#神麻嗣子の超能力事件簿シリーズ

超能力を使った犯罪を取り締まる超能力問題秘密対策委員会(略してチョーモンイン)。
この謎だらけの組織の実態は未だあきらかになっていないが、複雑らしい。

見習出張相談員・神麻嗣子は、売れないミステリ作家・保科匡雄。 警視庁の女刑事・能解匡雄と出会う。
短い月日で親睦を深める彼らに、匡雄(保科の方)の、元妻・遅塚聡子もくわわる。
・・・他にも『夢幻巡礼』だ絡む人とかたくさんいて、謎が多いがHappyEndを目指して頑張っているらしい。

尚、神麻嗣子は年齢不肖、見た目中学生のおさげ美少女ながら、家事全般(特に料理はプロ顔負け)で、何故か今時袴スタイルで大正ロマン。
恋愛については事あることに家言を述べ、W匡雄が結ばれて然るべきであり 、それを邪魔する輩は何人たりとも許さない!
・・・という勢ながらも、聡子は愛人OKとか不明なことも時々いうので物語最大の謎である。



『幻惑密室』 西澤保彦 講談社 1998/1 ♪:☆☆☆★
作品紹介 ハイヒップ
密室でおこった不可思議な事件。
その現場となった社長宅は時間の流れまでも止まっていた。そう主張する関係者の証言は、ミステリ小説を読みすぎた 人間でも首を捻って飽きれ返るほど。
・・・なのですが、超能力者問題秘密対策委員会主出張相談員:神麻嗣子という、妖しい(笑)人物が現れ・・・。
感想 袴が趣味に合わない(ワラ)
正直にいえば、本作品自体凄く面白かったかといわれれば、そうでもありません(汗)
設定とか物凄く興味あるのですが、変に頭が固い自分には中々馴染めない部分もあって。

水玉蛍之丞の絵と、ちらっと本の紹介をみた時に「なんか、どこかで・・・」と思ったので手に取りました。 ※ちなみに、なんかマガジン関係の増刊雑誌で読みきりで読ませて頂いた『念力密室』(漫画・大田まさのり)が印象的だったからです。 あれは、も一回読みたいな、雑誌捨てて損した感じ。単行本化が難しそうだからオークションにも出せば3000円くらいつ(略)

シリーズ1作目として読むと、違和感感じる部分、多々あるのですが、他を読んでないのでなんともいえないともいえるのかも知れませんが。 シリーズとしてみると非常に魅力的なのですが、単体ではあまりかなぁ....とか思ったりして。
超能力(いい意味で御都合的に)が好きで、ミステリ&コメディ?な作品としてみれば、垂涎ものですが。



『実況中死』 西澤保彦 講談社 1998/3 ♪:☆☆☆★
作品紹介 TELEPATHIC LINK
平凡な主婦は、偶然の事故で時折、ある特定の人物の目と耳を通して物事を見る能力・・・限定テレパシー?
戸惑いながらも、自分をみまった状況に冷静に対処しようとする彼女だったが、 その誰かの目と耳を通して彼女が目撃したものは、殺人行為。そう、彼女とLINKした人物は連続殺人犯。

警察に......でもこんなの信じてもらえない。 マスコミに投書を送っても、荒唐無稽な話な為か、音沙汰なく過ぎる時。
そんな彼女の元に、理知的な雰囲気を感じる女性が現れる。その傍らには袴姿の少女が微笑んでいた....。
感想(あまし関係ないことばかり) ホントにこんな事ありそうに思わせる錯覚
「超能力シリーズ」の設定の楽しさは(ご都合主義ではあるけど)勿論として、今回ミステリっぽい、と思う。
推理ってほどでもないのですが、状況から考えて「あれ?なんだか・・・」と思ったパーツが何個かあって、 そこから導き出される推理もあるのですが、なんせこの作品超能力シリーズなんで・・・思考を操られたかな。 読み終えてやられた〜という心地いい感触ありました(謎)

で、ところで、本作読んでいて何気に思ったのですが、神麻さんって、二人の子供なんじゃない。
理由も何もないです、当然推理でもない。「考えるな、ただ感じろ」と某剣豪も言っていたしよう。
某作家も最終超能力は「時間」であって、でもってこれがまた実はかなり意味がない能力で...とか言うし。 神麻さんの態度には、この説を否定する不自然な部分が多々あるですが、本人知らないってことも考えられるし。 でも本能で二人を応援?とか。マイナス・ゼロみたいな感じでもいいかも。



