吉敷竹史シリーズ #01
『確立2/2の死』 | 島田荘司 | 光文社 | 1985/9 | ♪:☆☆☆ | 作品紹介 | 確立2/2の博打 |
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プロ野球選手の息子の誘拐事件。 人質は無事解放されるが、身代金を受取らないまま犯人たちは息をひそめる。 この奇妙な誘拐事件の裏には、何かがある....? 事件にの裏に隠された謎を追うのは、吉敷竹史! | 感想 | 吉敷走る | ||
従来的なミステリ。 思わせぶりな事実や言動がいきなり突き出されるのですが、 それがかえって好奇心を刺激して一気に読ませます。 謎解きの部分は、これを偶然の重なりですませていいのかどうかとも思いますが。 そういった思考抜きで読みたい作品。 PS:車やジャズに関するエッセイが多い島田さんですが「愛蔵版」の後書きの、 意外な野球ネタ?は嬉しかったです。 | KeyWord:吉敷竹史 | 真っ直ぐな男 | ||
「これは仕事なんです。僕も愉快ではないが、訊かずにすますわけにはいかないんです。 話してくれません?」 |
『Yの構図』 | 島田荘司 | 光文社 | 1986/12 | ♪:☆☆☆★★ | 作品紹介 | 合流する二つの流れ |
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男女の心中かと思われる奇妙な事件は、
被害者の身元判明にともない一つの可能性としての糸を顕にする。 ・・・イジメを苦に自殺した少年がいた。 自己の過失なく暴力を受け、金銭を要求され、何よりも心を傷づけられた。 誰もが知り見ながらも黙認し、あるいは肯定するかのごとく笑った。 風邪を引いて数日欠席した彼を待っていたのは、 「クラス一同」からなる「彼の葬式」だった。 手書きによる連名の色紙が渡された。そこには本来彼を庇ってくれる筈だろう、 教師の言葉さえあった。翌日、彼は自殺した。 被害者は主犯格である加害者の母親と、彼の担当教師だった。 事件と真相と、一つの結末。 | 感想 | 破られたノート | ||
この物語の中の「イジメ事件」は、当時実際にあった事件参考にしています。 当時話題にもなったので、憶えてました。 島田さんが得意とする「実際あった事件を元にして、社会に問うシリーズ(今考えた)」 第一弾なんじゃないでしょうか。 序盤の展開から、前半部分で「主犯」に至る人も多いと思うのですが、 私も詳細は判らないまでもXは解りました。敢えて読者に解らせてるようにも感じました。 伝えらないままの事が残りますが、Xの為を思えば伝えるべきではないのでしょうか。 吉敷の最後の言葉が印象的です。 | 感想その2 | 繋がる線 | ||
それでも後半部分の展開も意外で、魅せます。 ・・・当時。たしかな記憶では無いのですが、この「イジメ事件」は有名でした。 先生が生徒の葬式を「悪ふざけ」(と、本人は言っている)で やり、彼がイジメられていたことなど「全く知らなかった」とか。 あれも(葬式)も、一種の悪戯でクラス全体の親睦を計った。そうです。 当時「クラス全体って、全体じゃないやん。一人無視してる、いない」などと思いました。 東野圭吾さんなんかも教師の難しさによく書いてますが、 教師の最低条件は「信頼できる大人」なんだと私は思っています、私見ですよ。 少なくとも上司ではないでしょう、師匠などでも。 時に同じ目線まで下りてきてくれる、大人。だったと思うのですが。 悪い意味で、利益的な「大人の友人」が出来るのもこの頃です。 いわゆる、暴走・ヤクザ関係ですが、彼らは利益で親切にしてくれます。 この頃教師に「てめーは仕事だからだろ」と言う人がいるそうですが、 「仕事で親切にする」方のが誠実だと思うのですが。 授業中は「先生の仕事中」だから、寝てて起こられてもしゃーないでしょう。 森博嗣さんなんかは、逆の意見をいっていますが、 どっちもどっちで納得してします。難しいですね、こういうのって....。 「絶対やりたくない職業」に教師があるのは、 教師に対する侮蔑などではなく、「怖い」からだと思います。 責任とか、かつて自分が鬱陶しく思ったものになるのが。 | KeyWord:『優しい男が、優しすぎる男に』 | 強さより優しさ、菊地さんこそ刑事でいて欲しい | ||
