#戯言シリーズ
『クビキリサイクル - 青色サヴァンと戯言遣い 西尾維新 講談社 2002/2 ♪:☆☆☆★★
概要 才能が一つ多い方が、才能が一つ少ないよりも危険である
どうも色々と複雑なものがありそうな謎の語り部、戯言遣い・いーちゃん(通称ぼく)は、 青色の天才・玖渚友(工学の天才、引き篭もり妙テンション娘)と絶海の孤島で暮らす金持ちの元に・・・ そこには其々の分野、占術・科学・絵画・料理、つまるところ5人の天才が招待されていた。
・・・設定だけでも鹿金になりそうな、このヤバさ。

多少救いがあるのは、孤島で暮らす金持ちは爺などではなく、お年頃の令嬢であり、 かつメイド三姉妹三つ子等がいるらしく、飯だけは語り草になる程に美味いのは間違いなし、 ということだろう。
とにかく、このシュチュエーションで事件がおきなければ、それこそ一大事の大事件で一冊の本にする価値があると思うのですが、 勿論事件は起きます。
《島の主人とメイド達》
赤神イリア:島の主人。 // 班田玲:メイド長。 / 千賀あかり:メイド三姉妹長女。 / 千賀ひかり:次女。 / 千賀てる子:三女。
《五人の天才と付添い》
伊吹かなみ:天才画家。 / 園山赤音:天才科学者(七愚人)。 / 姫菜真姫:天才占術師。 / 佐代野弥生:天才料理人。 / 玖渚友:天才技術者。 // 逆木深夜:伊吹かなみの付添人。 《Etc》哀川潤:人類最強の請負人。
感想 ・・・は、天才をどう定義した?
面白いです。竹さんのイラストもぐー(グーはグッドの意味です)

五人の天才・絶海の孤島・令嬢にメイド。
もうあらかじめ警察を待機させ、ワイドショーがはりついていないのが不自然な位の設定を裏切らない内容。
事件あり、謎あり、語りあり、戦闘あり、色恋は不足。そのかしギャグあり。シリーズものとして次回に含ませるもの多々あり。

主人公、語り部《ぼく》にも謎が多く、ついでに率直な意見をいわせてもらえば、この人「嫌な人」です。 それは次回作を読めば益々そう思うような・・・それでも、はたからみてる分には、ね。 森博嗣さんの作品とか、麻耶雄崇さんの如月烏有さんが好きな人にもお勧めっぽい。

事件の謎ともあわせても遜色ない(つーか上まる)、この島のこととか其々の人物の魅力がお楽しみです。

なんか「ER3ってこれから絡んでくるの?」とか、 「玖渚の髪はなんで青いの?ブルーヘキサ?」とか、 「予言は?過去は?」とか。 ミステリなんだけど、いやミステリって何だとかいわれると困るけど、 色んな人が読んで面白い、と思う娯楽小説、だとまさに思う。 本屋さんでも見つけやすい(新書コーナーであのイラストは特徴的だし)だし。
KeyWord:姫菜真姫 天才・占星術師
「テレビ見ているのと同じなんだよね。きみはテレビの内容に干渉できるかな?」
KeyWord:園山赤音 七愚人(ER3)
「苦労をしたことは一度もない」
「ただ、努力はしたがね」

「瞬間?瞬間だって?私は、常にそうだ」
「死ぬるべき時節には死ぬがよく候、だよ。
  私は、園山赤音は、いつ、どこで、誰に、どんな風に、どのような理由で殺されようとも、文句をいうつもりは一切、ない」
KeyWord:10Ager. 戯言遣&玖渚友
「少年はいつも心にナイフを持っているものですよ」
「そして少女がピストルを持っている」



『クビシメロマンチスト - 人間失格・零崎人識 西尾維新 講談社 2002/5/ ♪:☆☆☆★★
概要 愛されなかったということは、生きなかったということと同義である
京都に戻って、私立鹿鳴館大学に通い始めた戯言遣い。
クラスメイト・葵井巫女子とその仲間たちとの時間、連続殺人鬼・零崎人識との時間。

