『完全無欠の名探偵』 | 西澤保彦 | 講談社 | 1995/6 | ♪:☆☆☆★★ |
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作品紹介 | A PERFECT DETICTIVE | |||
人の心の奥底に貯まるわだかまりを喋らせ、本人も気づかなかった真相に辿りつかせてしまう能力の持ち主、山崎みはる。 本職は警備員である彼ですが、その力をみこまれて本人は何もわからぬままに、大富豪の孫娘・白鹿毛りんの生活に関わることになる。 散りばめられたパーツを集めて、多くの謎が収束して辿りつく真実と、真の名探偵とは? | ||||
感想 | 「名探偵」を職業にしてない名探偵(多いけど) | |||
なんか能力ものつーか、なんつーかうまくいえないのですが、全体的なノリ?が巧妙です。軽快ながらも芯が一本とおってる、つーか。
ほのぼのとした想いから、なんとなくやりきれない感覚。そんなエッセンスを集めて美味しくした、わりと誰にでもお勧めできるよーな本。 名探偵の多くは・・・天才、博学、柔軟な思考・・・とかのキーワードや、その他を雑多におもうと、 資産、運命・宿命(的なもの)、とか・・・まあカッコイイ部分だけですが。職業的な部分とか、事件に対する好奇心とか、 上げていけばキリがないのですが。 全然、余談ですが「小学生が大人になったらなりたい職業BEST20」とかに、 「名探偵」ってのが無いあたりが、いかに名探偵ってのが難しいものか・・・つーか「将来、エスパーになりたい」とかいってる くらいに難しいものです。たぶん。 「湯けむり温泉○○事件」でもいーから、なんかねー、一生に一度くらいねぇ・・・自分に火の粉のかからない事件をね(ヲイ) 全然作品の感想になっていないような気もしますが、真の名探偵のあるべき一つの姿を、この作品の中にみたように おもいます。 |
『七回死んだ男』 | 西澤保彦 | 講談社 | 1995/10 | ♪:☆☆☆★★ |
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作品紹介 | THE MAN WHO DIED SEVEN TIMES | |||
何気ない生活の中、時折、同じ時間軸を記憶をそのままで何度か繰り返してしまうという、不思議な力を持つ大庭久太郎。 遺産と後継者問題を巡る親戚同士のイヤーな席で発動?した、この不思議な時間軸で起きてしまった、当主・渕上零治朗殺人事件。 本来(とでもいうべきか)のままの、一周目では彼は生きていたのに、何故こんなことに? 巡る時間軸の中で、起きてしまった殺人事件を未然に防ぐべく、久太郎は奮闘するのだけど・・・。 | ||||
感想 | 何気に | |||
実をいえば、展開は大筋で読めます。でも、そんなの問題にならない面白さ。 よくいわれる、西澤さんのSFミステリ?は、前提として説明が多いということも、 はっきりいって良い意味で、ありがちな設定(^^;なんで、読んでいて「・・・よく判らない」ということは無いと思うし。 ごちゃごちゃ説明があっても、気にならないとでもいうのか。将棋のルールしってる人が、チェスのルールを覚えるのに苦労しないみたいな 感じすかね。違うだろうね。でもそんな感じ。少なくとも酔っ払ってる時に、碁のルールを覚える程に難解(つーか私的には不可能)ではないし。 余談ですが、この作品は『家族八景』にインスパイア(笑)されてないすかね。 久太郎が家族でありながらも、第三者みたいに感じるし。ただ悪意とかそういうのは感じないので、読後は小気味よいですが。 |
『殺意の集う夜』 | 西澤保彦 | 講談社 | 1996/3 | ♪:☆☆☆ |
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作品紹介 | WITCHING TIME OF THE SLAYERS | |||
嵐により隔絶された館で、万里はドミノ殺人を起してしまう。 動揺と困惑、泣きながら園子の元に駆け寄った万里がみたものは、息絶えた友人が横たわる姿だった。 ・・・・少なくとも、園子を殺したのは、私ではない。ワタシ以外の誰か。 自らが犯した犯罪を、園子殺しの犯人に着せ、自分を正統防衛で犯人を殺してしまった、 犯罪の被害者とする為に、万里は推理をはじめるのだが・・・。 | ||||
感想 | 犯人が推理する | |||
東野圭吾さんの『鳥人計画』よろしく、犯人が推理するだそーな。 つっても後書きにあるよーに、大分雰囲気違うんですが・・・大分というか、全然違うと思うな(笑) もっとも、推理しながら頑張ってミステリ読む人的には、また別の見方もある作品だと思います。悪くいえば捻りがないようにも思うけど。 |
『人格転移の殺人』 | 西澤保彦 | 講談社 | 1996/7 | ♪:☆☆☆★★ |
