梅原克文さん
『二重螺旋の悪魔』 梅原克文 朝日ソノラマ 1993/7 ♪:☆☆☆★
作品紹介 DNAに隠された悪魔
最近の遺伝子科学では、DNAの90%以上は意味をなさない「ジャンク」だという。
猿と人間の違いも、ほんの僅かな綻び程の繕いだと言う....。
人類が遺伝子の存在を知って、まだ僅か100年。DNAに触れてまだ僅か数十年....

DNAの解明を進める人類は、自らのDNAイントロンに封印されていた悪魔を呼び覚ましてしまう。

第一部:封印
第二部:超人
第三部:黙示録の三部構成。
感想(ネタバレ) エルダー・GOD
物語は急展開で、エンターティメント性が強くスケールも大きい作品です。
細かい部分の視覚的描写がとても好きな作品ね。
最後の選択は、知美さんが少し可愛そうかな.....二人でも良かったと思うのは私だけでしょうか?
KeyWord:深尾直樹 数奇な人生を生き抜く主人公
「もっとも美しいものは、常に過去形で語られるという」



『ソリトンの悪魔』 梅原克文 朝日ソノラマ 1995/7 ♪:☆☆☆★
作品紹介 人類に残された地球最後の秘境・海底
海底プラットフォームで石油採掘作業の指揮をしていた倉瀬厚志は、 謎の波動生命体に攻撃・翻弄され、父の元を訪れた娘を窮地に落とし入れてしまう。
「こいつは一体何だ...?」
未知の生命「ソリトン生命体」。
彼と人々を巻きこみ、戦いと葛藤の時間が流れる。
感想 メビウスの輪
新たなる「未知」に翻弄される主人公の運命を描く、梅原さんの第2弾。

深海ものの基本、海と陸地、29と71の理論。
でもホントに、そうなのかも...とか思います.....
ちょっと動物系のTVで(謎)「深海生物特集」とかみた後にこの作品を読んだので尚更です。 TVで流れる映像は編集してつくられたものだとしても、なんか、凄く神秘的でした。
その場所は、科学の力無しでは、人が生きていけない死の世界だとしても。

『二重螺旋』よりもこちらのが一般的に評価は上です。 ちなみに私は『カムナビ』が好き。
再読する時間がないので感想おいてませんが(汗)

ただ私は、どーしても「ソリトン生命体」ってのが綺麗に理解できないのですが・・・
『ソラリスの陽のもとに』(映画名:「惑星ソラリス」) の時に感じた微妙な違和感を再認識。
PCやOS、ネットワーク的な構造をもった、 人類(蛋白質)とは別の知的生命体.....ってのは理解できるんですが、 どーも上手く消化できない.....アクセス権限でアカシねたとか、 ガイア理論とかとぶつかるからかな。 それでもこの作品の臨場感や緊迫感は楽しめました。

富岡艦長の葛藤も物語の見所だと思います。

ふと思ったことですが、この「ソリトン生命体」に 人類が出会う知的生命体の一つの理想図を感じました。 互いに補うパートナー的な。
・・・で、結局、あの件はアルファに告白したんですかね?
その辺りが気になる。物語的には「してない」とも思うのですが。
KeyWord:倉瀬厚志 SFにおける「人類代表」
「こんな不条理なことがあっていいのだろうか!
 父親らしいことができなかった自分に、
  何か超越的な存在が罰を下したような錯覚に陥るほどだ。
 たぶん人間が宗教に頼りたくなるのは、こういう経験を経るからかもしれない」

「生命の定義は、自分と外界とを区別する界面を持ち、
 外部のエネルギーを取りこんで自己保存のために使うということだ」
KeyWord:劉秋華(リュウ・チュウホア) 元・妻
「美しい世界かもしれないわ。
 音と波だけの楽園、波紋となって海を旅する天使たち、自分と宇宙との一体感。
 自分が固体してあるのと同時に、全宇宙もここに在る.....」



『カムナビ』 梅原克文 / ♪:
作品紹介
感想
KeyWord:
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