「吉敷さん、いつか言ったと思いますが、私は駄目なんだと思う。刑事に向いてないんです。 どうか、笑いたければ笑ってください。私にはもう力が出ない....」 「そんなことを言って、署に辞表でも出す気ですか?」 「そうしても、別に構わないです」 「刑事を辞めて、何になります?」 「考えてません」 「辞めるにせよ何にせよ、かかわった事件は最後までやったらどうですか?」 「じゃあ・・・じゃあ、私に仕事を与えてください」 | KeyWord:『消極が産む幻想』 | ・・・・・ | ||
「いつ死ぬか解らないし、高校にちゃんと入れるかも解らないし、 高校に入っても、大学へ入れるかも解らないし、大学へ入っても、いい会社に入れるかどうか。 そんなふうにきりがないでしょう? ・・・そんなこと、解らないでしょう? 成績一番でも、絶対高校に入れるって保証はないじゃない。 あんなの、クジみたいなものだもの。 ・・・だから、みんないじめとか、するんじゃない? 今男の子がいじめしてるけど、あれなくなったら、こんどは女の子がいじめやると思う。 ・・・だって、なりたくてなったんじゃないんでしょう?」 |
『灰の迷宮』 | 島田荘司 | 光文社 | 1987/12 | ♪:☆☆☆ | 作品紹介 | 犯人は『灰』 |
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新宿駅西口でバスが放火され、逃げ出した乗客の一人がタクシーに引かれ死亡した。 幾つかの不可解な事件に見え隠れするほんの僅かな接点。 2年前に迷宮入りした、ある事件をとっかかりにして、 この謎の放火事件の真相に吉敷竹敷は迫っていく。 | 感想 | 笑ってよ | ||
昭和55年8月19日に、新宿駅でおこったバス放火事件
(焼死者6人・重傷者4人・軽傷者16人)
の再現とも思える放火未遂事件の真相。 上記した事件にはあまり触れずに、推理的要素も低いとも思うのですが、 事件に真っ向から立ち向かっていく吉敷竹敷刑事の姿勢にはやはり惹かれます。 男にもモテルな(笑) そして、茂野恵美という女性。どーも吉敷刑事は女難の相があるように感じるのですが、 というかあるのですが、傷ついた女性を惹きつけて、自らも惹かれてしまうというのは、 彼の優しさ、そして魅力の一部なのでしょう。 『北の夕鶴2/3殺人事件』『羽衣伝説の記憶』『涙、流れるままに』に登場する、 吉敷の元妻・加納通子。彼女を吉敷はいまだに好きらしいという設定を知っていると、 かなりこのあたりは考えされられます・・・。 茂野恵美も、破天荒で破廉恥で、アル中だったのかもしれませんが、 そういった人間は悪いのではない。唯、人より少し弱かっただけだよ・・・ と語りかけてくるように感じます。 あったかくて、優しい味のするラーメンを、食べたかったです。 | KeyWord:吉敷竹敷 | 刑事の冠を外せば | ||
「酒で忘れられるものなんて何もないんだ。 忘れられるとすりゃ、そりゃ酒なしでも忘れられるものなんだよ。 忘れられないってことは、何百杯酒を飲んだって、忘れられるものじゃない」 |
『夜は千の鈴を鳴らす』 | 島田荘司 | 光文社 | 1988/11 | ♪:☆☆☆★ | 作品紹介 |
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寝台特急・あさかぜ1号車内で、半狂乱になって死んだ女社長・鬼島政子。 事故死と思われたその死因に疑問を抱いた吉敷竹史は、独自に捜査を展開する。 | 感想 | |||
相変わらず一人で動く芳樹刑事。 好き嫌いでいえば、時刻表トリックって苦手。ごちゃごちゃしてるし、言ってしまえば乗り換えとか乗り継ぎの問題だろ。などと。 でもこの作品は時刻表トリックを展開しながらも、肝たる部分は別のもの・・・。 読後に「ああ」と思うのですが、個々の人間をみつめる芳敷の目が、刑事としは異端ながらも刑事の目であるところに、 多少自分としは物足りなさを感じる。好き嫌いの要望でいえば。 |
『』 | 島田荘司 | / | ♪: | 作品紹介 |
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感想 | ||||
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