イグニッションコイルの交換

ある時突然、ガソリンの量が減ってくるとガス欠症状になるように。それはコックをリザーブにしても直らない、というよりリザーブに切り替えると酷くなる。そんなこんなで悩んだ挙句、コイル交換へといたった。つまりこれはトラブルシューティングが主なテーマ。

1. 症状の発生

冒頭にも書いたけれど、突然ONのコック位置でガソリンが吸いきれない位置まで減ってくるとエンジンが止まってしまう症状が発生。リザーブに変えればいいじゃん、と思うでしょ?でも変えても全然エンジンはかからない。たまにしばらく放置するとかかることはあったり、チョークを引きっぱなしで何とか走れたりはするもの、この症状は給油するまで続く。しかも給油した直後に解消するのだ。さらに、早めにコックをリザーブにすると、症状は早目に現れる。他にも回し気味で走るとガソリン供給量が足りないような感じで、回らなくなってくる。そんなことを繰り返していると、普通に走っていても回転がばらついてくるように。

そこで最初はタンクの吸出し口を疑い分解。すると黒い粘り気のある物体が少量ではあるが、所々に付いている。「これか」と思ったのだけれど、症状は改善しない。「じゃあキャブだ」とリベアキットをネットで買って、分解オーバーホールを実行。するとニードルジェット(メインジェットが付いている筒)が見事に詰まっている。「これだべ!」あからさまにおかしな所があったので、狙い通りと思い組みなおすと、回転のばらつきは直ったものの、ガス欠症状は治らない。ならばとコックをバラスと、ノブの裏にある4つの穴をつなぐ通路が半分黄土色の粘土質の物で塞がれている。「これでコックを切り替えてもガソリンが流れなくて…」。今度こそビンゴと思いつつ、でもドキドキしながらガソリンが減るまで走ると…、症状が出ませんですよ!

やったぜと思っているうちに気が付けば車検が切れていた。同時期、もう一台の愛車、VF1000Rが燃えたので移動のため車を借りたついでに、RZVをいつものブルーライトニングに移動し車検をお願いしたのであった。車検取得後、鈴木(弟)さんから、「なんか1発点火が弱いようだよ。プラグ古くない?」と気になるコメント。でも換えて500kmも走ってないし(ガス欠症状発生時に疑って換えていた)。おかしいなあ、と思いながらもプラグ交換。直った感じで気持ちいい!とやっていたらまたガス欠症状&火が安定して飛んでいない感じが。前者は分からないが、後者は以前VFでダイナコイルが死んだ時の症状そっくり。そこで今回はコイル交換とガス欠症状最後のチェックポイント、タンクを分解、清掃することにした。って前置きが長くてすいません。

リペアキットとノーマルのニードルジェット。リペアキットは輸出用の前バンクキャブ用で、同じ前バンク用でも国内用とは穴の数が違う。ちなみに輸出のリアバンク用は国内の前用になる。とまあ国内でも輸出でも前後でニードルジェットは違う。でもリペアキットは全部同じというか前用しかない。そこでリアバンク用は国内前用を付け替えた。新品取ろうとたら欠品だったので…。

2. コイルの交換

ヤマハのホームページで調べると、純正のコイルも在庫はあった。しかしデッドストック品に違いないし、性能も20年前のものであることは確実。それに純正そのまま使うのもなんかつまらないというのもあった、というか正直言うとASウオタニのコイルが良いという話を聞いてウズウズしていた。

このコイルはショップとかでは見かけないので、メールで注文すると、2日後には到着した。当然コイルだけではだめなので、コードは別に購入。あんまり金も掛けられないので、NGKのレーシング、つまり2番目に安いのにした。マニュアルの写真で使っていたのもこれだったし。ただ後で分かったことだけれど、コイルのコード用の穴は6mm穴用なので、こういった安いプラグコードじゃないと大概が8mm以上あるんで加工が必要になる。

まずはノーマルを外し、プラグコードの長さを測ってから、新コードを切ってコイルに接続。車体に付け直す。下側のコイルは純正ステーに付けられるものの、上側は全然無理。仕方なくタイラップで固定した。 この作業では、コイルにコードを差し込んだ後、淵を防水のために接着剤で留めろとあったので、それが乾くまでタンクの掃除をすることに。

ASウオタニのコイル。CDI仕様車なら全車に対応。 ハーネスと接続するコード。 今回使ったNGKのレーシングケーブル。
組み立て終わったコード。 コイルとコードの接続部は熱収縮チューブを付ける。 コードが取り付け終わったコイル。
 
ノーマルのコイル。 ASウオタニコイルを取り付けたところ。  


3. タンクの掃除

接着剤が乾くまでタンクの掃除をすることに。事前にガソリンを携行缶に出してから、取り出し口を外しタンクを外す。それからレベルセンサーを外しその開口部から残ったガソリンをトレイに出す。

その出てきたのを見てみるとヘドロ的な物がいますですよ。こんなのがタンクの底面にいたんじゃ、そりゃガソリンが減ってくればガス欠になるわな。んでタンクの中を見るとタールみたいのもいるし。そこで花咲Gのマルチクリーナーで洗う。まああまり時間を掛けなかったのでそんなに綺麗になってはいないけど、ヘドロは取れたんでいいでしょう。

今回初めて外したフューエルレベルセンサー。なんか緑色の物体が。 フロートの付け根。まさにヘドロですわ タンクから出てきたガソリン。中にはなんか表現しづらい物体が。見た目と違ってネバネバしている訳ではないが、かといって揺すってもバラバラになる訳でもない。

4. 作業完了後

タンクも付けてコイルも付けていざ出陣。まずコイルの効果としては、元通りに走りますですよ。点火力という意味では、ノーマルコイル+スプリットファイヤーコードと同等か。コードの性能を考えれば、やっぱりコイルの点火力はアップしてるんでしょう。ガス欠症状も解消され、高回転まで回しても問題なし。やっぱりバイクは気持ち良く走れなくちゃね。

 

5. 思わぬ落とし穴

調子いいぜ!と走っていたら、なんだかプラグの調子が悪い。まあ新品にすればいいかと変えてもまたすぐ症状がでるというかかぶってしまい新品に変えないと治らない。

セッティングがおかしいんだろうけどジェットはいじってない…いじってない?あ、ニードルジェット換えてたわ!で元に戻したら治ったあ!輸出用キャブはエアジェットだか細かいところも違うと聞いていて、そこまで換えないと輸出仕様ニードルジェットじゃかぶっちゃう模様。うーん、キャブって奥が深い 



戻る
RZVの改造へ
RZVのトップページへ
トップページへ