自分を殺そうとした殺人鬼との時間、クラスメイトとの時間・・・。
戯言遣いと触れ合った、殺人鬼と触れ合った戯言遣い。「続きのある結末」は?
《クラスメイト》
葵井巫女子:クラスメイト。 / 江本智恵:クラスメイト。 / 貴宮むいみ:クラスメイト。 / 宇佐美秋春:クラスメイト。
《Etc》
浅野みいこ:隣人 / 鈴無音々:その親友 // 佐々沙咲:刑事 / 斑鳩数一:刑事
零崎人識:殺人鬼 // 玖渚友:青色のサヴァン // 哀川潤:人類最強の請負人
感想 余計なお世話だ。
ここから読んでもOKなお話ではありますが、やはり『クビキリサイクル』から読むべきか。
《ぼく》がアレだから。なんつーか、謎とかではありませんが。
しかし、一つの結論が読者を裏切るのがミステリ体系の一個ならば、 これは裏切るでしょう・・・。「そうなのか」と。

「突発的に誰でもが殺人を起こす可能性を含んでいる、計画と非計画的に」という、 リアルドキュメンタリ的に、そんなことはあるだろうが、自分は違う、と結論つけるような面白くもない話を 顔前にたたきつけられたような。それはそう、絶対だとはいわないけども、 おこりえない。

もし、そうだったらば、誰かの言葉でいうならば、
「そう思った瞬間があるならば、 隣人か若しくは自分の側にいる人間に恐怖しないというならば、あなたは特殊な人間なのだ。 そうでないならば、その逆でしかない」・・・ じゃあ、そのこととそうでないことは、どうすれば・・・というと、どうしようもない暗幕とリハーサルなのだ。きっと。
なんかよくわかんない・・・。妙にひっかかるお話です。
KeyWord:貴宮むいみ その事は、ちゃんと・・・
「パーソナルサークルってあるだろ?その見極めが圧倒的に上手かったんだ」
KeyWord:『さよなら、大好きな人』 kiroroかよ!いや、違うよ。
「しかし、殺さない程度にまで好きだったわけではない。
障害になったら容赦なく殺す。
コロス。
私のために死になさい。」



『クビツリハイスクール - 戯言遣いの弟子 西尾維新 講談社 2002/8 ♪:☆☆☆★★
概要 私が過つと誰でも気づく、私が嘘を付くと誰も気づかない
超お嬢様学校・澄百合学園に監禁だか軟禁、もしくは拘束等されているという依頼人救出の為、 あまたの死地を共にくぐり抜けた(哀川潤・談)という新説を寝起きに展開され有耶無耶に説得納得させられた戯言遣いは、 違和感のない女装で<<戦場・首吊学園>>で肉体労働に勤しむことになる。
つまりエンタメならではの、女装が違和感無くよく似合う、理屈っぽい主人公が女子高に潜入して色々するが、 世間一般の人間が考える色々ではなく、其処は女の園で学園。だがどうもほんとうの戦場であり、友情とか裏切りとか交錯して、 人がどさどさと死んだりもするが、其れを糧に成長したりしないのが長所の主人公の戯言なのだ。
《澄百合学園》
紫木一姫:依頼人。 // 萩原子荻:策士。 / 西条玉藻:闇突。 / 市井遊馬:ジグザグ。 / 檻神ノア:学園理事長。
《Etc》
哀川潤:人類最強の請負人。
感想
戦闘シーン有・謎の組織の暗躍有・あからさまに伏線とわかりまかる部分有・ 今後に期待のキャラ登場(退場)、前シリーズのキャラのものまね有・糸攻撃有.....かやくごはんの内容で、 ミステリ要素はバニラエッセンスです。あるかどうかも不明だがその一滴だけ舐めると(実際バニラエッセンスを舐める)と。
ミステリーとして読む本じゃないと思うのですが、何故か密室本とかになってるので。

