#QED.02
『Quod Erat Demonstrandum』

不可解な事件を解決しながら、
桑原祟が隠された歴史の事実を独自に解析していく
『QED - 東照宮の怨』 高田崇史 講談社 2001/1 ♪:☆☆☆★
作品紹介 日光東照宮に隠された深秘
「三十六歌仙絵」絡みで起きる連続殺人事件。

祟はまたも小松崎絡みで事件に関わり、日光東照宮・陽明門・山王権現・三猿・北斗七星・北極星・妙見信仰・カゴメの・・・。 全てを一つに繋げる大胆な推理と、日光東照宮に隠された真の意図を暴く。
感想 幕府と朝廷
『百人一首の呪』の時に思考が混乱した経緯があるので、唄の部分は目で追うだけに留まりました。いや、古文だめなんですね。

内容は風水やレイラインものなんですが、これまた私がこの二つをあまり好きじゃないという、困った理由もあるのですが、それほど気にならず楽しめました。 レイラインとかってなんだか地球に貼るピップエレキバンみたいで(笑)ホントは地理が駄目なんでよくわからないというのが正解ですが。

今回の影の主役、徳川幕府三代にわたってブレーンを務めた「天海」が出てきた辺りで 「天海=明智光秀説」の祟流解説を期待したのですが、糸葛ほどにも出てきませんね・・・。 ちょっと寂しい。ただの奇説なんでしょうか、私は結構好きなんですが。

「かごめかごめ」の唄の意味が遊郭に関係してるってのは、昔聞いたことがあるんですが、 もう一つの意味は知りませんでした。 民間に伝わる唄やお話って、こういうのホントに多いですね。 口に憚れるものや、大ピッラに言えないことを伝えて、それを子供に唄わせる。あまりいい趣味とはいえないけどわからいでもないみたいな。
最後にでた「通りゃんせ」の意味は次巻で披露されるのでしょうか?
QEDシリーズ、謎を出して放置しておくこと多いですからね。今巻でもありましたし、前にも何度かあった。
まるで祟が「奈々君、聞いてばかりではなく、自分で調べることも」などと言ってる気がします。

蛇足ですが、登場人物のもっとプライベートな部分とかも見たいかも。特に祟なんて、セリフの90%が論調ですし(笑)
KeyWord:棚旗奈々 後輩が出来ました(笑)
「せっかくこうして出かけて来ているのだから、通り一遍の説明だけではつまらない。
 もしかしたら、路傍の石一つとってみても、
 そこには何か奈々の想像を超えた、連綿と続く歴史が隠されているかも知れないではないか。
 まあ、そんな可能性は非常に低いにしても」
KeyWord:八重垣優歌子 悲観的女子高生
「全ては、かならず崩壊していく。そして、それこそが歴史だ」
「どうせ、壊れてしまうものなのに」
KeyWord:安田慈美 そんなこといわれもなぁ
「この絵が本物か偽者かなどという、低い次元で物を見ていては、事の本質を見誤ります」
KeyWord:桑原祟 薬剤師だというのを忘れそうになる....
「真実は、それだけで真実です。誰の庇護も必要としませんよ」

「もっとつまらない理由で、人類はたくさんの殺人を犯してきているじゃないか。
 今回はむしろ納得できるね。
 誰が、人の世がこの世で一番尊い教えこんだのかは知らないが、
  「生きてさえいられればそれでいい」と思って日々を送っている人間がいる一方で、
  「そんなことをするくらないならば....されるくらいならば....死んだ方がいい」
 といって命を絶つ人間だっている。
 これは事実だし、俺はそういう人たちの考え方を否定するつもりは、毛頭ないね」



『QED - 式の密室』 高田崇史 講談社 2002/2 ♪:☆☆☆★
作品紹介 式神と陰陽師
陰陽師の末裔が密室で殺された・・・。
人間には不可能なその犯罪行為が、式神になら可能なのだと被害者の孫の弓削和哉は断言する。

祟が式神の意味と陰陽師・安部晴明にまつろう謎を語っていく。
感想 目に見えないもの
今回の謎のかけかたと説き方に関しては、益々好き嫌い別れる傾向にあるのでしょう。

とはいえ、QEDの魅力は謎そのものも楽しみの内ですが、祟の語りにあるとも思うので、 違和感なんてものはおぼえないですが。 横で聞いている小松崎には気の毒ですが、酒とウンチクは切っても切れない関係にあるとの意味も含めて、 読み手としては時に奈々に、時に小松崎に・・・と。 プライベートの描写や接点も少ないようにも思う、この作品の人物にやたら親近感を感じる為なのでしょうが。

PS:今回、袋とじ(初版版はそうみたい)だったのですが、導入部を読ませないってのは如何なものなのでしょうか。
KeyWord:桑原祟 美味い酒飲んでるなーと思う
「・・・事実に立脚してこそ、本当のロマンじゃないか。
 たとえば、晴明は果たして本心から朝廷に仕えるべく働いていたのか、それとも他に思うところがあったのか・・・とか。
  彼の内心に思いを馳せることこそが本当のロマンじゃないか」



『QED - 』 高田崇史 講談社 / ♪:
作品紹介
感想
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