御手洗潔、
そして石岡と里美の事件簿 #03
『龍臥亭事件』 | 島田荘司 | 光文社 | 1996/1 | ♪:☆☆☆★★★★ |
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作品紹介 | 石岡和己の事件簿 | |||
御手洗潔が日本を去って、亡霊のように馬車道で暮す石岡に少し奇妙な来客がくる。 流されるように事件に関わった石岡は、御手洗ぬきで後に「龍臥亭事件」 と言われる事件に関わることになるのだが....。 不思議な少女・里美との出会い、封印された史実「津山三十人殺し」 犬坊家と村が隠す秘密に出会った彼は、御手洗の歩幅ではなく、 自分の歩幅でゆっくりとだが歩きはじめる..... | ||||
感想 | 犬坊里美との出会い | |||
「八墓村」の元ネタにもなったという、実在した事件「津山三十人殺し」をバックテーマにして、
当時の日本の風俗との中に埋もれた史実について言及しています。 私、怖い映画も本も見ないように心がけてるので......はじめて知りました。衝撃でした。 睦夫は大量殺人者ですが、殺人鬼では無いのではないか? 意味もなく「人を殺したい」というバカが、自らを自慢するように跋扈して蔑まれない世風な最近、 逆に「意味があって」殺す。勿論イケナイ事です、睦夫のケースでも、 客観的に見ていけない事でしょう、私が覚えた道徳では。 でも......どうでもいいですが「自分より弱い誰か」を狙った犯罪が多くて..... 洒落でいいますが、文部省のガイドラインに「犯罪の美学」とかいれた方がいいんじゃないですか?(言い過ぎ) 冤罪の可能性を知り、弱者を庇う、島田さんが多大な意欲で書いた傑作だとも思います。 「三浦和義事件」や「秋良事件」なども読みませう。 固くなりましたが、今回は御手洗ではなく、石岡がメイン....というか、石岡の再生の物語.... 御手洗という存在から離れて、あらたなパートナー・里美を得るまでの、 石岡の葛藤の物語。 | ||||
感想(ネタバレ) | 石岡和己の再生 | |||
自らに依存するようになった石岡の為に、日本を去った御手洗。 そして、御手洗なき石岡の元に持ちこまれる事件.....。 石岡が一人で歩くのは、御手洗との出会いをえがいた『異邦の騎士』以来、実に20年ぶりでしょう。 あの頃の石岡は御手洗に怒鳴ったり、熱い男だった....。 高校生の里美に、初対面からトキメキ(死語)部屋の前にいるだけでドギマギ、 キスされてクラクラ....と見事、見事な男っぷりです。 20代の頃は、御手洗とジャズやクラシックを語り、一人の女のために生きた彼。 何故20年後には、アイドルソングを聞き写真集を集めてしまうのか....... 御手洗の出ていった本当の原因はこっちでは(笑) 石岡はこの後も上京した里美にふりまわされるのですが、本人が楽しそうなんで良いでしょう。 里美にいつ恋人ができるかを恐れる毎日....40歳の石岡和己は、まだまだ再生してないようです。 当分の間は御手洗も帰って来ないでしょう。 本編と関係ないんですが、私は死刑制度容認派です。 島田さんの本を読んで、感動しながら、影響も多少うけながらも、そういう矛盾した部分が結構あります。 だからなんだと言われて困るのですが...... 一人で生きれる人は反対を唱え、そうじゃない人は 心の何処かで容認を唱えるのではないでしょうか。 ラストシーンは結構感動ですよね....石岡はいわゆるワトソンだったんですが、 今のワトソンは違うぞ、みたいな。 しかし....この頃の里美たんが一番好きだねぇ(謎)里美萌え〜(その発想から離れろ) | ||||
KeyWord:石岡和己 | 中年(笑)『異邦の騎士』の頃の熱い石岡はどこに・・・ | |||
「でも御手洗はいないんですよ。 ぼくでもいいかなぁ.....」 「ねえ里美ちゃん、もしこの事件を解決できたとしたら、君の家を救えることになるかな?」 | ||||
KeyWord:二ノ宮佳世 | 口のききかたに問題あり | |||
