわけにはいきません。それは、忘れないでね。
 それを高尚といっても良い。美しいと言っても良いわ。
 それなのに、実行だけは、絶対に認められない。何故だかわかる?

・・・答えは簡単よ。 私は自分が殺されたくはないからです。それ以外に理由はないわ。

・・・・勝手でわがままだけど、そうなんだからしかたがないわ。つまり、それだけ、それだけなのよ。
 だから、その、美しいかもしれない殺人を、私は認めるわけにはいかないの。それは私のエゴです。
  私が殺されたくないから、みんなも殺さないで、という自分に都合の良いことを主張しているわけ。
 そのエゴが集まって、社会のルールを作っているだけのことなんだ。これは、正義でもなんでもないわ」
KeyWord:瀬在丸紅子 そうでなくっちゃ(謎)
「皆さん、よろしくて? 誰のためでもなく、何のためでもなく、誰にも願わず、何も祈らず、乾杯!」



『人形式モナリザ』 森博嗣 講談社 1999/9 ♪:☆☆☆
作品紹介 Shape Things Human
避暑地のペンションで一夏をすごすことになった、保ロ草・紅子・練無・紫子の一行は、 「人形の館」とよばれる私設博物館で衆人監視の中起きた殺人事件と毒物混入事件に遭遇する。
驚くべきことに被害者の親族の青年が二年前にも殺されていた。 さらに彼は悪魔崇拝者で今も生きているのだと彼の妻だった者は語るのだが・・・そして博物館に隠されたモナリザ人形の謎とは。
感想(ネタバレ)
謎多き展開の推理舞台には、王道的展開がよく似合う。 ・・・というわけでもないのでしょうが、怪しくないようで一番妖しいあの人が犯人といえば犯人。
同時に怪しいというかマークすべきなのにマークしていなかったあの人が絵画泥棒。案外な展開の中に意外さ満載。

今回人物像として保呂草さんの意外?な履歴も知ることができましたが、 なんといっても紅子と七夏さんの二人が、深刻だというか・・・ふわ〜痴話喧嘩の縺れか疲れる.....などと冷めた目で当初考えながら 読んでいたのですが、決して痴話ではなく一本芯が通った「なにか」を感じる。 その何かが何なのかはよくわかりませんけども。
「林の為なら、息子を殺せる」そう言い切る紅子が、七夏やその娘に感じる感情ってのは・・・複雑なんでしょうね、 語彙も少なければ当事者でもないし、この辺りの心理など、次巻からも楽しみに(というのは不謹慎か)。
KeyWord:瀬在丸紅子 一人言多いすな
「失われることは、悪いことではないのだ。削り取られて、そこに形が現れることだってある。
 万が一にでも、美しい形が生まれることがあれば、尚更だろう」
KeyWord:香具山紫子 むずかしい(はもり)
「一つのために、千を所有し、その一つが不確定なゆえに、千をいかしている、のではないか」



『月は幽咽のデバイス』 森博嗣 講談社 2001/1 ♪:☆☆☆★
作品紹介 The Sound Walks When the Moon Talk
薔薇屋敷・月夜邸と呼ばれる豪邸で、何時ものメンバーがまたもや殺人事件に遭遇する。林刑事も困惑気味だ(笑)
この事件、当然謎にみちているのだが・・・とくに積極的に探偵役をかってでようとするものは、 この連中の中にはいない。とはいえ毎回のことなのだから、免疫と経験ということもあってか、練無や紫子の推理を余所に妖しい 二人辿りつく真相。

そうそう、この屋敷には狼男が住んでいるという、まことアホらしい噂があるそうです、多少証拠つきで。
感想(ネタバレとどうでもいいこと) 模様
「作品紹介」文の書き方をかえました。 今までは、なんつーか「なるたけ内容を正確に(らしい)、あまり意志を交えないで 第三者として」なんてアホなこと考えてたんですが、素面で読んだら全然そうなってないのでふっきりました。

んで、ちゃんと感想もかくっちゅーねん(c)紫子
事件の真相など推理的にはまー納得。いわれてみればありありと現場が想像できる、1箇所を除いて、 これは真相なんでいえないですが。
他にも法律上こんな家をつくっていいのかとかも思うけど。確か地下室とかって今結構五月蝿いような記憶がないような あるような。

