#ダブルブリッド
『ダブルブリッド』 中村恵里加 メディアワークス 2000/2 ♪:☆☆☆★
作品概要 白髪頭
怪(あやかし) 特異遺伝子保持生物。通常の生命の規範を越える能力を持つ存在。
それは、人と変わらぬ外見と知性を持つ甲種とそれ以外の乙種に分類され、 日本国において甲種は公認され国民としの義務と権利さえ持っている。
怪と人とを巡る接点。緊急捕縛部隊[Emergecy Arrest Team]の新人 山崎太一郎は、甲種指定生物・片倉優樹という白髪の少女と出会う。
感想 萌えることは萌える
伏線を「これでもか!」と、はりまくってある為か楽しみな部分と多少辟易する感覚を同時に憶えるのですが、 基本的には王道。いわゆる正統派。 大まかな意味でいう展開というヤツはなんとなく読めるような気もしないではないのですが、 細かな部分が丁寧なんで、憶える気持は「おもしろ〜い」です。

人物・・・キャラの魅力。不思議と感情移入しやすいように思うのは、何時かこんな寓話を知っていたような・・・・
ゲームと漫画で育った世代。とかいわれますが、まさしくそーなんで。自分で世代を選んだわけじゃないけども。
・・・で、この物語。多くの結末を空想してしまう自分ですが、願わくばその結末がいわゆるハッピーエンドで結ぶことを。 だって、この設定でハッピーエンドって、もの凄く難しいような気がするのです。
でも、願わくばせめて救いのある物語を求めるという意味で。

PS:挿絵は小説の魅力を損ねることが多い、と思っているのですが、メディアワークス系にはそういうのあまり感じませんね。
感想(あまり意味はない) 混乱
↓の「自分に正直に」と重なるような感想なのですが、
「自分の行動、言動に何の疑問も持たずに生きていける人間は強く、恐ろしく、そして脆く、孤独だよ」
怪と人間の間に生まれた彼女は、多くの疑問を人よりも怪よりも少しだけ多く持っていてもおかしくないと思う。
その疑問は、怪とも人間とも違う種類のものかもしれない、とも思う。
・・・それが二つの間からうまれる映し鏡のような疑問なのだとしても、 なんとなくこの言葉には疑問を抱くことに対する肯定のような意志を感じるのですが。
そもそも、疑問を抱かない存在などあるの?みたいになってしまうとややこしいですが、 疑問を抱かなかったのだろうか、もう知り得ない横田明弘に聞きたい・・・とも。

↓の「正直に生きて」には、疑問を抱いてもというような意味も含まれていると思うのですが、 何故かこの二つがきになってしまって。 疑問をもたないで生きることと、疑問を抱いて生きることの、何処に違いがあるのだろうか・・・。 そんな意味すらも彷彿させる。でも、疑問を抱かないと答えが得られないって意味の違いだけは明確にあるようにも。
KeyWord:山崎太一郎 この作品のテーマですよね。某博士も同じ内容のことを言っているけどね。
「自分は、自分に正直に生きているだけです」
「そりゃ結構・・・・でも、嫌われるよ」
「構いません。嘘をついて他人に好かれるより、正直に生きて他人に嫌われます」
KeyWord:片倉優樹 人が人たる理由=見た目 とかってのもあったなぁ・・・
「こんばんは。私は日本国内閣総理大臣公認甲種指定生物、公認番号010018。
  警視庁刑事部捜査第六課所属、片倉優樹巡査部長です」

「雑種であること、自分の命に誇りを持てない!だからあんたは人間なんだ!」



『ダブルブリッドU』 中村恵里加 メディアワークス 2000/5 ♪:☆☆☆★
作品概要 血と心臓
墺太利(オーストリア)から、一人の吸血鬼(バンパイア)が日本国に現れる。
偶然とも必然ともいえる優樹との出会い。優樹が人に触れられるのを、極端に恐れるその理由とは。
感想 酒を飲んだら酔え
Tの時点で伏線はりまくりだったし、元々設定がシリーズ化を前提として書いたような感じだったので、 その続編として見ると期待を裏切ることはないと思う。でも、ちょっと平坦かな。

なんか優樹が強すぎかな?というのは個人的な感想なんでまー閉まっておくにせよ、 優樹・太一郎以外のキャラがあんま見えないよーにも思う。キャラ好きで読んでる部分が自分にはあるのですが、 他のキャラが見えてこない・・・とか思うのです。なまいきいってすいません。なまいきなんで。

しかし神経のコントロールとか出来るならば、酒を飲んだ時くらい酔うように調整出来ないものだろうか。不便なものですな。 なんで優樹がしょっちゅう飲んでるのか理由が判らないのですが、自分も理由なく飲んでるですな。
もっとちゃんとした理由があるとは思うのですが、案外酒呑童子絡みとかかな。雰囲気あうしね。

PS:過去・・・特に優樹の学生時代とかが語られるのをむしょうに読みたいですね。
KeyWord:『米と魚の話』 大きく頷いたV(謎)
「肉も好きだけど、魚も好きです。米と魚、これほど美味しい組み合わせは、なかなかありませんよ。
 自分としては、おにぎりじゃなくてただの白飯が欲しいんですけど」

彼がいっていることは、まともとも言えないことはない。 だが、それは優樹にとってはどうでもいいことなのだ。
静かに酒を飲みたい、優樹が望むことはそれだけだ。
二人が向いあって黙って酒を飲むというのもかなり寂しい状況なのだが、その事実を優樹はまだ知らない。
備考(関係ない) 大きく頷いた・しりーず
首よ折れろと言わんばかりに、心の何処かで頷いた。
「うんうん、そうそう!あるある、そう思ったこと!」みたいな感じシリーズ。
とはいえ、実際は「・・・・」何かを感じ、思ったとしてもうまく表現できない。もどかしさ。
そのもどかしさがまたいいとは思うのだけど。酒と食い物がかならず絡むのは錯覚。

