私設博物館・魚編

目次
魚類について
日本産魚類の分類及び日本産魚類字典
生物の分類法と命名方について
用語説明

魚類について

魚類とは

脊椎動物門無羊膜類(亜門)の内、原則として体の表面がで保護され、感覚器官の側線が発達し、水中で体の比重を調節するがあり水中で生活を営むものの総称。全世界に約二万数千種がいる。

分類

魚類は、外見・の配列や形状・の形状・側線上のの数等により分類される。

各類説明

無顎類
魚類の起源とされ古生代オルドビス紀に出現。口に顎の骨が無い為、食物は口から吸入する。体の表面が骨化し内部に硬骨様なものを備える。脊椎動物の祖先系とされている。
甲皮類
古生代シルル紀から古生代デボン紀にかけて生存。頭部が骨化した甲板で包まれているのが特徴。
円口類
口が吸盤状で、胸鰭腹鰭が無く、軟骨からなり皮膚に粘液腺がある。ヤツメウナギ類・メクラウナギ類からなり生きた化石と呼ばれている。
顎口類
古生代シルル紀から古生代デボン紀に出現。体の前半部、或いは多くの部分が骨板で保護され、丈夫な顎の骨が発達したことが特徴。
板皮類
古生代デボン紀に出現した原始的な顎口類。外見はサメやエイに似ており頭や肩部が骨板で包まれている。外見や骨格がサメ類に似ているため、これから軟骨魚類に進化したと考えられている。
軟骨魚類
古生代デボン紀前期に出現。骨格が軟骨性でが無い。外形的には鰓列が5〜7個あり、顎が上下とも発達し、尾鰭が長く胸鰭腹鰭より大きい。4亜綱(側鰭類・魚切類・板鰓類・全頭類)からなるが、大部分は中生代に全滅した。
硬骨魚類
古生代デボン紀前期に出現し、古生代末期にかけて発展。魚類の進化の主流であり、特に海洋での生活に適した方向に進化。内部骨格が硬骨化し、薄いを持ち、鰓蓋を備える。
総鰭類
古生代デボン紀に出現し、地上生活者として進化の途を辿った。魚類と両生類との中間的性質を持つ。
肺魚類
古生代デボン紀中期から三畳紀にかけて繁栄。骨は硬骨と軟骨からなり、空気呼吸に適応進化した。
条鰭類
古生代デボン紀前期に発生。中生代新生代を通して進化。条鰭類の内、脊椎骨が分節しない原始的な軟質類がまず現れ中生代末期に滅んだ。軟質類から骨格の硬骨化が進みが薄くなった全骨類がペルム紀に出現、中生代中期に栄えたが末期には多くが滅亡。白亜紀から中新世にかけ全骨類から真骨類が出現。現在、真骨類が全魚類の90%以上を占める。

日本産魚類の分類及び日本産魚類字典

日本産魚類の分類

「日本産魚類検索−全種の同定」の第二版によると約352科3863種の魚類が日本には生息しているようである。

以下に簡単な説明と共に紹介する。

生物の分類法と命名方について

分類法について

形態を元に生殖敵隔離や地理的分布を考慮し生物学的種の基準を規定。

基本単位を「種」とし、類縁関係の近い種を集め「属」、属を集めて「科」、更に上位に類別を重ね「目」、「綱」、「門」、「界」とする。種内の集団として、亜種・変種・品種に細分化され、また各段階間に亜または上を付けた中間段階が設けられる場合もある。

命名方について

種は学名・和名で表される。学名はスウェーデンの博物学者リンネによって確立した2名法を用い属名+種名で書きラテン語で現される。正確には種名の後に命名者の名前が入る。

和名は生物につけられた日本語の標準名で、地方により違った名前を用いる場合があるので、これを統一するため付けられる。

用語説明

あ行

硬骨魚類の内臓の一種で魚の浮力を調節する器官。鰾内のガス量を消化管と連絡している管を通して調整する有管鰾と消化管とは連絡してなく密集する毛細血管によりガス量を調整する無管鰾がある。
体を保護するため体表にある皮膚の変性物。サメ・エイ類に見られる新皮層から突起し歯の構造に似た楯鱗、チョウザメ類にみられる2〜3層からなり菱形をした硬鱗、多くの硬骨魚類にみられる円形のものが重なっている骨鱗がある。
水中に住む動物の呼吸器官で、水中に溶存する酸素を取り込み二酸化炭素を排出する。鰓は更に水を濾過し餌を漉し取る働きもする。咽頭の左右の側壁に並ぶ4〜7対の裂け目のことを鰓列いい魚類以外にも両生類などの幼生にもみられる。