「石岡先生、そんなに駄目になっていたんですね」 | ||||
KeyWord:犬坊里美 | 石岡キラー(笑) 語尾を「ー」とのばすのが彼女のスタイル | |||
「あ、横浜。でも横浜って東京みたいなもんでしょ?」 「東京いきたいよー」 「ここ怖い小屋」 「先生、私のお母さん綺麗でしょ。貝繁村には、綺麗な人多いんよ。 あの村には秘密があるんです。女の秘密って感じ。 でも先生は純情だから、たぶん解らないと思う、一つ教えてあげる。 あの村は業が深いんです。でもその業って女の業なんです」 「みんな感謝してるよ。もっと自信もってよ。」 | ||||
KeyWord:ミチ | もう一つのシリーズ、吉敷竹史の妻。凄い人生送ってる人 | |||
「加納通子です。」 |
『御手潔のメロディ』 | 島田荘司 | 講談社 | 1998/9 | ♪:☆☆☆★★ |
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作品紹介 | 短編4篇を収録 | |||
『IgE』 音楽家の元に現れてすぐに姿を消した謎の美女と、 ファミリーレストランで起きた連続便器盗難事件の意外な関係。 『SIVAD SELIM』 外国人障害者の為、手作りコンサートをおこなう高校生の御手洗への出演依頼。 「どうしても外せない用事がある」そう言って断る御手洗に石岡は憤慨するのだが....。 『ボストン幽霊絵画事件』 御手洗が大学時代のボストンで起きた奇妙な事件。 『さらば遠い輝き』 日本を離れストックホルム、御手洗の友人で学術誌のライター・ハインリッヒの元に、 十年前に一度会っただけの松崎レオナから「御手洗について訊きたい事がある」と電話がある。 | ||||
感想 | 御手洗潔の「メロディ」 | |||
『SIVAD SELIM』は石岡と御手洗の序盤の会話が絶妙です、
石岡らしいと言うか、石岡らしさから来る好感度。そして御手洗らしい御手洗らしさ.....。 なんだか何を言いたいのか判りません(汗)混乱気味です、ぶっちゃけた話、 このお話はかなり好きという事が言いたいのですが.... 『さらば遠い輝き』は、『異邦の騎士』『暗闇坂』等を読んでから 読むべきな味わい深さがあると思います。御手洗の心の内って、こういう形ではあまり語られていませんから、 貴重でしょうね..... | ||||
KeyWord:石岡和己 | 石岡さん大好きです(謎) | |||
「私は何もアイドル歌謡ばかりを聴いているわけではない。 数は少ないが英語の歌だって聴いている。 ただ正直に言うと、私は歌無なしでは寂しく聞こえる方で、 そして歌入りなら、英語がからきしの私だから日本語の方がより感動できる。これは事実だ。 そして同じ歌入りなら、男より若い女の子の声の方に魅かれてしまう」 | ||||
KeyWord:シヴァ・セリム | 世界最高のトランペッター | |||
「差別だらけの世の中だ、だが負けづにベストを尽くそうぜ。いつか天国で会おう!」 | ||||
KeyWord:ハインリッヒ・フォン・レーインドルフ | こんな話は、するつもりじゃなかった | |||
「私が言ってる人を好きになるとは、そういうレヴェルの話だ。 他人の痛みを自分に痛みに感じて、呼吸さえも苦しくなり、 その悲しみと苦痛とで、相手と自分との位置を確認しあうような..... そういう種類の出来事だと。」 「一度だけあると言った......。 それは、人間はこれ以上に酷くなれるんだろうか、思うくらいに参っていた。 彼を見た時、キヨシもまた、傷ついたと言っていた...... 自分一人だけ気ままに生きていくんでは無く、 時には誰かを導いてやらなくてはならないとい自覚だ。」 |
『御手洗パロディ・サイト事件』 | 島田荘司 | 南雲堂 | 2000/4 | ♪:☆☆☆★ |
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作品紹介 | 上巻13作、下巻9作の短編集。 | |||