何度もあれですが、私は森節が好きで読んでるのであましこういったのは気にならないんですよね。 作家を好きになる時って、ストーリー・展開・内容うんぬん以前に「漠然」とってのあると思うんで。 言葉にすると、会話だとだらだらタレ流すようにまとまった内容はないけど色々で、 文章にするとあれこれ書くうちに脱線する。
私は読んだ本の感想は日記かわりに書いてますので、あまし参考にならないでスイマセン<( )>

PS:でもVシリーズは人間関係とか楽しみにして読んでる側面もあります。 小説の映像化に非常に消極的で懐疑的で、文句をいうのが好きな私ですがこの一連のシリーズは 映像化して欲しいと思ってます。まー無理だが。
KeyWord:瀬在丸紅子 今回よくバカバカ言う、昔は美少女だったろうて(謎)
「自分が不幸だとは思わない。自分は常に最善の道を選択したのだから。今よりも幸せにはなれなかったはず。
 過去のどこを探しても間違いはなかった。どこへ戻っても、きっと同じ道を選ぶだろう。
  ただ一つ、後悔することがあるとすれば、他人を許容しようとおもったこと。
他人を信じたこと。他人を愛したことか.....。後悔・しているのだろうか? わからない。
 後悔って、何のためにするものなのか?そもそも、それがわからない。夢をみるのと同じだろうか。わからない。

 でも、人を好きになった。とにかく、心残りは、それだけだ。
 それは、もう肌に刻まれたものと同じ。その蟠りだけが、余熱のように残る。決して消えることがない」

「私が貴方に嘘をつかないとでも思ってるわけ?ばっかじゃないの」
KeyWord:『豆腐』 大きく頷いたU(Tは北村薫さんのいう片栗粉)
「豆腐というのは不思議な食べ物だな。もう少し剛性の高いものにした方が良かったと思う。
 味もそうだ。もう少し味があっても良さそうなものではないか。この慎ましさというか、中途半端さは、哲学的でさえある」



『夢・出逢い・魔性』 森博嗣 講談社 200/5 ♪:☆☆☆
作品紹介 You May Die in My Show
テレビの女子大生クイズ大会に出場するために(女子大生は一人しかいないが(笑))、上京した紫子、練無、紅子。 と、保呂草らはまたもや事件に遭遇する。
「夢の中の女に殺される」そういってたプロデューサーが銃殺される。銃声は一発、弾痕は二つ。謎の密室。

相変わらずの女装で、美少女大学生として出場する(させられた)小鳥遊練無♂が、 事件の鍵を握ると思われる人気アイドルと二人で駆け落ち?混迷する中、紫子の関西弁が東京に響く。
感想
タイトルのセンスがいいすねー。「夢で逢いましょう」「You May Die in My Show」『夢・出逢い・魔性』う〜ん、カッコイイ。 でも内容はあまり題名とは関係ないような。あ、失敗した。

今回は東京が舞台。といっても地理的な意味で東京を意識したわけではなく、 TV局が舞台なんで、いちおー東京って感じ。在住の利を生かして、今度こそ私の推理が成功するか? と思ってたので多少残念。
仮想都市・那古野は名古屋なんだけど、東京は東京なんですね。

・・・小鳥遊(たかなし)、読み方は知っていたのですが、その読み方の意味を始めてしりました。 「鷹がいないと、小鳥が遊んでいられるから」うーん、漢字って凄いですよね。
私の本名もかなり特殊な読み方をするので、姓名ともに正確に読める人間は一割にも満たないのですが、 意味とかがあるのかも?
今回、物語的にはそれほど楽しめませんでした、正直。 それでも色んなエッセンスがあって楽しめる森作品には、安心して時間を預けられます。 昨日12時間も寝てしまった頭で(+二日酔い)読んだのがいけないのかもしれないけど(^^;
KeyWord:瀬在丸紅子 「ずばずばものをいう」 那古野市在住M子さん・談
「報道というのは、私たちの目や耳を補強してくれている、と思うでしょう?
 そうではなくて、足と頭を動かないようにしているだけなのよ」

「知る事は必ずしも善ではない。
 お互いを理解する行為、そして理解しようとする意志が、あるときは平和を掻き乱し、争いの発端になることだってある」



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