『念力密室!』 西澤保彦 講談社 1999/1 ♪:☆☆☆★★★
作品紹介と感想に近い何か THE PSYCHO SEALEDS
神麻嗣子・保科匡緒・能解匡御の出逢いをえがく(つまり、ファースト・ストーリー)『念力密室』からはじまり、 時系列は色々ですが(^^;、念力で密室にされた、犯行現場・・・それは密室なのだろうか。もちろん密室です。
・・・珠玉の連作短編5篇を収録
『念力密室』
漫画にもなった(2001/12・現在)『超能力事件簿シリーズ』のファースト・ストーリー。
三人の出会いは、保科匡緒の部屋で、彼の元妻・聡子の関係者が死んでいたという事件。
能解警部に疑われる保科、神麻さんに念動力者だと思われ、死に近い拷問に(謎)・・・。

『死体はベランダに遭難する -念力密室2』
短編とか超能力とか抜きにして、読み応えがある作品。
このシリーズは短編でこそ活きるとも思うけど、この作品は長編にしてもよかったんでは・・・とか思う。

『鍵の抜ける道』
事件そのものよりも、人間関係?日常(超能力とか云々を日常というならば)がいいですね。
事件を通して出会って、その後も事件・・・しかも超能力絡み。それを接点として成り立っている、不思議な三角。

『乳児の告発』
どっちかといえば『匠千暁シリーズ』で表現されてることが多いような、 人間のなんか嫌な、それでいて支えのような西澤さんお得意?の味がする感じ。 しかし・・・能解さんって、かなり不幸な人なんでは・・・。つーか、幸福を享受する事を、悪だと心の何処かで思っている よーな。
そーゆー時って、煙草が、上手いよね。

『鍵の戻る道』
保科の元妻・聡子さんが出てくるお話・・・かと思きや、それ以上。彼女はレギュラー確定!(笑)
なんだか、大分問題あるようなお方なのですが、ある意味で大器。その実態はトラブル・メーカー・・・ になれない、トラブルを好む女?
変な言い方ですが彼女こそ、平凡な生活の中に事件を望む読者の代表。
彼女が望むのは、美味しい朝ご飯だけではない(^^;。
遅塚大介との関係は血かな〜。『実況中死』をご覧あれ。ある意味で変な人だ。

『念力密室F』
わずか数10ページの話。
聡子がみた夢と、目覚めた現実。
・・・その夢は、このシリーズの根幹に関わるような泡沫の一部?
感想に近い
なんか、前の『実況中死』の感想でも、書いたんですが、バレバレなんですね。後書きまでみれば、もっとそれ以上。

でも、そーいうシリーズの流れがわかるのは、この場合全然マイナスになってない、とオモイマス。

短編としてみて、それぞれが読み応えある。なんか説明的で廻りくどいような部分もあるし、感じるのですが、 なんつーか「これって、もっと注目されてもいい作品では?」とか。
ありがちな話として、TVとかで見たいですね。 神麻嗣子(黒川芽以)、保科匡緒(石黒賢(白髪のズラを)、 能解匡御(佐藤藍子(微妙ですが、デカイ眼を、細くして頂いて)・・・ くだらない、CGとか演出抜きで、やってくれれば見てみたい、本当に。
KeyWord:



『夢幻巡礼』 西澤保彦 講談社 1999/9 ♪:☆☆☆★★
作品紹介 POSSESSIVE
奈蔵渉能解匡緒の同僚でもある彼は、影で数々の殺人をくりかえしてきた狂気の男。

10年前、はじめて狂気を自覚し始めた彼が持っていたその種を、育む原因にもなってしまう人達との数奇な出逢い。 ・・・その中には、まだ学生であった能解匡緒も確かに含まれたいた。いた。
感想 サイコ
『神麻シリーズ』の中では異色?ですが、なんでも外伝だそーで。
ある種の王道?的な要素満載で、個人的には「いいすね、サイコっぽくって」の一言。

シリーズに関わるお話でもあるそうですが、基本的には全くの外伝だとか。 う〜ん・・・こっち経由でももっと読みたいなぁ.....。奈蔵って、ハードボイルド的にもサイコ的にも、 その他諸々に対応できそうな、つーか、こういった普通にひん曲がりながらも、アクティブなキャラクターって好きなんですよね(汗)
子供はどーでもいいから、彼と由美のカタストロフィを見届けたいと想うのですが・・・。