か行

古生代
約5.75億年前から2.47億年前の約3.3億年間。初期に海産脊椎生物と藻類。中期に魚類・マツバラン類、後期には両生類とシダ類が栄えた。カンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀、石炭紀、二畳紀に分けられる。
古生代オルドビス紀
約4.46億年前から5.09億年前の約0.63億年間。植物類は石炭藻類、動物類は初期は三葉虫類・コケムシ類・オウムガイ類・おの足類、中期に棘皮動物・甲冑魚類、後期にサンゴ類・節足動物などが出現。
古生代カンブリア紀
約5.09億年前から5.75億年前の約0.66億年間。初期に海綿類・三葉虫類、中期に半索動物・軟体動物・触手動物など、後期には側節足動物・コケムシ類・おの足類・原索動物などが出現。
古生代シルル紀
約4.46億年前から4.16億年前の約0.3億年間。植物ではシダ類・古生マツバラン類、動物では腕足類・頭足類・節足動物・甲冑魚・肺魚・軟骨魚が出現。
古生代石炭紀
約3.67億年前から2.89億年前の約0.8億年間。初期には有孔虫類・放散虫類・腕足類・四放サンゴ類、末期にはコケムシ類・菊石類・ウミツボミ類・昆虫類・サソリ類・両生類が栄えた。シダ類が大森林を形成し、爬虫類・裸子植物も現れた。
古生代デボン紀
約4.16億年前から3.67億年前の約0.49億年間。植物では古生マツバラン類・古生シダ類、中期にシダ状種子植物が出現。動物ではサンゴ虫類・腕足類・頭足類・巨甲類・魚類・両生類が出現。
古生代ペルム紀
約2.89億年前から2.47億年前の約0.42億年間。二畳紀とも言う。ソテツシダ類・鱗木類・有孔虫類・両生類・爬虫類が栄えた。

さ行

新生代
6500万年前から現在までの期間。大きな爬虫類や貝類などが全滅し、哺乳類や被子植物が栄え末期には人類が出現。
脊椎
椎骨・脊椎骨とも言い、脊椎動物の脊柱をつくる骨。
脊椎動物
動物界の一門。体の中軸として骨質の脊椎があり体を支持し、終生または一時的に脊髄を持つ。体は概ね左右対称。魚類→両生類→爬虫類に進化し、哺乳類と鳥類に分化した。
側線
体の両側にある感覚器の一種。周囲の水の動き、水圧、低周波の音などを感じ取る。側線の位置や数は魚の種類により異なる。

た行

中生代
約2.47億年前から6.5千万年前の約1.8億年間。三畳紀・ジュラ紀・白亜紀に分けられる。初期には軟骨魚類・両生類・爬虫類が栄え、中期には硬骨魚類・鳥類・哺乳類が出現。植物では被子植物が出現し、針葉樹類・ソテツ類・シダ類などが栄えた。
中生代三畳紀
約2.47億年前から2.12億年前の約0.35億年間。硬骨魚類・両生類などが栄え、爬虫類(恐竜・翼竜など)や原始哺乳類も出現。植物では初期に針葉樹類が栄え、後期にはシダ類や裸子植物が多くなった。
中生代ジュラ紀
約2.12億年前から1.43億年前の約0.69億年間。恐竜類が栄え、後期には始祖鳥や下等な哺乳類が出現。植物類はシダ類・ソテツ類・イチョウ類が栄え、被子植物が出現。
中生代白亜紀
約1.43億年前から6500万年前の約0.78億年間。貝類・爬虫類・鳥類・哺乳類などが栄え、植物では裸子植物・被子植物が栄えた。
鳥類
脊椎動物門・羊膜類(亜門)・トカゲ形類(上綱)の一綱。飛行生活に適応した動物で、体が羽毛に覆われ前肢が翼となっている。古鳥類・新鳥類の2亜綱に分けられる。全世界に約八千六百種。

な行

は行

爬虫類
脊椎動物門・羊膜類(亜門)の一綱。体表が角質の鱗で覆われ、四肢の形態は様々であり、全く無肢のものもある。亀類・魚竜類・鰭竜類・鱗竜類・祖竜類・獣形類の6亜綱に分けられる。全世界に約六千種。
水生生物にみられる扁平条の運動器官。背鰭・尾鰭・尻鰭は推進力を生み出し、体の左右安定を助ける。胸鰭と背鰭は左右の平衡や方向転換、停止などの働きをする。
哺乳類
脊椎動物門・羊膜類(亜門)の一綱。体表が毛で覆われ、汗腺・皮脂腺・乳腺があり大脳がよく発達している。恒温動物で、単孔類のみ卵生で、他はすべて胎生。原獣類・真獣類の2亜綱に分けられる。全世界に約四千五百種。

ま行

無羊膜類
羊膜を持たない脊椎動物群。水生生物に多くみられ産卵は主に水中で行われる。

や行

羊膜
胚膜のうち最も胚に近い膜。
羊膜類
羊膜を持つ動物群の総称。一般的に陸上生活に適し肺呼吸する。

ら行

両生類
脊椎動物門・無羊膜類(亜門)の一綱。体表に鱗や骨板が無く、常に潤っている。幼生時には水中で鰓呼吸をし、変態後は肺呼吸をする。迷歯類・空椎類・跳躍類の3亜綱からなる。全世界に約三千種。

わ・を・ん

英数字