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作品紹介 | THE FLIP OUT MURDER | |||
人格転移・・・判りやすくいって、魂を入れ替えてしまう謎の遺跡があった。 その部屋に複数の人間が入ると、その肉体のあいだで魂の入れ替わりが予測不能に繰りかえされる。 そしてそれは、部屋を出た後、どんなに距離が離れていても、死ぬまで続いてしまう。 ・・・人類の理解を超える為、封印された謎の部屋に、六人の男女が偶然迷い込んで・・・ 六人の中で魂が勝手に、こちらの都合なく入れ替わる人間が、社会で生活できるでしょうか? 出来ません。 人類の理解を超える、この謎の現象から逃れる、たった一つの冴えたやり方、それは・・・。 | ||||
感想 | しかしこれ、擬似不老不死に使えるだろ | |||
今回、設定の多少のややこしさはあるのですが(図解あるしね)それは、
本当に多少であって、「うん?この図は覚えておかないとまずそうだな・・・でも、憶えられん。
しゃーないから、ここに付箋紙でも挟んでおくか」などと言った行為は基本的には必要ありません。
「こういった感じ」ということだけで、だらだらと読んでいても、説明されれば一瞬で結合する西澤マジックは健在。 でもって、物語の面白さなどは、いわゆる指折りという奴だと思います。ネタバレになるので何ですが、 本格といえないとか、結構既出ネタの再構成だとか、そういう部分もあるのでしょうが、 面白ければいい。読んでる時、楽しかったし。もっと読みたいと思った。好みとかはあるでしょうが。 それに、当たり前のような事でも、異色の設定でいわれると、じーんとくる。少なくとも自分は感動もしました。 謎の施設に関しても、何となく納得のいく・・・結論を感じましたし。だいたい、SF要素ってのは、 オオマかにいって、納得がいく理屈がとおれば、それを良し悪しの判断にしてはいけないと思う。 そして、作者の心中を読者に読ませて楽しませるのが、一番大事なんじゃないのかな?とか思った本。 変に自虐的な部分や、ストーリーには関係ないですが、70年代的な「CIAが何もかも悪いのだよ」といった辺りも苦笑もの。 最近は、月の引力とか、電磁波が悪いことにしておく(謎) | ||||
KeyWord:『人格○○の殺人』 | 後半の主人公の思いもで、覆るよ | |||
「ひとが、どれだけ情けない思いをしたかとか、悲しい思いをしたかとか、恥をかかされたとか、考えもしない。 何故だかわかるか?何故彼女が僕にそんな仕打ちができるか、きみに判るか?僕に人格がないからだよ。 彼女は僕に不条理な仕打ちをしたとなんて思っていない。彼女にとっては、僕はドラマの小道具と同じなんだ。 冗談だ判らないひと、だって? ようするに彼女はこう言いたかったんだ・・・通行人Aが、何を勘違いして主役面をしてるんだ、と」 「質問の意味が、良く判らない。 関係を訊いているのなら、全員が行きずりのひとたちだよ。"チキンハウス"で、たまたま居合わせた」 「驚いたわ。あなたがそんなことを言うなんて・・・他ならぬ、あなたが。 行きずりのひとは所詮、端役なの? あなたの人生のドラマに於いては」 | ||||
KeyWord:『人格転移の○○』 | ジャクリーン・ターケルー | |||
「あたしは、殺せたのよ、あなたを。あの時。 そうしておくべきだった。今でも悔やんでいるわ。そうしておけば、全ては元通りになっていたのに。 でも、できなかった・・・何故だか判る? 一度、あなたの身体に入ってしまったからよ。 そしたら胸が痛い。 あ、肋骨が折れてる。これ、あたしが折った奴だ・・・・そう思ったのよ」 |
『使者は黄泉が得る』 | 西澤保彦 | 講談社 | 1997/1 | ♪:☆☆ |
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感想 | DEATH BELONGS TO THE DEAD | |||
死者が甦る謎の館。そこにある人体蘇生「SUBRE」と、記憶を消す「MESS」という不可思議な装置。 ・・・この辺りの設定と、過去が絡む辺りがなんだか自分にはあんまり・・・。 山口雅也さんの『生ける屍の死』にインスパイア・・・つっても、これもまたかなり毛色が違いますね。 『生ける屍の死』もあまり好きではないのですが・・・どーも、死人が甦るって設定、凄いとは思うのですが、自分の中で 受けきれない部分があるのかも。 設定は異端?的ですが、ミステリとしてみると、わりと普通な作品だとも思う。死者が甦ることの何処が普通だ!とか抜きで。 |
『』 | 西澤保彦 | / | ♪: | |
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