里美の友人・小幡は突然に失踪した..... 失踪の謎を彼女が残したパロディ・サイト集に求めた石岡と里美は..... | ||||
感想 | 全部読んでからね。 | |||
パロディ集ですね。 出版当時には「島田荘司は何処にいく〜」 などとアッタそうですが、私は楽しみの一つとして嬉しいと思うのですが。 パロディ小説を楽しんで、作家自身が自分の書いたキャラに傾いたら終りだとかの法則は誰が決めたのか。 月並みですが... 『巨乳鑑定師、石岡和己』に爆笑。 『ベートーベン幽霊騒動』には有り得ない御手洗が好きです。 『夏季色のオレンジ』は素的に綺麗な夕焼けの唄ですよね(謎) 石岡さんには幸せになって欲しいですよね...... | ||||
KeyWord:石岡和己&犬坊里美 | 石岡さんガンバ | |||
「ほら、里美ちゃん。とっても綺麗だよ。」 「このオレンジ色、私大好き。」 |
『御手洗潔攻略本』 | 島田荘司 | 原書房 | 2000/11 | ♪:☆☆☆★★ | 作品紹介 | 「御手洗潔」に関わるさまざまな短編17篇 |
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島田荘司・責任編集。 御手洗潔FAN必読の短編17篇。 占星術、脳医学などの専門的分野から、オリジナルストーリや心暖まるエピソードなど 様々なエッセンスを集めた御手洗本。 勿論、島田さん自身による読みきりも収録。 『「占星術殺人事件」占星術』・・・鏡リュウジ 占星術の歴史や概要について。専門的な内容ですが読み応えはあります。 http://www.art5.org/ 『天の魔弓 -御手洗潔と石岡和己の日常より』・・・野々霧鮎樹 御手洗と石岡の何気ない生活の中の会話。御手洗が民族問題などを語る。 『光の塔』・・・竹中玲子 ある女性が幼き頃に大好きだった少年との切ない想い出。 あれから何年ったっただろうか。偶然、彼を見かけて....。 『感音楽』・・・藪本雅弘 ある事件に関わった少女の秘密と心の傷。 それを癒すものは。 『「マクラフリンはお好きなんですか?」 -ギタリスト御手洗潔のジャズ史的位地』・・・氷川透 御手洗潔を「音楽家」として語る。 『青の広間の御手洗』・・・柄刀一 ノーベル賞受賞を断り、横浜に一時帰宅した御手洗。 御手洗説得を試みる石岡だが、彼には全くその気はないようだ。 ところが一転して、受賞パーティーには出席すると御手洗は言い出すのだが.....。 『科学雑誌「Nature」に掲載された御手洗潔の論理 Working Memory Dysfunction in Monkeys Caused by Natural Cell Suicide. 神経細胞の自殺によって引き起こされたサルのワーキングメモリー障害』 ・・・Jeffry Osscar,Monica Melander and Kiyoshi Mitarai /響堂新・翻訳 ↑にかいたとおり。 『数学者からの報酬』・・・杉本@むにゅ10号 ある数学者が残した暗号。8年の時間をえて御手洗が解明する事実。 『御手洗シリーズ 舞台紀行』・・・橘高怜 御手洗シリーズの主な舞台となった、京都・浅草・横浜ぶらり旅。写真掲載あり。 『この世はただの紙の月』・・・リオ 御手洗が石岡に、狂気と心理と歴史について語る。 『躊躇するE -カオス理論の応用例にかえて』・・・松尾詩朗 御手洗が送ったカオス理論に関してのメール。ある事件と御手洗の奇妙な行動。 『六甲アイランドシティのピエロ』・・・船引良祐 ピエロを演じる男と、ピエロに怯える男。 偶然が重なってうまれる悲しい悲劇。 『「眩暈」に見えるユニセックス論 そしてトランス・セクシャルの歴史的考察と意義、そして日本の現在』・・・来栖美遊 ジェンダー問題を、世界のな風習・状況などを交えて考察。 「インドのヒジュラ」「タヒチのマフ」「北米先住民のベルダージュ」など。 『分子生物学の変還 -二重螺旋の発見からヒトゲノム計画へ』・・・響動新 分子生物学の歴史とこれからについて。 『石岡君、自動車学校へ行く』・・・優木麥 里美にせかされて自動車学校にきた石岡和己。その隠された実力をいかんなく発揮できるか? 『夢の中でも』・・・山田 世界征服を企てる御手洗に、石岡はパニック状態。 『倫敦と即席ミイラ殺人事件』・・・杉永祐章 ベルリン警察を退職した、レオナルド・ベンターの元に持ちこまれたミイラ事件。 何かの導きか、彼はクリーン・ミステリー氏と再会する。 『御手洗潔、その時代の幻』・・・島田荘司 御手洗潔の「今」。ロサンゼルスにて。 | 感想(ネタバレ) | 隠しました | ||