単体で見ると「なんかパワー落ちてる」とか思いもしますが、まあ面白いですよ。
キャラと設定を愛することと、単に感情移入とかが楽だという理由で、シリーズ作品好きなので。
戯言遣いと哀川潤、どーも微妙なちぐはぐを感じております。 ジグソーパズルしてて全然気になってもいない部分がいきなりピースが あったのだけど「ここから埋めよう」と思ってる部分が駄目で恐怖の紛失疑惑さえ沸くような。 玖渚でもないような。
生まれてからこの方、数時間しかしたことないジグソーを例えにすればそんな感じで。
KeyWord:紫木一姫
「恩人みたいな感じですかね。
 うふふん、だから姫ちゃんは潤さんの命令ならば死ぬくらいの覚悟ですよ。
いえ、勿論これは潤さんはそんなことを命令しないだろうという信頼の証であって決して死にたいというわけではないですが」
KeyWord: 天才・占星術師
「人類最強の側にいるという想いがぼくを奮い立たせるー
  だけどそれじゃ駄目なんだよ。 ぼくはそんな理由で戦場を逃れたくはない」
KeyWord:復活の言葉 某有名RPG、毎回この言葉で目が覚める
「あーあ。死んでしまうとは何事じゃ」 「大事だ!」



『サイコロジカル - 兔吊木垓輔の戯言殺し
『サイコロジカル - 曳かれ者の小唄
西尾維新 講談社 2002/10 ♪:☆☆☆★
概要 天才の一面は明らかに醜聞を起こし得る才能である
<<害悪細菌>>兔吊木垓輔。 名前だけ聞くとあまりお近づきになりたくないと思わざるをえないこの人物を、 玖渚友と戯言遣いいーちゃんは救出する為に巻に渡って戦い続けるのだ。

それはもう帯に「絶対絶命、戯言遣い!」等と書いてあるが、何処がどう絶対絶命なのだか、 俺に誰か説明してくれ!等と思わざるを得ないのだれども、 過去とたくさんの人物とが錯綜していよいよシリーズものとしての醍醐味も味わえるのだ。
【研究所】
斜道卿一郎:<<堕落三味>> //大垣志人:助手。 / 宇瀬美幸:秘書。
 / 神足雛善:研究局員。 / 根尾古新:研究局員。 / 三好心視:研究局員。 / 春日井春日:研究局員。 / 兔吊木垓輔:<<害悪細菌>>
《Etc》
玖渚友:<<死線の青>> /鈴無音々:保護者。 /ぼく:(語り部) /石丸小唄:大泥棒。 /零崎愛識:侵入者。 /相川潤:請負人。
感想 矛盾回路と屋根裏の秘密
面白いす。全体にどーとかここがあーとかはありますが、 「シリーズものはキャラクターが好きになれるか」ってのが大きいと思うので。 その点からいって戯言遣いシリーズは合格点間違いないし、物語は軽快感を感じながらも満足できるし。

これはミステリらしい(私的には違うと思うのですが)のです。もっともミステリってジャンル自体が ファミリーレストラン的な扱いになっているので、一つ思うに「トリック的にはばかばかしい程、楽しい」とかも。
ジグソーパズルなんて、自分で組み立てる気には到底なれないが、完成系を見るのは嫌いじゃない・・・ってのが一般的な見解だと思うので、 無茶してよーがなんだろーが、出来上がった絵が綺麗ならばいいよ。 もっとも自分で組み立てることができれば過程も大事になるけども。 ※ジグソーパズル経験は人生で数時間しかないので、これは「たぶん」という前提です。空想かつ妄想。

玖渚の旧友一覧リスト(笑)とかもでてるけど、こいつらが全員出てくる迄、ちゃんとお話が続いていると嬉しいな、 零崎一族とかもいるし。
「一般人が全く登場しない。現実性にかける。子供向け」とか文句をいう人もいるらしいのですが、 物語中に一般人は存在しなだろ。生姜焼きの嫌いな奴はしょうが焼き定食を注文するな、と思うね。
みてください、Byシャクティつーわけよ。
KeyWord:鈴無音々 なにゆえにチャイナドレスなのか。否チャイナドレスだろう。
「あたり前のことを言わせないで欲しいわね」
「美少女の価値はあらゆる他の価値観を駆逐するのよ。
 高潔だの正義だの愉悦だの憐憫だの道だの徳だの仁だの愛だの、 そんな有象無象の価値基準は美少女の前では塵屑同然だわよ」
KeyWord:
「人間の間でコンピューターは栄えたという説もあるな。
 コンピューターの操作という行為は人間の中にある《自分よりも優れた存在を足元に引き摺り下ろしたい》
  というひそやかな欲望をみたしてくれるからね」
KeyWord:
「鏡に映らない相手との込みニュケーションなんてできるはずがないのさ」



『 - 西尾維新 講談社 / ♪:
概要

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感想
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