狗飼恭子午さん
『忘れないからね』 狗飼恭子 幻冬社 2001/2 ♪:☆☆☆
作品紹介 ・・・Wa Su Re Na i Ka Ra Ne
かつての恋人を忘れらずに日々を過ごす千世子の元に、突如届いた1通のエアメール。
「今、ぼくはネパールにいます」
・・・どうして今になって私に?あんな別れ方をしたのに・・・

もう一度彼に会う為、自分のホントの気持ちを捜す為。
何でも、何かの「ケリ」をみつける為に。
自分に一方的に好意を寄る大学生ヤスと一緒に、千世子は旅立つ。
雄大な自然、宗教が浸透した神の息吹く国、今の彼がいるであろう国<ネパール>へ。
感想・前奏 ここは飛ばしてください
どーも最近重たい本ばかり読んでいる気がするので、たまにはライト感覚。 悪い意味ではなく、サラっと読める本が読みたいなぁ、と思ってこれをば。

「変化球だけのピッチング内容ではいけない、肘を痛める」
「ストレートが投げれないなら、緩いストレート、チェンジアップだ!」
と内なる心の恋女房たるキャッチャーからサインが出たので。確かにその通りだ。

殺人も起きなければ、屈折した人物も登場しない。
感想・アリア ちなみに、アリアで終わりです(笑)
一言でいえば、読みやすく素直な本です。
短編は苦手とかいいはる癖に「長げー1000P越えとるがな」とも文句をいう私にとって、 このサイズの作品は、非常に良心的だと感じます。
だって、このサイズの作品とか最近あまりみかけませんから。

色恋話ではなく「幸福の定義」
著者が思ってることを、登場人物に率直に反映させた作品だと思います。
色々と物足りない部分も感じますし、物語というよりは手記のような印象も受けるのですが、 まーそれは文学ってやつだからでしょう。 エンターティメント系しか読まんし、普段。
読後は少し心を「洗われた」という感じです。「少し洗われた」。 じゃぶじゃぶと強引に洗われたのではなく、少しの優しさ。

自由と大地と神を求めて、多くの人がネパールやインド。
異邦で異質なその「日本ではない場所」に、 心の拠り所や、違う価値観を捜しに旅をするらしいのですが、 この作品もそこから始っています。
ヒンドゥー教のカースト制度などにも少し触れますが、 それは作品の材料程度で著者のこれといった思想は明確に語られていません。

それでも、漠然とした何かを感じます。
旅先で誰かと、自分もこうしたことがあったような・・・そんな一冊です。
『忘れないからね』って言葉は口にしちゃいけない、確かにそうだと感じます。
ちなみに私は「信じて」というのは人権侵害だと思っています。

うまく言葉にできずに、心もまだうやむやなままでも・・・『忘れないからね』
作品自体には不満が多少あるのですが、この著者のいいたい何かは、
「インローに、いい球来た、ストライク!」って感じです。(何故野球だ)

最後に、この本は女性の本だと思います。
女性が書いた本、女性が好む本、そういう意味ではなく「本に性別があるなら」ば、この本は女性です。 ちなみに年齢は23〜26って感じ。
キチンとした理由はありません。漠然とそう思っただけなので。だいたい理由なんて何時もない。 同時に思うこと、少しズルイですよ、これは。でも、そう定義したならば、もう悩まない。
・・・でも「幸せにして」?なんか矛盾してますね(笑)
舐めんなやねーチャン。なんだそのご都合主義は?彼はどーなん?ヤス!こいつを殴れ! ああ?だいたいテメーはヤスを....カーストが上なんじゃなかったのか(謎)

それでも、私も、そう思う気持ちはわかる。誰かによりかかりたい。
でも、ちょっとこれは......男性には理解できない。理解できずらい。というか、 女性ご都合主義的な部分もあると思います。私だったらば、と考えてみて。
まあ、これも一つの物語。綺麗事ばかりじゃ幸せは定義できないってことなのかな?
KeyWord:『ナマステ』 出会いも別れも同じ言葉
「ねえ、ネパールのハローは、なんて言うの?」

「ナマステ」
「さよなら、もナマステです」



『』 狗飼恭子 / ♪:
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感想
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