島田荘司さん #01


『夏、19歳の肖像』 島田荘司 文藝春秋 1985/10 ♪:☆☆
作品紹介 窓からみえる君
バイク事故で入院した主人公は、 窓辺から見える家の娘に、憧れを抱いていく....。
感想(ネタばれ) 偶像という肖像
青い話ですが、いいお話....というのとも違うんですが、 なんとなく他人の日記を盗み見てるような印象のお話だったと思います。 島田荘司さんのお話って、女性=偶像という印象があるのですが、 冷たい印象はあまり感じません。終り方も私的には嫌いじゃないです。
KeyWord:主人公 19歳
「何か一つ、私達が夫婦になるためには足りない要素がある。
 しかもそれは致命的な欠陥だ。それが何なのか・・・」



『天国からの銃弾』 島田荘司 光文社 1992/12 ♪:☆☆☆
作品紹介 短編三篇
『ドアX』・・・一人の「女優」が知るだろう、Xというドアに隠された幸福。
『首都高速の亡霊』・・・それぞれの思惑が交差しない中にうまれた、偶然の交差と与えられる結末。
『天国からの銃弾』・・・目の光る女神像と何人かの人生の接点。
感想 偶像と偶然と彫像
『ドアX』は個人的にどうーかなーとも思う。
展開は読ませるのですが、結末とかは正直ありきたり。それと島田さんの描く女性に抵抗のある人には納得いかない 物語だと思う。ある部分を拡大して見せているだけだと思うのですが、嫌いな人とかもいると思うので。

『首都高速の亡霊』は読み応えあり。最後はすっきりして多少の物足りなさも受けましたけども、 短編としてかなり満足しました。正直、これは長編で読みたかったなぁ、とさえ思いますね。 もっともっと人物などにつっこんで、エピローグなんてあると最高なんだけどなぁ....とないものネダリしてしまう作品です。

『天国からの銃弾』 表題作にもなっているだけあります。
短編としてみるとかなり好きな作品ですね、種明かしはスッキリしませんが。 上の作品とは違って人物につっこまい短編だからこその味と、想像力を刺激してくれる作品でした。



『インドネシアの恋唄』 島田荘司 南雲堂 1995/6 ♪:☆☆☆★
作品紹介 短編3篇
後書き?に『都市への追想』あります。
『インドネシアの恋唄』-An Indonesian Love Song
何故かは知らないがインドネシアに無料で行けることになった男は、 これを学生時代最後の思い出にしようと割りきってインドネシアの地にやってきた。

言葉が上手く通じずに案内されるままに娼婦館に通された彼は、 どこか寂しげな表情をたたえる一人の少女に出会い、 何時の間にか彼女を買ったことになってしまう。
「エコ・サリ」と名乗った彼女。二人は惹かれ始めるのだが....。

『見えない女』-An invisible Woman in Paris
パリ・ダカールラリーの映画撮影交渉の際に出会った、風変わりな美人。
日本に残した恋人に気がねするも彼女に惹かれはじめてきたのも事実だったが、 彼女の奇妙な言動にうんざりしてきたのも確かだった。
一体この女の正体はなんだ?

『一人で食事をする女』-A berlin Lady
ベルリンの街。レストランで一人寂しく食事をする女。
何時から気になっていたのかは知らないが、彼女の笑顔というものをみたことがなかった。

意外な場所、クーダムの娼婦街で立ち尽くす彼女をみて驚いた私だが、 更に意外な場所で彼女と再会し、供に狂王ルートヴィッヒが築いた「ノイシュヴァンシュタイン城」 を訪れ短い時間を過ごす、そして。
感想 旅と出会いと偶像と幻影と
『インドネシアの恋唄』-An Indonesian Love Song
最初は『PIP』か?とも思いましたが、こっちのが先ですね。
アジア売春ツアーではないのですが、この手の 「旅先で(買った)少女と、淡く真摯な刹那の恋(と本人は想うらしい)」 を扱った作品って数多くあるのですが、なんつーか「変」なの多いのですが、 これは違いますね。エゴな部分もありますけど。
ラストが以外でした。ホント、邪推する癖ばっかつけてしまった自分に反省。
本編と関係ないですが、この手の資料(つってもNETで検索)かけると、人間の 嫌な面と悲しい面と、ツライ事実と驚くべき強さとかたくさん知れて嫌です。
境遇を受け入れることも一つの強さだし、等価(とは想わないが)で何かを得るのも 間違っていないとも思うのですが・・・現実の「世界」がみえる。
ラストシーンを読んでから、ふと最初のページ読んだ時に感じた「現実」の世界が印象的。

『見えない女』-An invisible Woman in Paris
どちらかといえば、女の招待が気になったお話でした。
中盤、何をいってるのかよくわからないし(笑)
でもこれって事実なんですか?バレルを思うけどなぁ。 そもそもバレルばれないは関係ない「ブランド」なのかな。

『一人で食事をする女』-A berlin Lady
一番「旅」を感じたお話でした。ヨーロッパ古城巡り、ロマンですね〜。
しかも謎の笑わない美女と(笑)
「ノンシュヴァンシュタイン城」以外は知りませんでした。 どちらかといえば、知名度の低い(と思う)後の二つの写真を載せて欲しかった・・・・
最後の場面、1995年当時に読んでは味わえないだろう感想を、今読むと感じました。 後書きでもこの件には触れていますが、こういう感想の感じ方ってのもあるんですね。
ところで、旅の途中に出てきた米国人が何気に印象に残ります。旅はねちっこくあってはいけない、 彼はそう訴えているようにすら感じましたよ。
KeyWord:エコ・サリ BINBANG
「不安、心配」



『』 島田荘司 / ♪:
作品紹介
感想(ネタばれ) 偶像という肖像
KeyWord:
「」



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