#なつこ
『なつこ、孤島に囚われ。』 西澤保彦 祥伝社 2000/11 ♪:☆☆☆
概要 森奈津子の鬼百合城
その妄想想像の翼から、様々な迷作を産み出し続ける異端の耽美作家・ 森奈津子 (1966〜 )。

罪なき子羊は、何の因果か誘拐されて、離れ小島にただ一人・・・。
その島を<ユリ島>向かいにある島を<アニキ島>と勝手に名づけた彼女は、 締め切りも何もかも、世俗のしがらみを忘れて、冷蔵庫にある大量の毛蟹とビールを食い尽くすまでは 救出されなくてもいい・・・と割りきって、その翼に益々磨きをかけていくのですが、これは一応ミステリだということです。
感想 シリーズ化するのか(汗)
実在作家登場ものには賛否両論あるのでしょうが、自分的には「まーどーでもいい」んで、好きです。 竹下健治さんの『ウロボロス』とかも好きだし。あれも何気に思えば結構バカ本なような(汗)

森奈津子さんをはじめとする、実在の人物(野間美由紀さん・倉阪鬼一郎さん・牧野修さん)が登場しますが、 森さん以外の著作は読んだことないのであまり細かくはつっこめなかった。こういうのって、やっぱり作者とかその著作に 思い入れがあって読むと、オモシロさが断然違いますから多少残念。でも、それを人は妄想とよぶのでしょうか?

肩がこらなくていいんですが、何気に途中で気がついたのはこれは森奈津子さんの著作ではないということ。
「そんなの当たり前すぎる」と思われるかもしれませんが、なんとなく途中までそんな感覚で読んでいたのですが・・・ もっと破茶滅茶な展開になるのかと思ったらば、案外すっきりとまっとまていたような?
KeyWord:森奈津子 快楽主義の哲学
「異端の百合作家・森奈津子の全著作を揃えている上に、
 冷蔵庫を毛蟹とビールでいっぱいにしておいてくださる方に悪い人はいませんわ。ええ、おりませんともっ。
 不安になるどころかすっかりここが気に入ったわたしは、
 所有者さまの了解も取らずに勝手にこの洋館を<奈津子の鬼百合城>と命名してしまったほど」



『両性具有迷宮』 西澤保彦 双葉社 2002/1 ♪:☆☆☆★★
概要(でもない) なつこ、両性具有体験
「SMとSF、一字違いであるが大きな違いがある。それは、SFXとSEXにも見受けられる。
 多くの人々の脳裏を瞬間よぎるこの想いを、忘れた時に人は大人になるのだ・・・」ってのは誰がいったか というと今何気におもったのですが。 とはいえ、SFとエロティシズムが近しい関係にあるのは間違いない。
耽美作家・ 森奈津子 (1966〜 )。 は、地球征服を目論んでいた(中止した)、語尾に「プッ」とかのたまう白クマ宇宙人 の謎の兵器の誤射により、半年間限定で両性具有、ただし射X後(素振可)は一時復旧するという、 かつてないシュチュエーションを体験する。
この兵器が誤射された近所のコンビニには、うら若き乙女(謎)はなつこだけではなく、十数人もいた・・・。
当人にとっては日々の生活のスパイスのような出来事。だけども 人類史上稀なことなんで、その受取り方は様々で、初日から素振りと自家発電に勤しみ研鑚の日々を送る人間もいれば、 事態を受け止められず、人生は終わりと嘆く者も。

・・・だが、事件の始りはこれからだった。
両性具有になったと思われる乙女が次々と殺されていく。この連続殺人事件の顛末は・・・?
妄想 孟宗竹:ほろと言葉にした願い叶うこと(違います)
昔のエライ人がいった、「うつし夜は夢、夜の夢こそまこと」 ・・・いい言葉じゃないですか。つまるところ、 毎夜、いや夜といわず昼も、もちろん朝も。 あちこちで繰り広がる想い、まあ格好良くいえば「夢」とか「想い」悪くいやー「妄想」とか「邪念」とか 、そこに「人」のまことの姿を観るってことなのですね(たぶん)。

人の想いと脳髄の悪戯は限りなく「XXXだけど、きっとXXX」「XXXXだ。XXXX」 等と伏字にしないと駄目な想い(まったく、自分がサトラレだったら即死ものですよ!) から、「モビルスーツの免許ほしー」「ノーマルスーツで宇宙遊泳したい」とか、 よく判らないバカなことから、も少し真摯なこと。生活でふと思うよーなこととか、Etc.....。

この本は森奈津子さんが主人公ですが、西澤保彦・著です。
設定はおバカで、書き出しも「体を柔かくしておけば、オートフェラ」が出きる。 とかで、引く人はいきなり引いてしまう感じですが、色々マジメなお話でもあります。
ジェンダーやトランスセクシャルつー言葉を使ってはいますし、それが異端といわれる旨とか もおってますが、よーするに愛のお話です、たぶん。 契約とか束縛ではない意味での。自分勝手とか情が薄(こわい)とか。 ミステリ的にはたいしたことない、と思うんですが、 色々とうまく言葉にできないなんかを、エンテティメント的に描いたような。

日本には四季があり、生活の想いでいえば、寒いと冷める、熱いと暑いは違う・・・ 結局、自分なんだ。でも、自分は他がないと、だから相手をみながら、 自分の心を伝えられる人間がいないと、そして逆に伝えてくれる人がいないと、人間は駄目になるな、というお話。 終盤、xxxを怖がるxxxと、最後のxxxに。
KeyWord:牧野修 SF作家
「命とは、羞恥プレイと見つけたり 森羅万象 これプレイ」



『』 西澤保彦 / ♪:
作品紹介
感想
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