#刻謎宮・シリーズ


『刻謎宮 -ときめいきゅう』 高橋克彦 徳間書店 1989/2 ♪:☆☆☆★★
作品紹介 とき、めいきゅう
「もう、あの猫を切ることもできないよ.....」 そう呟く沖田総司に、不思議な言葉が語りかけ.....
.....そして彼は「刻」の迷宮の旅人になる。

トロイア遺跡発掘中、シュリーマンは信じられないモノを見つけてしまう。
それは三千年前の遺跡からは有り得ない遺物、彼が勝海舟という男に送った筈の金時計.....

歴史の歪みを修正する為、総司は神話の時代のギリシャの地に降り立つ。
感想 とき、のたびびと
歴史のさまざまな人物、特に不遇に死んだ人間を登場人物に して、時代それぞれの生活背景や歴史風俗、そういったモノを 高橋克彦さんの色で塗った作品だと思います。
エンターティメント的要素も強く、私はこのシリーズはかなり好きです。
感想(ネタバレ) 刻、迷宮
時間という名の帯....流れゆく糸を紡ぐように、その綻びを正す者と、織り目を変える者。
彼らは時に神とか悪魔とか言われた。
そして彼らは人に直接関与できない.....何故かそう決まっていた。
彼らは歴史の中で人を選んで....この辺りの設定好きです、あとはキャラクターの魅力ですよね。

歴史の「if」、あの人が生き残ってあの時代にいたら.......
私的には、この物語中の「沖田総司」はかなり好きです。 史実から見た実像は知りませんが、とても魅力的に描かれています。 それは他の人物にもいえる事ですが....
KeyWord:沖田総司 新鮮組・一番隊隊長
「また、戦えるのか?昔のように。生きたい。もしそれが許されるのなら。幻覚でもいい。
 生まれ変われるのなら。」
KeyWord:マタハリ 悲劇の女スパイ
「悲しまないで下さい、私は旅にでるだけなのです。
 長い旅ですが、行きつく果てで、いつかお会いできるでしょう」
KeyWord:..... センター
「どちらが地球の歴史にとって正しいことをしているのか、本当は私たちにも分からないのです。」



『刻謎宮U・光輝篇』 高橋克彦 徳間書店 1996/2 ♪:☆☆☆★★
作品紹介 中華発祥の時代へ
古代ギリシャから舞い戻った、沖田総司、アンネ=フランク、マタハリ.....。
ヘラクレスとポーリアに、マルコ=ポーロを加えた一行は、 坂本龍馬を追う為、中華発祥の時代「殷」の時代から、再び『刻』の刻みを別の身体を借りて経験する....
感想 夏・殷・周
封神演義の時代から物語は始まりますが、その時代はあっさり飛ばされます(笑)
オリジナルな設定で、歴史的背景を楽しむというよりは人物の魅力を楽しむ物語。
後半部分の『渡穹篇』に共通する事ですが....
『刻謎宮』の魅力は、登場人物の魅力、やたら多い戦闘場面、歴史の「if」に尽きると思います。

個人的には、総司やアンネの誠実さと純粋さ。二人のこれから。
ヘラクレスの馬鹿陽気さ(笑)に、マタハリとポーリアを交えた、 思いやりのあるボケとツッコミの嵐が好きで堪りません。
マルコ=ポーロは個性不足な感じ...というか俺、マルコ=ポーロ嫌い。世界を旅したといっても、 元々自発的にした事じゃないし、「東方見聞録」は捏造した本で日本大迷惑だし、 しかもチャッカリ客死してない(たぶん)し、ムカツク。
KeyWord:張遠陽 殷の衛士
「援軍にかけつけたとて勝算はありません。
 しかし、洪賛沈の言ったように、屍を築く事が諸国の蜂起を促す狼煙となるならば。」
KeyWord:ヘラクレス(広円心) 刻謎宮のヘラクレスは面白すぎ
「いかにも見てくれは豚だが、このヘラクレスの為に選ばれた男だぞ。
 心が美しいのは間違いない。これまで女に袖にされたことなど一度も無かった儂だが、
 広円心となってからは嫌われてばかりだ。
 口ではなんのかんのと言いながら、女は結局姿形で男を選ぶ。それをはっきり知らされた。
 今までの女たちは、儂の顔と体が好きなだけだったのだな。
  いや、まことにいい経験をさせて貰っている。
  言い寄る女どもからは解放されてのんびりとく暮らせるし、人の真実も見ぬける。
  金や美しさが備わっていると、近寄る相手の真実が見えにくくなる、総司も気をつけろ。」
KeyWord:マタハリ 今度は馬
「自分で考えなさいよ、徳は自分が計るものじゃないわ。人に計って貰うもの。」



『刻謎宮U・渡穹篇』 高橋克彦 徳間書店 1999/5 ♪:☆☆☆★★
作品紹介 集結
総司のトラブルなどもあったが、体は違えども、再び合流した彼等は、
こちらの正体を悟られない為、ある作戦を実行して龍馬王に迫っていく....。
感想(ネタバレ) 切望
プロテルクスも死にましたし、メディアは捕まえた(のかな?)し、全員無事帰還したし....
あ....肝心の坂本龍馬に逃げられてますね、でも味方になる事もあるんですね。
威双(岡田以蔵?)や飛鶴、鉄烈なんかも憎めないキャラだから....続きを見たいです!
KeyWord:ヘラクレス(広円心) ギリシャの英雄、中国に立つ
「どれほど立派な志の男であったとしても、人が神になるのは許されぬ。
 案ずるな、それで儂の腕が躊躇することはない。」
KeyWord:沖田総司(峰飛麟) カッコ良すぎ...萌えるぞ
「姉の死を悼む心を持ちながら、そのもの達を、哀れとは思わないのか。」
KeyWord:ポーリア(月露) 基本的なツッコミで多用されています
「また食い物と酒の話か.....」

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