『片栗粉』 《スキップ/北村薫》
「・・・本当にぴったりの言葉だと思います。かたっ、くりっ、こっ、って袋を指で押した時、そのままです」
『乾杯』 《黒猫の三角/森博嗣》
「皆さん、よろしくて? 誰のためでもなく、何のためでもなく、誰にも願わず、何も祈らず、乾杯!」

『豆腐』 《月は幽咽のデバイス/森博嗣》
「・・・不思議な食べ物だな。もう少し剛性の高いものにした方が・・もう少し味があっても・・中途半端さは哲学的でさえある」



『ダブルブリッドV』 中村恵里加 メディアワークス 2000/7 ♪:☆☆☆
作品概要 中国といえば那○
かつて世界大戦中にアヤカシの肉体を素として造られた成長する人の形をした兵器。
来日中に暴走する彼を止める、片倉優樹は・・・。
感想 漢字変換が苦
読んでて楽しいし、シリーズ的な展開もきちんとあるのですが、どーも内容を暫くするとあんまり憶えてなかった。 自分が単に忘れっぽいとか、その時の体調とか色々もあるのですが。

・・・?なんか、イラストが変わっていますね。こっちの方が雰囲気にはあってるとオモイマス。
ぶっちゃけた話、萌えるね。



『ダブルブリッドW』 中村恵里加 メディアワークス 2000/11 ♪:☆☆☆★
作品概要 出会いがあれば、別れもある
一度死亡した、もう一人のダブルブリッド・高橋幸児。
優樹に強い殺意を抱くことを抑えきれず、この世を去った筈だった彼は今、何者かの手によって蘇生され、 記憶を失い意志もおぼつかぬままに再び姿を現す。

・・・出向期間を後数日に控えた太一郎は、ある一大決心を持って優樹に自らの心を吐露する。
そして、優樹がそれに答えた言葉。もう一つの吐露した言葉。
感想
優樹と太一朗の違い。それぞれ持つ強さの質。
立場さえ違えば相容れぬとさえ思うその魂が、互いに惹かれあいながらも、何処かで互いを拒絶している・・・。
やっぱ、過去をみたいですな。優樹も興味あるけど、太一郎も次巻を読んだり妙に気になりもする。 人に優しくすることが優しさという意味ではイコールではないということと、その逆説のパラドックスなのでしょうが。単に興味だといってさえも。

過去を覗き見ても何かに自分で納得したいとうのは、堀内さんに通じるものがあるのでしょうが、 怪ではない人間というものは、こーゆーものなのでは。太一郎がある意味では異質ではさえとも思う。

それでもただ嫌われたくないから、それを真実にするのも。そしてそれを疎ってまた真実にするのも。

・・・以前、この物語に関しては「HAPPY END」が難しいと思うからこそ、それを願っていました。 でも、ただ「FIN」で終わるのでも、もういいとも思う。少なくとも高橋幸児(幸せな児か...)の鯨幕はおりた。
彼を知り抱え憶える人の物語が続幕になり、エピソードになってプロローグに・・・この物語は最後まで見守りたいですね。

PS:絵ーだと萌えるが、文中の白髪(銀髪か)ってのだと綺麗に優樹って人をイメージできないですね、自分は。
余談 代々木公園って公園に思えないですな
あまし関係ないんですが、概要欄の横にはのカコイーことをメモしようと思っているのですが、 手持ちに帯がないので、テキトーなことかいてます。確かこんな感じだった筈。
小説とかの帯って素的なものだと思うのですが、実際は邪魔なんで捨てちまう人なんで。 それと重版されるうちに帯ってちょろちょろと変わるし。正直「○○賞受賞!」とか 「今年度○位!」「○○万部突破!」とか(!マークは印象)量産型全米No.1HITじゃあるまいし、それは心にかからないです。 ただ何となくふらふらしてたら帯が素的で購入した・・・とか。ダブブリの帯はカコイーね。
KeyWord:大田真章 相似
「基本的に一人でいることをよしとするが、たまに孤独に耐えられないことがある、ということさ」



『ダブルブリッドX』 中村恵里加 メディアワークス 2001/5 ♪:☆☆☆★
作品概要
古都を訪れた片倉優樹と元・六課の帆村夏純。 謎に包まれたアヤカシ殺害の影には、優樹が知らなかった何かが幾つか存在して・・・。
そして様々な想いを抱えて帰郷した太一朗。
二つにわかれた物語は、今は繋がっていない接点を感じさせながら、二人の知らない思惑を抱えて。
感想 出張と帰郷
焔もとい帆村夏純の登場。相川虎司(だったか)に似通った部分あるキャラなんですが、 それはアヤカシなんだからでしょーか。 だとすれば他のアヤカシ含めて今更ですが見比べてみると、人と怪って、全然違うようにさえも。

京都の例の二人なんですが、人妖で子をなした場合(イレギュラーって意味で)は英雄になるかその逆か。ってのは、 優樹と幸児の件もあるし納得できる部分もあるのですが、Ωサーキットって何ですか?クロスブリードってのもあるし。
眼にいれたものが、成長するってのでの意味でも。



『ダブルブリッド』 中村恵里加 メディアワークス / ♪:
作品概要
感想
感想 ここを読むな
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