万能川柳・全掲載句

1994-1998(◎は秀逸)

1999年以降は、こちらから。


1995
1996
1997
1998


1994
 

連休が終わり心は夏休み

羽田さんが半袖になる夏が来る

フラフラフラフラフラフラフラ社会党 ◎

タレントになる議員あり逆もあり

集会をしている猫ににらまれた

結婚をしてからわかったあんな癖

1ドルは缶ジュースより安いのね

履歴書を書き慣れるほど就職難

古い辞書エッチな言葉にチェックあり

夏だなあセミもチューブも歌ってる

物真似をしすぎて元に戻れない

ゴレンジャー五人もいれば勝つだろう

おふくろの味は結構マズかった

社長ってミックジャガーと同期なの

先輩の彼女と知らず口説いてた

馬鹿な句をとことん真面目に考える

夢なのに何でペコペコしたんだろう

芸術の割には随分エッチだな

マンガならここでバックにバラが咲く

威張ってるけれどチャックが開いてるよ

ヒラだって五分の魂あるんだぞ

地元民誰も行かないあの名所

失敗だナンパの名所で待ち合わせ ◎

エフエムノバングミヒョウッテコンナカンジ

サービスで白紙の領収書が二枚

ファックスに「電話に出ろ」と書いてある

始末書の書き方みんな俺に聞く

雑草のように生きてて抜かれちゃう

忘れたいこと蒸し返す忘年会

普通そうでしょうと極論言っている

一番の変装になるノーメーク ◎

ドンマイと言う声何だか怒ってる

 
 5月25日に、真ん中よりやや左の位置の掲載で、「連 休が終わり心は夏休み」がひっそりと初掲載。当時失業中で毎日が夏休み、シャレにならない内容でした。
 「フラフラフラフラフラフラフラ社会党」は、当時の羽田内閣(細川首相退陣後の短命連立政権)で、社会党(現・社民党)が小沢一郎氏に無理難題を吹っか けられ続け、連立政権を抜けるか抜けまいか、ホントにフラフラと迷っていたことをそのまんま描いたモノ。6・8・5の無茶苦茶なスタイルで、載っただけで もすごいのに、これに秀逸をつけてしまうなんて、これが仲畑流の自由さなのか?と肌で感じました。毎日新聞の夕刊コラム「近事片々」で、なぜか2度も取り 上げていただきました。
 それにしても今読むと、中八は目立つし、全体に下手くそですねえ。そんな中、信じられないことに、「一番の変装になるノーメイク」で、初の月間賞と、 94年の年間特別賞をいただいてしまいました。ま、この中では割とオーソドックスな手法ですし、安心して読めますかね、今振り返ると。

 

1995

紳士服チラシのポーズは何か変

内線で呼ぶなよ歩いて十歩だろ ◎

厄年と大吉どっち信じよう

下心シュプール描くスキー場

厄除けをしてもおっちょこちょいじゃなぁ

マザコンと言われて母に相談し ◎

同意見だけど嫌いな喋り方

句と名前2行になって恨まれる

ギャグならばレベル高いがマジらしい

ママこそが迷子なんだと言い張る子

雑巾にされたYAZAWAのバスタオル

終電に間に合いガッカリする彼氏

ジョーカーとつながっていた赤い糸

タダならばとっくに帰っている映画

ナンパしたはずが教材買わされた

彼女には前の彼女をブスと言い

日本の首相はパセリのようなもん

ノーと言いちょっとビビっている日本

あと一人思い出せないあのトリオ

露出狂笑い飛ばした女子高生 ◎

俺のことジョニーと呼べと言うヒロシ ◎

どうしても覚えられない語呂合わせ

悪い癖直してる時ついた癖

収納の邪魔になってる整理棚

政治家を目指しタレント学校に

炎天下長居できないウルトラマン ◎

皮肉だと気が付かなくて照れた俺

ファンキーな曲だが歌詞はフォークじゃん

当選の前は新鮮だったのに

コンサートちょっとノッてる警備員 ◎

アレなしでアレしたからかアレがない

和英辞典見て作詞するロック歌手

コギャルって言うよりむしろコザルだな

げっ!パパの形状記憶したパンツ

SMAPの全員の名を言う特技

肝心のサビが英語で意味不明

鬼課長その奥さんは桃太郎

歳をとり服脱ぐ女優着る女優

一升を空けた仲間の連帯感

あのサンタ誰かと見れば和尚じゃん ◎

ウブなフリ疲れるなぁと言う子供

 
 1月14日「内線で呼ぶなよ歩いて十歩だろ」で、累計50点を達成、「1日指定 席」を獲得できました。
  「アレなしでアレしたからかアレがない」から、エッチ句(仲畑さん曰くセクシャル川柳)の追求が始まりました。この句は、小谷野明広さんに「杉山さんア レってやっぱりアレですか」と返句されたという意味でも思い出深いモノです。
 「SMAPの全員の名を言う特技」は、SMAPの「ばら売り」が始まったばかりの頃で、今ほど1人1人のキャラが立っていなかったと思います。時代を感 じさせます。


