常識的な変圧比率

常識的なアダプタ/充電器はトランスで絶縁しますが、 効率と体積と部品単価の都合でトランスは使いたくない。ということもあります。
非絶縁型コンバータは古典的な大分類で、降圧型、昇圧型、反転(昇降圧)型があります。それぞれ目的に応じて使い分けしますが、それぞれ

  • 降圧型は入力電圧より高い電圧を出せない。
  • 昇圧型は入力電圧より低い電圧に制御できない。
  • という制限があります。

    では、降圧型の非絶縁方式で、交流200V入力から直流5Vを出すとしましょう。 入力側スイッチ素子のオン時間の比率(Duty)は、およそ1.8%になります。 ここでオンの時間が2.0%へと、ほんの少し伸びた場合に出力電圧は 5.6Vとなり、10%以上も上がってしまいます。
    また実際の制御ICでは、最少オン時間や応答時間などの制限が付くため、5%未満のオン時間比率では 安定した動作が得られないことがあります。

    一般的には、20対1の変圧比率を越える場合、たとえ絶縁を要求されなくとも変圧器を使う ことを推奨します。
    どうしても絶縁したくない場合は、中間タップを引き出す オートトランスに準じたチョークコイルを使うこともできます。

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