専門的な短編もあり、全てが素直に受けいられる作品ではないでしょう。 ついにでにいえば、あくまでも「御手洗潔」攻略本です。 内容は多種多様で、エピソードあり、専門的なことあり、笑いあり。 それでも、その全てが「御手洗潔」。 誕生から20年。多くの反感と批判の中で揉まれながらも、 現在、不動の地位を確立した「御手洗潔」に迫る一冊。 ・『「占星術殺人事件」占星術』 内容は専門的で濃いのですが、短いので苦になりませんね。 ホロスコープ占いですが、誕生時間が親に聞いても不明なので困りものです。 忘れたらしい。母子手帳、どっかいったらしい。 「たぶん深夜だった」といっていたが、以前は「朝方だった」といっていた。 こんな私でも、御手洗に会えば一発であててくれるのだろう(^^; ・『天の魔弓 -御手洗潔と石岡和己の日常より』 「討論会」というよりは、完全に先生と生徒のような(笑) ・『光の塔』 胸に染みました。 『異邦の騎士』、良子と二人で歩く石岡さん。 ただそれだけの場面がこんなに胸に染みるんですね。 ・『感音楽』 『SIVAD SELIM』自体好きな作品の一つでしたが、益々好きになりました。 最後の言葉がまた・・・。 本当に自分があの場にいたように感じました。震えがくる作品。 ・『「マクラフリンはお好きなんですか?」 -ギタリスト御手洗潔のジャズ史的位地』 知らないことのオンパレードですが、案外自然に読めました。 きっとそれを想定して書かれてるんですね。 写真やジャケットの紹介などもあり、ジャズを聴かない私でも御手洗がまた少しわかるようになる、 何気にこれは面白い話なのでは? ・『青の広間の御手洗』 相変わらず世俗の名誉に興味がない御手洗を、 石岡が説得してる時は心の中で石岡を応援(^^; 脳障害をおってしまい、友愛を感じなくなってしまった友人を、 「彼が精神活動的に私を友人と認めなくても、彼は私にとって友人です」といった御手洗。 御手洗の行動と思索。ここまで説得力のある言葉はないでしょう。 あの人にもきっと御手洗の言葉は届いた筈。 ・『科学雑誌「Nature」に掲載された御手洗潔の論理 Working Memory Dysfunction in Monkeys Caused by Natural Cell Suicide. 神経細胞の自殺によって引き起こされたサルのワーキングメモリー障害』 深く考えずに、文脈をおって読んで・・・「わかった」 「むずかしいことがかいてある」つまりよくわからない(笑) ・『数学者からの報酬』 暗号解読が面白い。区切りに騙されてはいけないのか...。 ・『御手洗シリーズ 舞台紀行』 結構生活圏内なんですが、こうして見るとまた味わい深い。 ふと思ったことに、推理や事件なしで石岡さんに旅の手記なんて書いて欲しいですね(^^; ・『この世はただの紙の月』 石岡さん「毎日勉強」ですね。 御手洗が指図(指図ってのもなんだけど)して、 里美が石岡動かせば『異邦の騎士』の熱い石岡に復活するかも(謎) ・『躊躇するE -カオス理論の応用例にかえて』 ブリーフ一枚で踊る御手洗(笑)彼を知る人でもこれは驚くでしょう。 エボラに関しては「そんなもん、いくら御手洗でも持ち歩っていいのか」と思いました。 エボラって、エアロゾル感染しないんですね。前にするって聞いた記憶あったので、 御手洗怖すぎだよ、とか動揺しました。 ・『六甲アイランドシティのピエロ』 御手洗の「残酷なようだけど、君は彼女のことを段々忘れていく、今の感情は感傷なんだ・・・」 冷たいようだけど、これは明日への言葉。 石岡さんだったら、こうは言わないし思わない。