高橋克彦 #パンドネオンの豹


『パンドネオンの豹』 高橋克彦 角川書店 1987/8 ♪:☆☆☆
作品紹介 今やこの地球で、人類の目の届かない場所はない
米国迎撃機のギアナ高知での失踪、大阪万博で起きた謎の誘拐事件。
UFO調査機関ブルー・ブック、インターポール.....事件の裏に見え隠れする、謎の組織?

そして共通するキーワード"パンドネオンの豹"とは?
感想 ロストワールド
高橋克彦さん、こういうお話が得意というか好きですよね、私も大好きです♪

サーベルタイガーなんて、まさに"謎の組織の首領"ですし。
歴史や創作上の人物を登場人物にするのを好む高橋さんですから 『海底2000里』のネモ船長とかも出てきますし。
それにUFOだの地底王国だの入るとやっぱり燃えますよ。子供心のロマンですけど、大人共通券を持ってるので(^^;

私見ですが『総門谷シリーズ』や『竜の棺シリーズ』に共通する想いってありますよね。
私は『竜の棺シリーズ』が好きですが。
感想(ネタバレ) 地底王国アガルタ
この物語の核"地球空洞説"なんですが、実のところ私はあまりイメージできません。
一部空洞ということなのでしょうか?ちょっと抵抗あります、悲しいながら.......

でも"円盤は海から来る"って部分は納得いってしまう辺りが不思議かも。
KeyWord:ケリー 米国空軍将校
「記録を信じれば、この台地にたった人類は我々が最初です。
 月にまで行ける時代だと言うのにおかしな話だ。いや、海の底と地底はもっと遠い。
  人類なんてその程度のものだ」
KeyWord:ジャガー パンドネオンの豹
「海にはなんでも揃っている。食物も鉱物も.....ところが、空にはなにもない。
 人類は月を目指すことよりも海へ、地底へと夢をふくらませるべきだった。
  そうは思いませんか?」

「くるさ。今となればヤツにとってもこの地底世界は故郷なんだよ。
 命のある限りサーベルドラゴンは何度でも攻めこんで来る。
  ヤツもこの地底を愛している。ヤツなりの乱暴な愛し方でね。
 所有欲と愛とは裏と表がピタリとくっついている。結局は同じものだ」



『聖豹紀 - ジャガー・センチュリー
パンドネオンの豹2』
高橋克彦 講談社 1996/11 ♪:☆☆☆
作品紹介 剣竜再び
サーベルタイガーの行方を追いながらも、既に20年の月日が流れ、生身の体の藤村剛や豹馬・亜耶は今や40を越えていた.....。 再び剣竜とまみえることは無いのだろうか?その彼らの元に20年の沈黙を破り剣竜の足跡が聞こえる....。

失われた遺産"魂を操る機械"を巡り、彼らはラマ僧の助けを借り、 失われた"移動する都市"を捜しはじめる。
感想 サイコ・バトル
今回も、なんで"パンドネオンの豹"なのかよく判らないジャガーの存在感。
ジャガーも超人には違いなんですが、ウルトラ級の人物が多いのでイマイチ強さが引き立ちません。 人格的にジャガーが立派なんだというのは伝わってくるのですが、 一種の冒険小説として見ればジャガーの存在がどうしても薄く感じてしまう私です。
船に乗らないネモ船長の方が魅力を感じるってのは主人公としてマズイのではないでしょうか?

剛・豹馬・亜耶もとってつけたような扱いで....。シリーズものなんですから、 そういう部分もあると想うのですが、間が10年あると多少気になります。
感想(ネタバレ) 天使の誕生
今回の主役って......明らかに"マリ"ですよね。 前作の主役には異論などあると思うのですが、今回はマリでしょう。 次回があるかどうかは判らないのですが、 マリはツォン師曰く「神に等しい」位に強くなってしまったと思うのですが.......。
別な言い方をすれば、物語のバランスを崩す程に......というか絶対キャラになった感じも。

益々"パンドネオンの豹"の立場無いですよね、でもマリの件ですが、マリの判断ミスだともいえますから。 能力は傑出していても、その辺りの頼りなさ。 逆に豹は既に普通人のような印象すら受ける活躍ぶりですが(笑) その辺りでの.....を望みます。今回は寝てたから士方ないかな......。

まだ、何かよく判らない物語といった印象です、遠い日の続きを待ってます。
KeyWord:藤村剛 「何故、不老の体にならないのか」と聞かれ...
「死ととなり合わせになっているからこそ、生きていることが大切に思える。
  その思いが自分から消えない以上、無理でしょうね。
 それに.....自分にそうまでして貰える価値があるとは思えない。俺はこれで充分ですよ」
KeyWord:サーベルタイガー カール・ハウスホーファー
「ヒトラーでさえ天国を求めた。
 安らぎ以上に命を懸ける価値のあるものがあるか?権力でさえ安寧を前にすれば霞む」
KeyWord:ネモ 新ノーチラス号船長
「文明は拒まぬ。傲慢な人間たちに嫌気が差したのだ。
 私のノーチラス号は文明の結晶だぞ。海の底の静けさに心を魅せられた。
 心を許せる友と暮せるなら、この都市がいい」
KeyWord:ツォン師 ラマ僧
「あの娘は神にも等しき者になろう。儂らの役目はその力を封じて人に戻すことにある。
 あれほどの力はかえって娘を不幸にする」

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