西澤保彦さん
#匠千暁シリーズ

『解体諸因』 西澤保彦 / ♪:
作品紹介
感想
KeyWord:



『彼女が死んだ夜』 西澤保彦 講談社 1996/8 ♪:☆☆☆★
作品紹介 匠千暁、最初の事件
厳格な両親の元で育てられた女子大生が、ようやく手にした留学の切符。それは自由への切符とすらもいえた。
期間限定ながらもつかの間、自由を異国の地でおくることが出来る・・・・その宝石のような想いは、 留学前夜、踊る心を抑えつけながら自宅に帰った瞬間に凍りつく。
見知らぬ女性の死体を目のあたりにした彼女は、パニックに陥りながらも呼び出した友人達の前で告げる・・・
「この死体を捨ててきてくれないと、ワタシは死ぬぅ!」
感想 ヒドイヒト
「うまく絡み合ってるな〜」というのが読後の感想。読んでる時は「解決できるのかな〜」などと。

人物の魅力が好き(つまりキャラに嵌まる)なんで、今回例の四人組み以外に人が出てきたので、 こいつらが核だ、妖しいぞ(根拠はない)という意識で読み始めたものの、暫くしてその意識は霧散。 でも・・・
・・・意表をつかれる、というのとは違うと思うのですが、ただなぞっているだけでは気が付かないな、などと苦笑しつつも、 ちょっと最後に寂しさを。きっと、2回読んだら全く違う印象の本になるかも・・・。

余談・今時の女子大生(死語)で、ミツアミの奴なんていねえって。 蛇足・ミツアミよかポニーテールでしょう。ねえ?ボアン先輩。



『麦酒の家の冒険』 西澤保彦 講談社 1996/11 ♪:☆☆☆★
作品紹介 GOOFING OFF IN THE BEER HOUSE
匠千暁たちが迷い込んだ無人の山荘には、一台のベッドとよく冷えた96本の缶ビールに、13本のジョッキがあった。
他には何もないこの謎だらけの山荘に、迷い込んだというよりは強制侵入したともいうべき彼ら四人は、 この謎を肴にビールを飲みまくって推理?を重ねあうが、果たして謎の真相にたどりつけるのか?
感想 「日本酒の家の冒険」とか「焼酎の家の冒険」も出して欲しい
彼ら四人が推論の積み重ねをしてるのを読んでるのがまず楽しい。
最初から正解とか真相に辿りつこうとは思っていない・・・でも酒の肴として真剣に、って感じで。
結論としては、まー納得できるような出来ないような複雑な心境かな。
匠千暁シリーズはやっぱし人物が好きなんで、やり取り自体を楽しんで読んでしまうからかも。



『仔羊たちの聖夜』 西澤保彦 角川書店 1997/8 ♪:☆☆☆★
作品紹介 前夜祭
聖夜であろうと、色気も糞もない人々の存在を忘れてはならない・・・。
そんな予想を覆すというか、ありのままというか?他人(自称タビビト)に誘われ待ち合わせ場所に向かった匠千暁は、 同じく待ちぼうけをクラっている、氷のナイフのように研ぎ澄まされた女性との貴...な時間を?すごす。

一人酒だけすすみ、うたた寝に入った彼に、その女性が語りかけ、タビビト(自称)が現れた時・・・ 偶然がうんだ出逢いと、その偶然に含まれた想いが、微かな悪意となって大きく育つ、聖夜に起きた幾つかの事件が繋がる時。
感想のようなもの 年の瀬に至る病
クリスマス・・・何時からこの日は、そんなに特別な日になったのでしょうか。
もしかしたら、誰もが一番意識する日はこの日なのかも知れない。恋人とか、そういうの抜きにしても。

・・・仔羊たちの聖夜。その日に、同じ場所で死んだ人間がいる。
なんか、西澤さんの作品には都合的な部分とかあるとは思うのですが、 それが悪い意味ではなく、「偶然落ちていた、落ち葉を拾って」みたいな。 その落ち葉は、偶然落ちていたわけではなくって、拾う人がいなかった、みたいな。

でもって、この物語って曲がった人間関係とでもいうのでしょうか。
ここまで酷いのは少ないとも思うし、改善できない方にも罪がないとはいえないでしょう。 でも、後の『依存』で具体的にも語られているように、誰かの手のひらを暖かく・・・ させるのも、されるのも、この日に感じるような、錯覚ともいえるけども、何か漠然として 上手くいえない感情のせい。
この日だけは、誰だって、自分は間違っていない。と思うような気がする。サンタのバイトした時に思うに。
それでもって、人を妙に意識する不思議な日だとも思う・・・もはや、普段の日には麻痺してしまって感じることすらも出来ない 何か。それを、強引に感じる不思議な日ですよね。この物語でおこった事件。クリスマスに暇な人が読むと別の捉え方とかあるのでしょーが。 本も生物だから、旬がある。クリスマス間際、暇な時に読む本として、その謎と想いのMIXは、ケーキとか小さなツリーとはまた別種の趣があると オモイマス。
KeyWord:仔羊の告解と、狼の毛並 親だって子供になった経験はあるから
「あなたたち、何歳?まだ結婚なんか、してないんでしょ。子供なんかつくっていないんでしょ。
  親になった経験なんかないんでしょ?」