でも御手洗のいってることは正しい。 御手洗は「優しさ」でこういうことを言う人なんだな...と。アメリカに旅立つあの人へ。 ・『「眩暈」に見えるユニセックス論 そしてトランス・セクシャルの歴史的考察と意義、そして日本の現在』 これは面白いです。引きずり込まれて読ませていただきました。 知らないことばかりでしたが、「トランス・セクシャル」問題は、 価値観の違い・多様性という見地からみて嫌いではない話題ですい、 もっと注目されてもいいと思うので。 『眩暈』にみるユニセックス論・・・『眩暈』は謎解きにばかり目がいってしまっていたなぁ(汗) 何時かまた読もう。幸い大作なんで細部を憶えてないぞ(笑) ・『分子生物学の変還 -二重螺旋の発見からヒトゲノム計画へ』 細かいことはわかりませんが、科学の歴史ものは好きです。 DNA・・・21世紀、バイオ産業はコンピューター産業を上回る 一大産業となり、今その特許や利権を巡る紛争をどうするかも一つの課題だって聞きました。 何時かテロメアを克服し、不老長寿を「買える」時代がきたら (脳の神経細胞をどう増やすのかが問題だと思うけど)・・・ どうなるんでしょうかね? どの道そのテクノロジーは開発されても一般に公開されるのは、 私が生きてる時代には無理だと思うけど....。 そもそも買えないし。「既得・利権」による平等の阻害は、 は21世紀に人類が抱える最大の問題の一つで、22世紀まで持ち越される最大の 難問なのでしょうか。 ・『石岡君、自動車学校へ行く』 あははは(爆笑)いきなり投げられたチェンジアップに、思わず 空振りしてしまったバッターが漏らす苦笑のような心地良さ。 御手洗という暴れ馬とタッグを組む彼も、里美にはてこずりがち。 ところが、現在の自動車。大人しく理想的な筈の鉄の馬、誰もが乗りこなすAT車。 ロバだろうと、ポニーだろうと、ロシナンテだろうと、 石岡さんにかかれば暴れ馬!狂ったようにロデオを踊るのは何故? 石岡さん、旧車とか、癖のある車のが相性いいのでは(笑) もっとも自動車教習所にそんなもんがあるわけもない。 石岡さんの戦いの日々は続くのでしょう(^^;。 ・『夢の中でも』 なんか良くわからない話なんですが、石岡さん「夢の中でも!」のかな(笑) その割には最近少し太ったらしい。里美ね!里美のせいね(謎) ・『倫敦と即席ミイラ殺人事件』 『切り裂きジャック・百年の孤独』と『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』のMIX。 ベンター捜査官も退職か、時間がたったなぁ...などと感傷。 ・『御手洗潔、その時代の幻』 著者と御手洗、二人の間の短い対談。 確かに・・・御手洗潔も、石岡和己も、犬坊里美も、実在の人物ではありません。 小説の中の人物です。でも、これほど多くの人の心に残れば、幻ではないでしょう。 幻でないものなんてそもそも無い。 御手洗だったらきっと、 「いいかい?石岡君。幻も現実も脳で理解・判別をしている。君が幻だと思うならきっとそうだろう。 そうでないと思うのなら、そうでないだろう。 仮に幻だとしても、じゃあ幻じゃないものっては何だ? 時間・場所、何かが大きく変わった、流れた時に、何を幻として、何を確かなものとするかは、 最終的には君が選んでいるんだよ。 それが正しいのか、間違っているのか。更には役にたつのか、そうでないかはわからないけどね。 それはエゴなんだよ。人はエゴで生きている。 それでも大事なことは、使い古されてきた「前に進む」ということだよ。 実のところ「後ろに進む」ことは人間には出来ないんだ。そう造られているから。仕組みとして。 でも「後ろを振り返る」ことや、「止まる」ことは出来るんだ。人間のセーフモードだね。 それでも「前に進む」ことが基本的な命題としてあるならば、一人ってのは時にツライだろ? 人はみんな所詮一人ぼっちだよ。どんな家族も、愛し合う恋人も、親友さえもね。 だけど、この世界でたった一人で生きている人間はいないだろ? それは種の絶滅を意味しているから、ね....。 そんなことより、久しぶりに鯖の味噌煮を食べたいな、 スマナイけど、君のガールフレンドは夕食には呼ばないで欲しい。 一日静かに骨休みしたら戻りたいんでね。 ・・・石岡君、僕の部屋を掃除してくれるのは嬉しいんだけど、 配置や....まさかまた何か捨てたのでは!」 なんて言って、また馬車道で。 何時か。 | KeyWord:御手洗潔 | 御手洗が、また、帰ってきますように。 | ||