『転・送・密・室』 西澤保彦 講談社 2000/12 ♪:☆☆☆★★
概要
『現場有罪証明』
リモートダブル・略してリモダル(実態のない分身みたいなもの)能力を使用した犯罪者のアリバイ証言。

『転・送・密・室』
タイムイレイザー・未来へのみ跳躍可能な限定時間移動能力と密室殺人。

『幻視路』
匡雄の元妻・聡子は、かつての知人に首を締められている予知夢?をみる。
彼女の性格、いや生き様として当然進んでその問題に、締められる予定の首を突っ込んでいく。

『神余響子的憂鬱』
神余響子(かなまりきょうこ)の、スキマー(警察内部の超能力問題秘密対策委員会の協力者の事)伊香正治が殺された。
犯人ももう掴まっているので、いいとして。響子はチョーモンインの問題児・嗣子と暫くコンビを組んでみたり。

『<擬態>密室』
デイズガイズ・その場一人の個人認識を操作?するという変身能力が用いられた犯罪。
百百太郎のお見合いと、W匡雄のデート。そして阿呆梨稀(あぼうりき)の登場。

『神麻嗣子的日常』
毎日行うべき家事とは格闘であり、男女はお互いに協力したりしなかったりで、日常とは永遠に続くものではなく、 何時かは必ず何ががくる、もしくはある。でもそれも日常で、日常とは時として思いもかけない・・・。
感想
それぞれの事件もかなり充分面白いですけど、どちらといえばシリーズの流れとして読むと大吉。
前作以降を読んでない場合は、多少面白さ減ってしまうかも。私もある登場人物で「誰だっけ、コイツ。なんか 聞いたことあるなぁ。もとい読んだこと・・・」(正解は奈倉渉)
やっぱ忘れっぽいですな〜。シリーズものこそ、この辺りをキチッとして読みたいなぁ、とか常々思ってるんだけど、 思うことは記憶と関係ないすからね。

『現場有罪証明』
なんでも略す傾向にあるこの二人、偶然なのか、それとも・・・とか思うですな。血の繋がりはないと思うけども。
事件はどうしたか?といわれると、キチッと解決しておりまする。

『転・送・密・室』
正直、記憶飛んでて自信ないのですが『夢幻巡礼』と↓の『神余響子的憂鬱』と絡めると・・・。
・・・全体的なストーリーでは《時間》が鍵なんじゃないかってのは、当たり前田のクラッカー(死語)だけど、
「未来に移動する能力者はいても、過去には誰もいけない」
「10年以上未来にジャンプするような、大物イレイザーはチョーモンインでも検知できない」
・・・つまり、よくわかんない。

『幻視路』
聡子さんに予知夢をみる傾向(しかし傾向というのか)があるのは、以前の作品でもあった。あの時は・・・ 布団でごろごろして寝た。つまり「うおー続きみせろ!」ですよ。
自分の首を友人が締めるつーシュチュエーション。 聡子さんが波瀾万丈な人生を好み、満たされない故に望んでいるとしても、 この続きを!みたいな部分もあるのかなぁ、と。幻視の路じゃぁたまらない、と。

『神余響子的憂鬱』
殺された輩は置いておいて、謎のキャラ響子登場。そして、はじめてチョーモンイン内部にメスが入る。
響子が誰か?ってことになると・・・Keyは響子の母親が口にする「ごめんね、寿美子」
響子は寿美子?でも寿美子は・・・タイムパラドックスは、そもそも時間は過去には、なんじゃないのか?(設定上)
謎は謎をよび、殺された変な人の存在が益々どうでもよくなってくる。

『<擬態>密室』
阿呆梨稀。一瞬アボ君(猫)を思いうかべるけど、人間だし。アボ君と能力が違うつーか、なんつーか。
発言だけで考えると、この人時系列を無視してるように思うのですが、 上記した物語で守るべき時間の縛鎖のようなものは、 「存在」の意味であって、それ以外の何か全てが縛られている訳ではない、とかいうものなんですかね。
タイトルの「擬態密室」ってのも、其処から邪推すると引っ掛かるしな。

『神麻嗣子的日常』
今度、『念力密室!』読みなおしてみます。それまで保留。 水玉蛍之丞になった。ファミツウでお馴染み
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『』 西澤保彦 / ♪:
概要
感想
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