「ありません」 「でも、子供になったことはあります」



『スコッチ・ゲーム』 西澤保彦 講談社 1998/3 ♪:☆☆☆★★
作品紹介 煙が育てた、琥珀色の酒
我が侭で自我的で、力を持っている。・・・何よりも自分しか見ていない人間。
それがワタシの父親だった。

でも、ワタシが愛した人は、 奔放で。そして残酷・・・・・・ただ好きとか嫌いとかいうだけで、 あっさりと、ひとつの生命を消去することすら躊躇わない。 それが、千帆の愛した少女なのだ。

彼女は死んだ。殺されたのだ。
数年間、私を、心をずっと縛ってたその事件は、今、一人の酒臭い名探偵によって・・・。
感想 特に孤独になりたいわけではないが
なんかこのシリーズは、四人組の魅力が凄く心にくるのですよ。それ以外の脇役もですが。
作中でよく語られる「高瀬千帆が昔、愛していた少女」にまつわるお話です。

後の『依存』などと似たような想いがあるのですが、 なんつーか・・・こういう矛盾ってある。みたいな。
自分とか鑑みて、そんな重いものは無いにせよ、こういった気持ちを内包してるってのはあるかも。 きっと誰もがそうに違いない、でもだからといって、内包するこの想いが、私の全てでは無いのだ・・・。 みたいに感じた。毛嫌いする人でなければ、素直に感慨深い物語。いちぺーじ。
とはいえ、引き際を覚えたくなるような、ごっつい部分もあるのも事実。

PS:この本を読んでる時、 図書館でかりた本なんですが、意外なところに付箋が引っ張ってあって・・・・ 古い本なんかでは(特になんか資料本みたいなの)では、みかけるといいますが、 こういったエンターティメント色が強くて、 比較的年代の少ない本では珍しいくらいに。 あまりいいことだとは思いませんが、なんつーか「思い」を感じました。
KeyWord:松尾庸子 「憎まれる」それすらも羨むような
「もしかして、自分は誰かに憎まれているかもしれないと、一度くらいは疑ってみても、損はないってもんさ」
KeyWord:『じゃあ、お前は面白いと一寸も感じないのか?』 程度による。そして立場にもよるといい、つまり・・・。
「人間にとって、他人の"個"を侵害することは、まちがいなく快楽だ。 "侵害"できる立場とは当人にとって"力"の証明であり、存在価値の証明であるからだ」



『依存』 西澤保彦 幻冬舎 2000/7 ♪:☆☆☆★★
作品紹介 OBSESSION
それは。あたしにとって生涯、忘れられない朝。

三回生の年の。
七月二十八日。
午前五時。
あの日の朝・・・ずっと心に秘めていた、あたしの恋は、ひっそりと終わって。
〜作中より抜粋〜 ここから、新しい絆が始る。愛するひとたちとの。
ウサコ、羽迫由紀子。
ワタシが、匠千暁と出会った学生時代。
忘れれられない、語り尽くせない、何かを失って、得た、絆というような曖昧だけど大切なようなもの。
ずっと微笑んできた、笑ってきた、ウサコ。 羽追由紀子が吐露した心の一つ。
感想 『依存』
ネタ的に好きです。
青春?仕立てにしては、暗い部分が多いとも思うのですが。ミステリとしては、この程度常套つーか上等で、物足りないくらいだし。 それと『解体諸因』を読んでから本作品を読んだ私なので、 正直、人物に対してうまく感覚、いまいち抱けない部分も多いのですが、既存シリーズを順番を逆・テキトウに読んだことによる独自の 感想とかってのもあると思うので。

『依存』・・・愛でも何でも、何でも、孤独でも執念でも何でも・・・すべて「依存」なのだ。もしくは、なのかな、と。
そんなアタリ前のようなことですが、いわれてみるまでは中々気がつかない。 そんな、感じがする。匠千暁シリーズのターニング・ポイント的な感じ。



『謎亭論処匠 -匠千暁の事件簿 西澤保彦 講談社 2001/4 ♪:☆☆☆★★
作品紹介 めいてんろんど
『盗まれる答案用紙の問題』

『見知らぬ督促状の問題』

『消えた上履きの問題』

『呼び出された婚約者の問題』

『懲りない無礼者の問題』

『閉じ込められる容疑者の問題』

『印字された不幸の手紙の問題』

『新・麦酒の家の問題』

感想
KeyWord:



『』 西澤保彦 / ♪:
作品紹介
感想
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