「ぼくなど、ただの時代の幻です。要請されたからここにいるだけ」 |
『石岡和己攻略本』 | 島田荘司 | 原書房 | 2001/5 | ♪:☆☆☆ | 作品紹介 | 「石岡和己」を応援する短編集 |
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暖かい人柄と、魂の熱さ(過去形?)に惹かれる全国○○万人の石岡和己FANと、
スエーデェンの御手洗に読ませるべき本。
『石岡先生、ロング・ロングインタビュー』・・・島田荘司 インタビューを苦手とする石岡さんなんで、散歩しながらのお喋り形式な質問などを。 『頑張れ!石岡君』・・・優木麥 第1話『石岡君披露宴騒動記』・・・スピーチの達人?、石岡和己の事件簿(違) 第2話『フルコースで対談を!』・・・食に造詣もある石岡さん(B級グルメ)、フランス料理とかに挑む。 『石岡和己のギターテクニックの変換 〜あるいは人間の退化の歴史〜 〜あるいはある作家の不毛な一日〜』・・・島田荘司+蟲麻呂 御手洗シリーズ中でも、タブーとされた謎に今真っ向から立ち向かっ......わない。 『石岡君のお料理レシピ』・・・『季刊島田荘司online』編集室 石岡和己のレシピを公開。 『石岡和己が愛した、アイドル歌謡の女神たち(ディスコグラフィー付き)』・・・蟲麻呂 そのまんま。 『違法の岸』・・・竹内玲子 ハンカチを持った少年が持つ、違法(なんとなく子供の頃は)寸前の優しさ。 『石岡君の散歩道』・・・石岡和己 石岡和己の住む街。 | 感想 | 手のひらで安定する読みやすさ | ||
『御手洗潔攻略本』・・・内容は当然違うんですが、装丁とかもだいぶ違う。 多少手抜き感も感じるような....でも面白いけど。 『頑張れ!石岡君』・・・私としてはこれにつきる一冊。電車で涙を笑いとじ〜んとで堪えた。しかも朝っぱらから。 『石岡先生、ロング・ロングインタビュー』 ・・・インタビュー(^^;。聞きたいことは尽きないけど、想像の余地があるからまたいいなーとか。 『頑張れ!石岡君』 私はこれが〜♪ 幸せパワーを撒き散らす、小型台風・石岡和己〜♪.....とか周囲からは思われてるのかもしれない。 でもある意味でそのとおりかもしれない。本人がわかっていないだけで。 石岡さん的には小人の靴屋さんなんだろうけども。 そして影で暗躍する、犬坊里美・・・・!?恐るべし。貝繁村の女の業なのか(違) 『石岡和己のギターテクニックの変換 〜あるいは人間の退化の歴史〜 〜あるいはある作家の不毛な一日〜』 誰にでも間違いはある。 某社内文書など吸入が巨乳になっていて今だにファイルされてるくらいだ。面白いから放置してあるらしい。 つまりそんなかんじみたい。 『石岡君のお料理レシピ』 50男が自炊するとなんとなく寂しいような、ほろ苦いようなメニューが満載。 『石岡和己が愛した、アイドル歌謡の女神たち(ディスコグラフィー付き)』 世代が違うので・・・・ちなみにモー娘は私は駄目。SPEEDはハマッタ。 アイドルに関して語れないようでは男とはいえまい。御手洗だって語るだろう。 否定とも肯定ともつかないだろうけども。そのうち人間心理とか云々になるだろうけど。 『違法の岸』 でも、クラスにこういう人います。かっこつけしーとかいわれますし、言う側でしたがある意味で羨ましかったのかも.... というのは今から思うことで、子供の頃は本当にイケすかないと思います。 今はよくわからない。生れてからこのかたハンカチーフなど持とうとした意志がないので。 『石岡君の散歩道』 この本片手に、散歩ならぬ小さな旅をするならば。 |