1996

花言葉知って花束返した娘

バブル期の設計だろね派手なビル

喋らなきゃとてもかわいい女子高生◎

大卒でこの質問かリポーター

責任をパスパスパスパスパスパスパス

公約を一つ守っただけの人

本当はみんなのための税だよね

お世話様でしたと捨てた写真集

野球部の監督だなのチョーク投げ ◎

タコ焼きで地球の中身説明し

ジッパーを触ると怒るウルトラマン ◎

整形をして旧友と縁を切る ◎

美人から貸出中になるビデオ

肩までのサラサラヘアを誇る兄

おごるよと言って入ったラブホテル

セクシーなポーズをとってヒゲあたる

共通の話題が何もない恐怖

よくこれで捕まったなのモンタージュ

つけてれば結婚はまだ先だった

サビのとこ訳してみなよ意味がない ◎

エアバッグ体験談に人だかり

本当に流行ってるのかそんなこと

居眠りのスーツにちょんと赤とんぼ

お笑いに行詰まっての立候補

こんなので最高級ということは

すっぴんの顔も知ってるほどの仲

政治家になりたい訳を聞きドキリ

看護婦に剃られるときに出た若さ

恋人が欲しいよなあと見る右手

開けちゃダメこれは大人のおもちゃ箱

ぼくたちとホントよく似た神様だ ◎

発想にバブルがちょっと残ってる

今それは健康によくないってさ

男運ないワと俺を見る彼女

 
 まったくもう、エッチ句が大爆発した年ですね(笑)。「看護婦に剃られるときに出 た若さ」とか「恋人が欲しいよなあと見る右手」とか、全国紙の朝刊に、よくこんなものを載せたなという...。しかも集中的に載るので、「エッチ句の竜」 というイメージが定着した年だったのかも。
 でも、「整形をして級友と縁を切る」といったシリアス調の句も載り始めているんですよね。ま、ウイングを広げ始めたということにしましょう。
 また、この年の夏頃から、いろいろと忙しくなり投句ペースを落としたこと。秋には万能川柳のクラブ会報の企画で、選者の仲畑氏と対談ができたこと。個人 的にちょっと転機の年でした。


1997

言い張って言い間違いを流行らせる

右手だけ夜にマニキュア塗る男

やっていて空しくないかネズミとり ◎

安全日だからと嘘をつく彼女

プロポーズする直前のヘンな顔 ◎

ホテル出る前に彼女の名前聞く

医学書の写真見た夜うなされる

課長の子欲しくて嘘の安全日

探偵になればいいじゃんストーカー

世紀末だからと言って済ませとく

パパを見て僕と同じと笑った子

そんなことしてまで笑い取りたいか

こんなのがベストセラーのわたしたち ◎

遅刻して時代のせいにしてる人

動燃と比べりゃ俺は正直よ ◎

父さんの料理はまるで実験ね

相手の目じっと見つめてついた嘘

予報士がいつも持ってる折りたたみ

振り返るのは余裕かな迷いかな

俺のだとセーラー服をしまう父

保保保保保保保保保保保保保保保革 ◎

ついに出たPHS木目調

過ぎたことなんか忘れてまた予言

僕の行く新党ぜんぶ壊れちゃう

タテノリをちょっと感じるクラシック

講釈が多いなマック使う人

歌よりもズラが気になるエルトン・ジョン

天下りそうかそっちは天なんだ

布袋ってヘンな名前と言う氷室 ◎

本命にだけはやらないスゴイこと

子供って中性的な魅力だな

性欲のうち何割が愛だろう ◎

俺ならばそうしないけど頑張れよ

やっぱウソだった社長の「大丈夫」

2丁目で見た級友の艶っぽさ

 
 うーん、どうでしょう。何だかマンネリですねえ。秀逸数はわりとあるんだけど。
  「布袋ってヘンな名前と言う氷室」(元BOOWYネタです!)が、情報センター出版局刊「みんなのつぶやき万能川柳7本目」の中の、仲畑貴志氏のエッセイ の中で取り上げられました。特筆すべきことはこのぐらいかなあ、97年は。


1998

時代より先に行きすぎ恥ずかしい

なぜここで外人モデル使うかな

謝罪するために社長になった人

体育の日に生まれたということは

拝啓と書かなくなったEメール

愛し合う場所を探して朝になる

怒るのも醒めるのもまた横並び

あの頃のビデオ時々見てる歌手

また俺は自分を殺すことにした ◎

外回りルートに今日は海を入れ

商談の決め手になった出身地

マヨネーズこんなものにもかけちゃうの

独り身が長くてついたヘンな癖

かっこいい花粉グッズが欲しいなあ

温泉の有線で聞くピストルズ

巨悪って実はちっちゃいヤツらしい

別れよう(お願いハイと言わないで) ◎

東大を出た人がホラこれだもん

夢の中ラクにしなよと言った猿

汚くてすぐに帰った宇宙人

お互いに腹は鳴っても続くキス

ファッションの歴史が眠るこのタンス

シャワーから出たら彼女の置き手紙

こんなのはゴジラじゃないと言った父

お互いに歳取ったなと見るドリフ

ダサすぎて逆に愛しく思っちゃう

CMがオーバーだなあ外資系

ディベートのコツはでっかい声なんだ

なぜみんなスケベっぽいの元アリス

もしかしてワザとじゃないか鳩のフン

ムーディーズ悪いムードを作ってる

不自然なポーズばかりの写真集

この俺が課長になれる時代だぜ

俺だけが違う食い方してたんだ

アイドルの素顔にビビるロック歌手 ◎

誤字があり差し替えになる正誤表

じゃあキミは清いんだよねレポーター

目覚めたら彼女がヒゲを剃っていた

持っているだけで同情される株

 
 マンネリ突破のため、いろんな事をまたやり始めました。
  その成果?が「別れよう(お願いハイと言わないで)」。短歌や俳句の一部ではカッコ書きは既にありますが、川柳ではまだ見たことがなかった(あるかもしれ ないけど)。それが何とか形になり、宮本佳則さんや恋し川さんにもリスペクトされました。ありがとうございます!
 98年は秀逸が少なかったですが、自分でもお気に入りの句がたくさん入選し、そういう意味で満足のいく年でした。

1999年以降は、こちらから。